キエーロで作られた栄養満点な黒土
令和3年度は、黒土におがくず・米ぬかを混ぜ込んで(底にもみ殻を敷いて通気性アップ)改良したキエーロと、黒土の実のキエーロを用意しました。この2台のキエーロを使って、分解速度などを比較する実験を行うのですが、黒土の条件を合わせるために、これまで使用していたキエーロの土は取り出すことにしました。取り出した黒土は、令和元年・2年度に実践研究を続けたおかげで、生ごみがたっぷり堆肥化されています。きっと栄養満点なはず……。
そこで、この栄養満点なキエーロの土を使って野菜を育ててみることにしました!
黒くつやつやとした黒土。2年間分の栄養がたっぷりと詰まっています。
育てる野菜は……スイカ!!
皆さん、覚えていますか「スイカ丸ごと投入実験」!スイカは見事に分解されましたね☆
分解後のその場所から、かわいらしい芽がいくつも出てきました
あまりにかわいらしく、しっかりした芽だったので、ポットで育てていたのです
水を与え、日に当てて、大事に育てたスイカの苗が、だいぶしっかりしてきました。
これなら、もう植え付けても大丈夫そうです。
続いて、植え付ける畑の準備をします。
あらかじめ耕しておいた土に、キエーロを製作する際に出たおがくず(柳川工務店さんから提供いただきました)をたっぷり混ぜ込みます。土がふわふわになりました♪
そこへ、キエーロの黒土をしっかりと混ぜ込みます
苗を植え付けます。しっかりと育ってくれますように!
畑の様子は、今後随時更新していきます。
楽しみにしていてくださいね♪
6月28日
スイカの苗です。一枚一枚の葉っぱが大きくなり、茎も伸びてきました!
先端の芽を欠いておいたので、脇芽もぐんぐん伸びてきています。
畑全体の様子です。3つ植えた苗が、それぞれ順調に育っています。
そして、スイカの苗の後ろに、ちょっと背の高い植物が……。
実はこれ、プチトマトの苗です。 職員の家のプランターから、ある日突然伸びてきました。
プチトマトを植えていたプランターではなく、エニシダという黄色い花を植えていたのですが……鳥の落とし物から生えてきたのかもしれません。
せっかくなので、畑に一緒に植えてみました。無事に植え替えられ、かわいらしい花が咲いているので、プチトマトも収穫できるかな、と期待しています♪
7月2日
スイカの苗の様子です。つるが伸びてきています。
たった4日でこの成長。嬉しくなりますね。
プチトマトもしっかり育っています。
プチトマトの両脇には、オクラも植えられました!どんどん畑らしくなってきますね!
7月13日
畑全体の様子です。一つひとつの苗の成長が著しく、畑が狭く感じられるほどです。
スイカのつるがさらに長く伸びていて、黄色い花も咲かせていました。
スイカの苗の後ろ……さらに苗が増えていることに気が付かれましたか?
青い矢印はプチトマトです。
黄色で印をつけたのはオクラです。
プチトマトの左隣ピンクで印をつけたのは青じそです。👈new!
赤で印をつけたのは、バジルです。👈new!
青じそとバジルも仲間入りしました!!
キエーロの土を使った畑が、ますますにぎやかになってきました。
梅雨が明けたら、皆勢いを増して育ってくれることでしょう。楽しみです!
7月26日
暑さの続いた連休が明けました。お休みの間も、お水をあげて雑草を摘んで……。
スイカのつるはこんなに伸びてきました!もう畑の囲いには収まり切りません。
そして発見!小さなまあるい実が見つけられますか?可愛らしいスイカの赤ちゃんです。
畑の奥の、オクラには花がついていました。もう一本の方には、ミニオクラがなっています。
バジルも艶やかな葉が美味しそう……。
青じそは、雨と虫にやられてしまいました。無農薬で育てているからこその、自然の厳しさですね。
これからは暑さと台風の猛威が待っています。頑張れ野菜たち!
8月2日
1センチメールほどの大きさだったスイカが、直径3センチメートルくらいに育っていました!!
大事に育てるため、スイカの下に木くずを置き、直接地面に触れないようにしてあげます。
もう一つ、見つけました。小さいけれど、ちゃんとスイカの縞模様があるのですね。
スイカは、真ん中の苗に2個、一番奥の苗に1個、合計3個なっていました。
大きく育ってほしいですね!
8月6日
今日は、先に残念なお知らせです。
先日見つけた3個のスイカのうち、2個はしなびてしまいました……。
ほかの実に栄養が届くよう、2個のスイカは切り取りました。残りの1個は、直径6センチメートルくらい育ちました!
切り取ったスイカはキエーロに戻すことにしました 縞模様がよりはっきりしてスイカらしい姿に
バジルは背丈40センチメートルほどに育ちました モロヘイヤも背丈20センチメートルほどに育ちました
そして嬉しいお知らせは、オクラの収穫です!2本の苗に、それぞれオクラが成長していました!
天気予報では、週末に台風がきそうだという事でしたので、少し小ぶりなオクラも一緒に2本収穫しました!
