目的
平成30年度、エコ鶴市民の会による市民提案による協働事業としてキエーロのモニター調査を実施し、令和元年度は親子工作教室を実施しました。その後、令和2年度以降は市の5Rの取組として生ごみ処理器の販売を開始しています。生ごみ処理器の販売は好評で、毎年販売開始から2か月以内に30基が完売となっています。
一方で、毎年購入者を対象としたアンケートでは、数名の方が使用を中止してしまう、使用方法に悩みを抱えてしまうという結果が見られました。キエーロを購入された方々に、もっとキエーロを楽しく活用していただき、使用している中での悩みを解決したいという思いで、継続使用者の方々を対象にアンケート調査を実施しました。
【対象者】平成30年度から令和2年度までの間にキエーロを購入された方
対象世帯:70世帯
年 度 |
購 入 者 |
世帯数 |
平成30年度 |
市民提案による協働事業モニター事業参加者 |
15世帯 |
令和元年度 |
市民提案による協働事業親子工作教室参加者 |
25世帯 |
令和2年度 |
キエーロ購入者 |
30世帯 |
アンケート調査の結果
概要
回答世帯数 54世帯 回答率77%
(1) 世帯人数の平均 3.4人
(2) 1回あたりの投入量の平均 4~10月:246.76グラム 11月~3月:206.02グラム
(3) 生ごみ減量の成果(投入頻度、投入量で換算)
【夏場】4月~10月 |
1,004,500g |
【冬場】11月~3月 |
457,415g |
合 計 |
1,461,915g |
キエーロを使用した世帯の年間生ごみ総処理量は1,461,915グラムでした。
世帯人数の合計(170人)から計算すると、1人あたり年間で8,599.5グラム、
1日あたり約23.89グラムのごみの削減となりました。(参考:令和3年の1人1日あたりのごみの排出量は794グラム)
結果と考察
【キエーロの使用頻度】
結果
夏場:アンケート回答者の内、65%が継続して使用しており、35%が使用を中止してしまった。
冬場:アンケート回答者の内、54%が継続して使用しており、46%が使用を中止してしまった。
使用を中止してしまった理由としては、面倒で手間がかかるという意見が多く、次いで分解が進まない、などの理由が挙げられました。使い続けるための秘訣としては、野菜くずなど細かく刻む、キエーロで分解しやすいものを入れる、分解しにくいものはコンポストを併用するなど、生ごみを処理しやすいように工夫していることが分かりました。また、キエーロの継続使用年数別による使用中止率は下表のとおりです。
継続年数 |
4年目 |
3年目 |
2年目 |
使用中止率 |
45%(5/11) |
42%(8/19) |
21%(5/24) |
考察
継続年数が長いほど、使用を中止してしまう方が増加する傾向があります。しかし、今回アンケートの聞き取り調査を行った際、改めて使い方の説明を行うと「もう一度使ってみる」と回答いただいた世帯もありました。購入後のアフターフォローを行うことで、使用を中止してしまう人を減らせるのではないかと考えられます。
【生ごみの処理量】
結果
キエーロを使用した世帯の総処理量は1,461,915グラム。世帯人数の合計(170人)から計算すると、1人あたり年間で8,599.5グラム、1日あたり約23.89グラムのごみの削減となりました(参考:令和3年の1人1日あたりのごみの排出量は794グラム)。
令和2年度、3年度の1人1日あたりのごみの削減量を比較すると下表のとおりです。
対 象 者 |
令和2年度購入 30世帯 |
令和3年度購入 30世帯 |
平成30~令和2年度まで 70世帯 |
調 査 機 関 |
半年間(6~11月) |
半年間(6~11月) |
1年間 |
1人あたりの1日のごみの削減量 |
51.7グラム |
63グラム |
23.89グラム |
考察
令和2年度、令和3年度の結果は、キエーロの使用時期が6月から11月という比較的分解が進む時期の処理量をベースに計算しています。分解速度が下がる冬場の処理量も合わせた今回の処理量が減ってしまうことは致し方ないですが、冬場も安定的に処理できることが重要となると考えられます。
【使用者の実感】
結果
キエーロを使い、生ごみとなるものをほぼ処理できたが47%、半分くらい処理できたが20%と、合計67%が半分以上の生ごみを処理できたと回答しています。
また、キエーロを使ってよかった点として、ごみの量が減った、生ごみの臭いが解消した、キエーロは水切りする必要がないので楽、生ごみが土になるのが楽しい、などの回答がありました。
