決算のあらまし
平成23年度一般会計では、歳入(収入)が、189億5813万円、歳出(支出)が、181億2430万円となりました。
歳出は前年度に比べ減額になっているものの、子ども手当支給事業費や障害者自立支援事業費、感染症予防対策事業費などにより、民生費、衛生費が大きく増額となっています。一方、歳入は市税が4年連続で減少している状況で、不足分を地方交付税と臨時財政対策債の発行で賄うなど、財政運営は引き続き予断を許さない状況にあるといえます。
歳入
市税は市たばこ税が税率改正の影響などにより増収となりましたが、個人市民税をはじめ他の税目の多くは減収となっています。その結果、市税全体では2954万円の減(▲0.3%)となっています。また、臨時財政対策債の減などにより市債が5億8932万円の減(▲30.2%)となったほか、国庫支出金も減額となったことから歳入全体としては対前年2.7%の減となりました。
歳入総額 189億5813万円
財政用語の解説
◆市税 | 市民税、固定資産税などの税収入 |
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◆国県支出金 | 特定の事業のために国・県から支出されるお金 |
◆地方交付税 | 市の財政状況に応じて国から交付されるお金 |
◆市債 | 大きな事業などを行うために市が借り入れるお金 |
◆繰越金 | 前年度から繰り越したお金 |
◆地方消費税交付金 | 県の地方消費税収入の中から市に対して交付されるお金 |
◆分担金及び負担金 | 市が行う特定事業により利益を受けた方から負担していただくお金 |
◆地方譲与税 | 国の税収入の中から市に対して交付されるお金 |
◆使用料及び手数料 | 【使用料】公共施設などを利用した方から負担していただくお金 【手数料】特定の方への行政サービスに対して負担していただくお金 |
◆地方特例交付金 | 子ども手当、児童手当拡充に伴う財源の経過措置として、また、住宅ローン減税に伴う市民税の減収補てんなどのために国から交付されるお金 |
◆繰入金 | 他会計や基金から繰り入れるお金 |
◆その他 | 利子割交付金、配当割交付金など |
歳出
民生費は、68億7945万円で、全体の38.0%を占めています。子ども手当支給事業や障害者自立支援事業などを行いました。
土木費は、26億159万円で全体の14.3%を占めています。道路舗装修繕事業や道路交通環境安全対策事業などを行いました。
総務費は、24億4884万円で全体の13・5%を占めています。市内公共交通実証運行事業や総合計画・行政改革推進事業などを行いました。
教育費は、21億6038万円で全体の11.9%を占めています。東日本大震災を受け、小・中学校体育館耐震補強事業を早期に完了するため、前倒しで実施することとしました。
また、東日本大震災によって被災した方々への対応として、市民の皆さんからの寄附金を、特に被害の大きかった岩手県、宮城県、福島県、茨城県の4県へ全額義援金として
贈らせていただきました。
歳出全体では対前年2.7%の減となっています。
歳出総額 181億2430万円
財政用語の解説
◆民生費 | 高齢者、児童、障害者などの福祉全般の事務・事業に使うお金 |
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◆土木費 | 道路、公園整備などに使うお金 |
◆総務費 | 住民窓口、課税徴収、IT化など市の総括的な事務に使うお金 |
◆教育費 | 学校運営の費用や公民館、スポーツなど教育全般の事務・事業に使うお金 |
◆衛生費 | 保健衛生、公害対策など安全で衛生的な生活のために使うお金 |
◆公債費 | 市債を返済するために使うお金 |
◆消防費 | 消防や災害対策に使うお金 |
◆その他 | 議会費、労働費、農林水産業費、商工費など |
財政用語の解説
◆扶助費 | 「生活保護法」など各種法令に基づき、被扶助者に対して支給されるお金 |
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◆人件費 | 報酬、給料、職員手当など、通常労働の対価として支払われるお金 |
