【はじめに】
議員の皆様、おはようございます。本定例会の開会にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
本日は、令和5年第1回鶴ヶ島市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、ご健勝にてご参集を賜り誠にありがとうございます。
【新型コロナウイルスをめぐる動き】
さて、遡ること3年前、令和2年の1月に国内で初めての感染者が確認された新型コロナウイルスについては、今年の5月からは感染症法上の位置付けが、季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げられることになりました。
この3年間、本市においても特別定額給付金やワクチン接種の対応、自宅療養者への食料等の配達など、数多くの取組を関係機関との連携を図りながら実施してきたところです。今回の位置付けの変更により、コロナ対策は大きな転換点を迎え、今後は平時の日常生活を回復させていくことになります。
現在、特定の医療機関に限られている、コロナの疑いのある方の受診については、今後は幅広い医療機関で受診できるよう段階的に移行する予定です。一方で、今年度限りとされていたワクチンの接種については、今後も接種の機会を確保する方向で検討が進められています。
市では円滑な移行に努めるとともに、引き続き感染状況を始め、新型コロナウイルスをめぐる動向に十分留意し、市民の生活を守ってまいります。
【令和5年度当初予算】
本定例会では、令和5年度当初予算をはじめ、多くの案件にご審議をいただきます。また、4月からの新しい年度を控えた定例会でもあります。この機会に、新年度予算の編成と事業の概要について申し上げ、議員各位及び市民の皆様に、ご理解とご協力をお願いしたいと思います。
【国の動向】
まず国では「経済財政運営と改革の基本方針2022」、いわゆる「骨太の方針」において、当面の経済運営として「厳しい状況にある方々を全力で支援」し、「コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものにしていく」としています。
そして、デジタル田園都市国家構想等による地域活性化の推進や、グリーントランスフォーメーションへの投資など、新しい資本主義に向けた実行計画等を開始する方策を早急に具体化し、実行に移すなどとしています。
【予算編成にあたって市の考え方】
こうしたことを受け、市では令和5年度の予算について、昨年度に引き続き「支援の継続」「躍進」「構造の転換」の3つの柱を基本的な考え方に据え編成いたしました。
「支援の継続」では、新型コロナウイルス感染症や物価高騰の影響を受ける市民等を、引き続き支援してまいります。「躍進」では、第6次総合計画に掲げた目標達成に向け、各事業を力強く推進してまいります。そして、「構造の転換」では、デジタル化の推進や脱炭素の取組など、社会情勢の変化にしっかり対応してまいります。
令和5年度については、これまで温めてきた様々な構想や計画が、いよいよ本格的に動き出すスタートの年になると考えています。それでは、新年度の主な事業の概要について、3つの重点戦略の分野ごとに申し上げます。
【重点戦略1・子どもにやさしいまちづくり】
まず1つ目「子どもにやさしいまちづくり」の分野では、子育て支援をさらに充実します。
今年度開始した妊娠された方1人当たり5万円の「出産応援金」と、出産後における新生児1人当たり5万円の「子育て応援金」の支給に加え、新たに市独自事業として新生児の誕生をお祝いする「出産お祝い品」を贈呈します。お子さんが第3子以降の場合には、これにプラスして応援金2万円を支給いたします。
こうした経済的な支援と並行して、面談等を通して必要な支援につなぐ「伴走型支援」の継続などにより、引き続き安心して出産し、育児ができる環境づくりを進めてまいります。
学校においては、学校再編に向けた施設整備が始動します。
令和5年度においては、鶴ヶ島中学校における西中学校との再編に向けた、校舎・グラウンドの改修のための設計を行います。そのほかでは、杉下小学校において老朽化対策として校舎屋上の防水や外壁塗装の改修を行うとともに、新町小学校においては次年度実施に向けた設計を行います。中学校では、藤中学校と富士見中学校の体育館において、空調の導入に向けた工事を実施するとともに、西中学校と南中学校においては次年度の工事の実施に向けた設計を行います。
施設関係以外では、好評をいただいている夏休み期間の事業「鶴っ子サマースクール」を引き続き実施し、さらに新たな取組として民間施設を活用した水泳授業を、小・中学校からモデル校を選定して試行します。
なお学校給食については、昨今の物価高騰に伴う食材購入費の高騰分を市が負担することで、保護者に対する経済的支援を行ってまいります。これらの取組を通じ、新しい時代を生きる子どもたちの、豊かな学びをしっかりと支援してまいりたいと考えています。
【重点戦略2・いつまでも健康でいられるまちづくり】