一方、困った点として、冬場の分解に時間がかかる、すべての生ごみを分解できるわけではない、面倒くさい、虫がわいてしまった、などの回答がありました。
考察
冬場にもキエーロを継続して使えるような工夫や、正しい使い方を広めることで、生ごみを自己処理できる喜びや楽しみを継続して感じてもらうことができ、長期継続使用につながると考えられます。
【キエーロのバリエーションへの要望について】
結果
「今と同じタイプのキエーロ」、「底のない直置きタイプのキエーロ」、「バック型のコンパクトキエーロ」とも得点は横並びであり、唯一「その他の生ごみ処理器を購入するための補助金を希望する」のみ得点が2点高くなりました。
考察
キエーロのバリエーションを増やすことは可能であることから、直置きタイプのキエーロ製作の検討を行います。
また、コンパクトタイプのキエーロについても需要があることから、段ボールや衣装ケースなど家庭にあるものを使ってコンパクトなキエーロができることもホームページなどで紹介を行います。
市販で購入できる生ごみ処理器は電気を使うものが主であるため、電気を使わない本市のキエーロは大変エコロジーな生ごみ処理器といえます。しかし、キエーロの使い方が合わず使用を中止してしまうケースもあることから、今後市販の生ごみ処理器を購入する方法についても検討する必要があると考えます。
アンケート集計結果一覧(PDF)
アンケート集計 [PDF形式/1.09MB]結果を一覧にまとめました。クリックしていただくと、新たなページで開きます。
キエーロを快適にお使いいただくための5つのポイント
その1 キエーロの分解が得意なものは、人が食べられる物!
さんまの頭などの小骨はキエーロで分解することができますが、肉などについている太い骨は苦手です。
トウモロコシの芯や卵の殻なども苦手で、得意なのは、私たちが口にできるものや野菜の切れ端などです。
また、生肉や生魚などは分解する際に臭いがきつくなりますので、一度湯引き等していただくことをお勧めします。
フードプロセッサーなどで細かくしてから混ぜ込むと、さらに分解が進みますよ!
その2 生ごみを埋めるときには、穴を深く掘り、乾いた土を被せましょう!
生ごみが土から出ていたり、湿った土をかぶせてしまうと臭いの発生源となり、虫が寄ってきてしまいます。
黒土の穴は20cmほどしっかり掘り、最後は、乾いた土をたっぷりかぶせましょう。
乾いた土でしっかりと蓋をすれば、臭いや虫を防ぐことができます!
その3 庭木の枯葉を入れる場合は、注意!
枯葉には、虫の卵がついていることがあります。
枯葉を入れると、栄養たっぷりのキエーロの中で、卵からふ化した虫が大量発生してしまう可能性があります。
虫が発生した場合、一時的な対処として殺虫剤をまくか、熱湯をかける方法で対処できます。
実際にキエーロで虫が大量発生してしまった時は、熱湯をかけてしばらく様子を見ました。
熱湯をかけ、枯葉を入れなくなってからは虫は出ていませんし、通常通りキエーロを使うことができています。
その4 揚げもの後の油を入れると、分解後の土が硬くなる!
揚げ物をした後の油も、キエーロに任せれば簡単に処分できます。
しかし、油の分解が終わった後の土は、硬くなり、固まります。
根気強くスコップ等でよくほぐしてください。その後は通常通りに使えます!
その5 分解が進まないときは、掘り返して新しい水と空気を入れてあげよう!
キエーロの黒土の中で、生ごみを分解しているバクテリアは生物です。
新しい水と空気を入れてあげると、バクテリアの働きが活発になり、分解も進みます。
土を掘りおこした時にまだ分解が終わっていなかったら、水を足してよく混ぜ合わせてください。
その際、新しい生ごみを投入しても大丈夫です。乾いた土でしっかり蓋をしましょう。
また、黒土に定期的に米ぬかを混ぜ込むと分解が進みます。黒土が空気を含みやすくするために、もみ殻などを混ぜ込むのも、おすすめです。
キエーロの実践中です!
生活環境課では、キエーロの実験を行っています。
キエーロを使って一年中生ごみを処理できるようにするため、色々な実験を行い、結果を検証しています。
ホームページで紹介していますので、下記のリンクから覗いてみてください♪
皆さんからのリクエストもお待ちしていますので、こんなことを試してほしい!これは分解できるの?など、メッセージをお送りください。私たちが実験し、結果を報告します!!
また、使っていて困ったことがあれば、いつでもご連絡ください。皆さんの快適なキエーロライフをサポートします!