◆物件費 | 消耗品・備品の購入費、業務の委託料などに要するお金 |
◆補助費等 | 一部事務組合への負担金および団体などへの補助金 |
◆繰出金 | 他会計や基金(定額を運用するもの)に対して支出するお金 |
◆公債費 | 市債(借入金)の返済に要するお金で、市債の元金返済金とその利子 |
◆普通建設事業費 | 道路、区画整理などの都市基盤や公民館、学校などの公共施設の整備に要するお金 |
◆その他 | 維持補修費、積立金、貸付金、投資および出資金 |
特別会計決算
会計名 | 歳入 | 歳出 |
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国民健康保険 | 73億2172万円 | 68億1363万円 |
後期高齢者医療 | 3億8403万円 | 3億8229万円 |
介護保険 | 26億8566万円 | 24億1300万円 |
一本松土地区画整理事業 | 2億3124万円 | 2億1527万円 |
若葉駅西口土地区画整理事業 | 4億4675万円 | 4億1384万円 |
【特別会計】特別会計は、一般会計とは別に、特定の事業を行うために条例などによって設置されるものです(老人保健特別会計は平成22年度限りで廃止)。
一部事務組合負担金
坂戸、鶴ヶ島下水道組合 | 6億3221万円 |
坂戸地区衛生組合 | 8583万円 |
埼玉西部環境保全組合 | 7億 785万円 |
坂戸・鶴ヶ島消防組合 | 8億9583万円 |
広域静苑組合 | 2563万円 |
坂戸、鶴ヶ島水道企業団 | 53万円 |
【一部事務組合】一部事務組合とは、複数の市町村で事務の一部を共同処理するために設置された団体で、市が構成している一部事務組合は6組合あります。
市債残高の推移
市債とは、道路や公園などを整備する財源や財源の不足を補てんするために、国や金融機関などから借り入れたお金をいいます。公共施設の整備には一時的に多額のお金が必要になります。市債はこのような単年度で支払うことが難しい場合に発行されますが、このほかにも、その施設を使う将来の市民にも経費を分担してもらい、「世代間の公平性を保つ」という役割もあります。
いずれにしても、市債は将来に負担を残すものですので、市ではバランスを取りながら市債を活用するよう努めて、過去の市債も計画的に返済しています。
経常収支比率の推移について
鶴ヶ島市 89.7%(前年比 プラス1.9ポイント)
県内市平均 90.1%(前年比 プラス1.9ポイント)
経常収支比率は、毎年度経常的に収入される財源のうちで、人件費、扶助費、公債費などのように毎年度経常的に支出される経費に使われている割合です。
この比率が高くなるほど、市の新たな事業を展開するための経費的なゆとりがなくなることを表します。
━グラフの見方━
市の財政状況を表す経常収支比率は89.7%で、前年度と比較して1.9ポイント悪化しました。これは経常的に収入される財源に大きな変化がないにもかかわらず、歳出において公債費が減少したものの、扶助費および人件費が増加したことにより、前年度と比較し1.9ポイントの悪化となったもので、財政運営の厳しさが増したことを示しています。
経常収支比率にみる財政の余裕度
平成13年度決算における経常収支比率 84.0%(ゆとり16.0%)
平成23年度決算における経常収支比率 89.7%(ゆとり10.3%)
経常収支比率を家庭に置き換えると?
市の経常収支比率を月収30万円の家計にたとえると、市の経常収支比率を月収30万円の家計にたとえると、平成13年度は4万8000円を自由に使えたのが、平成23年度には3万900円に減ったことになります。
平成22年度の経常収支比率87.8%(ゆとり12.2% 3万6600円)に比べると、平成23年度はゆとりが減少した形になっています。その理由としては、年々増加傾向にある扶助費の影響が大きく、健全な財政を維持していくためには市税などの自主的な財源の確保とともに、引き続き適切な歳出管理をしていくことが望ましいものと考えています。