次に2つ目「いつまでも健康でいられるまちづくり」の分野では、シルバーeスポーツを活用した健康づくりを拡充してまいります。
令和5年度は、新たに「シルバーeスポーツ・デジタル支援員」を養成して地域に派遣し、高齢者のデジタル活用を支援していきます。このほか、高齢者の口腔機能改善に向けた取組を拡充させ、口腔フレイル対策のさらなる充実を図ってまいります。
併せて健康づくりに利用できる公園整備も進めてまいります。
官民連携で進めている鶴ヶ丘児童公園のリニューアルについては、現在、改修工事を進めており、令和5年度中には工事が完了する予定です。また、今年度に住民参加型のワークショップを開催した、若葉駅西口の土地区画整理地内の街区公園については、地域の方々の意見を採り入れた整備を実施します。市内企業との連携や市民の参加による公園整備を行うことで、より多くの方に愛され利用される公園になるものと考えています。
そのほか県から移管後、市の公園に生まれ変わった鶴ヶ島グリーンパークでは、新たに管理棟と夜間照明の整備に向けた設計業務に着手します。今後、さらに親しまれる公園を目指し利便性を高めてまいります。
コロナ禍では多くの方が外出機会の減少を余儀なくされました。これにより体力の低下等、人々の健康への影響が懸念されています。ポストコロナに向け、それぞれの事業を進めることにより、子どもから高齢者まで誰もが健やかに暮らしていけるよう、取組を進めてまいります。
【重点戦略3・多様な働き方が実現できるまちづくり】
3つ目の「多様な働き方が実現できるまちづくり」の分野では、鶴ヶ島駅周辺地区のまちづくりを、次の段階に進めてまいります。
このプロジェクトについては、今年度市民アンケート調査を実施するとともに、団体ヒアリングやワークショップなどを開催してきました。地域の皆さんとの意見交換などを踏まえた、まちづくり構想が来月まとまります。令和5年度においては、この構想の実現に向けて、具体的な整備計画を作成し令和6年度の事業化に向けた準備に入っていきます。
都市計画道路については、川越鶴ヶ島線の整備完了に続き、間を空けずに共栄鶴ヶ丘線の整備に着手し、用地取得に向けた建物物件調査や土地の鑑定・評価等を行ってまいります。
圏央鶴ヶ島インターチェンジの周辺においては、市道として初の4車線道路となる川越鶴ヶ島線が、インターチェンジのフルインター化とともに、来月25日いよいよ全線開通の日を迎えます。これにより、交通の利便性が大きく向上し、地域の魅力が一段と高まってまいります。
株式会社IHIの南側に広がる産業用地については、すべての区画において現在、企業の立地に向けた手続が進められているところです。ますます注目の集まるこのエリアにおいて「(仮称)つるの駅」整備に向けた取組を進めるとともに、道路ネットワークの形成を生かし、企業の誘致を推進してまいります。
【その他の主な取組】
これらの重点戦略と並行し、令和5年度においては脱炭素に向けた取組を進めてまいります。
既に、国では2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しております。市においても、今年度末に策定予定の「第3期鶴ヶ島市環境基本計画」において、温室効果ガスの削減目標を定める予定です。この意思を内外に示すため、来月には「ゼロカーボンシティ」を宣言するとともに、エネルギーの関連企業との協定を締結し、新たな一歩を踏み出します。
令和5年度においては、公共施設への太陽光発電設備設置に向けた調査を行うほか、市民の再生可能エネルギー導入のきっかけづくりと、省エネ家電の普及に向けポータブル蓄電池の購入や冷蔵庫・照明機器の買い替えを促していきます。
今後の取組を進めることで、未来の世代のために市民や事業者への意識啓発と温室効果ガスの排出量削減、再生可能エネルギーの普及を図ってまいりたいと考えています。
【予算総額】
以上、令和5年度の事業の概要について申し上げました。
令和5年度一般会計当初予算については、現状の安定した財政運営を背景に、第6次鶴ヶ島市総合計画に掲げる重点戦略を中心に取り組み、市の将来像の実現につながる事業の予算化を行いました。予算総額は、当初予算額としては2年連続で過去最大の予算規模となり、総額226億1,000万円、対前年度比6億2,000万円、率にして2.8パーセントの増額となりました。
【提出議案等について】
最後に、本定例会に提案させていただきました議案について申し上げます。
人事に関する議案が9件、条例に関する議案が11件、令和4年度補正予算に関する議案が6件、令和5年度当初予算に関する議案が6件、字の区域の廃止及び字の区域の変更に関する議案が1件、町の区域を新たに画することに関する議案が1件、このほか、報告が1件です。
内容につきましては提案理由等によりご説明申し上げますので、慎重ご審議の上、ご議決いただきますようお願い申し上げまして、開会の挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。