キエーロの土で育てた野菜の、初めての収穫。感慨深いです……。
こちらは、職員が週末に自宅で調理していただきたいと思います。
畑の様子も、だいぶ変わっていました。全体的に青々としてきていますし、スイカの苗の成長が目覚ましいですね!
【7月13日の畑の様子】
【8月6日の畑の様子】
今度はバジルを収穫したいです♪これからの収穫に向けて、畑のお手入れを頑張りたいと思います。
収穫したオクラを食べる!
さっそく収穫したオクラを塩で磨いて下処理し、茹でてみました。
鮮やかな緑色で美味しそう……!シンプルに、鰹節とお醤油でいただきます。
お味の方は……大きいほうのオクラは皮が固く、口の中に繊維が残ってしまい食べられませんでしたが、小さいオクラの方はやわらかく、おいしかったです!大事に見守ってきた野菜を食べるというのはとても感慨深いですが、野菜をおいしく作るというのは、難しいのですね。おいしい野菜を育てて、私たちの食卓に届けてくれる農家の皆さんに、改めて感謝です。
8月19日
お盆の間は、真夏とは思えないくらいに雨が続き、空気も少しひんやりしていましたね。野菜たちの様子はどうなっているかというと、畑はこんなに青々としていました。その中で、またスイカが大きくなり始めているのを見つけました!
真ん中の苗に1つ発見! 一番手前の苗にも発見!
一番奥の苗のスイカは大きさに変化なし……
オクラもまた大きくなっていました 淡い黄色の花がとても綺麗です
そして、いよいよバジルを収穫です!!近くにいるだけでバジルの良い香り……
ハサミを入れると、その香りはますます広がります。食べるのが楽しみです♪
収穫したバジルを食べる!
バジル料理で思いついたのが、カプレーゼとマルゲリータ!
緑色がとっても鮮やかで、食卓が華やかになりました。柔らかくて、とってもおいしい!
甘いトマトと、さっぱりスッキリしたバジルの相性が抜群でした。
ピザは、スーパーなどで売っているトースターで焼くだけのもの。
これだけでもおいしく食べていましたが、バジルを散らすだけで見た目もおしゃれな上に、味も本格的に!
今までバジルを散らして食べていなかったことが悔やまれるほど……。
これからもまだまだ収穫できそうなので、次はどう料理するか楽しみです♪
8月23日
週末明けの月曜日。野菜たちの様子はどうなっているかな~と畑を覗いてみると……なんと、スイカが2つも黒く傷んでしまっていました。
一番長く見守っていたスイカが…… こちらも、期待していたのに……
残念でしたが、傷んでしまったスイカはキエーロに戻すことにしました。
割ってみると、小さいほうのスイカはまた瓜のように白くて種も小さかったのですが、長く見守っていたほうのスイカは実が赤く、種も黒くなっています!
もしかしたら、直径6センチほどの大きさで中身は成熟していたため、熟しすぎて傷んでしまったのかもしれません。
1つだけ残ったスイカです。大きくなってほしいですね。
気を取り直し、モロヘイヤが収穫の時期を迎えたので、大きくなった先の方を摘みとりました。
バジルも、また脇芽が伸びてきているので、風通しを良くするため収穫します。
収穫したモロヘイヤを食べる!
モロヘイヤ料理を作ってみました。モロヘイヤは少量だったので、もやしと一緒にさっと湯がいてゆずポン酢で。
柔らかく、モロヘイヤ特有の粘り気もあって、美味しかったです。
葉物野菜は育てやすいですし、収穫を長く楽しめるから嬉しいですね。
8月30日
スイカのつるはどんどんと伸びており、手前にも、奥にも長く広がっています。けれど、スイカの実の方は、相変わらずのサイズのまま……。もうこれ以上は大きくならないかもしれない、また置いておき過ぎて傷んでしまうかもしれない。そうなってしまう前に、収穫しよう!!という事で、ついにスイカを収穫することにしました。
ハサミを入れて、収穫!!
大きさは、高さ8センチ、横幅6センチでした
カットしてみると、わぁ!赤い!!小さくてもちゃんとスイカの色をしています!!
職員4人で食べてみることにしました。香りは……スイカの香りがします!味は……優しいスイカの味がしました!
種はまだ白く、もしかしたらもう少しだけ畑で熟させたほうが良かったのかもしれませんが、翌日以降のお天気は雨……。ダメになってしまう前に、見守ってきたスイカを味わうことができて嬉しかったです。
キエーロの土で野菜を作ってみた結果
野菜ごとに、結果を表にまとめてみました。
スイカ | 雌花はいくつも咲いて実がついたが、大きくなる前に朽ちてしまった。 収穫したものを切ってみると中が赤くなっていたことから実は熟したが、大きく育てることはできなかった。 |
バジル | ゆっくりのペースで育ったが、葉は柔らかく香りもよいものを長い期間収穫できた。 |
モロヘイヤ | 収穫まで一番時間がかかったが、葉は柔らかく、モロヘイヤ特有の粘り気もあるものを長い期間収穫できた。 |
オクラ | 後半の成長が著しく、花がいくつも咲き実が育った。しかし、10センチメートル以上のサイズになると筋張って固くなり食感が悪い。小さめのサイズで収穫する必要があった。 |
ミニトマト | 背丈は伸び、花は咲いたが実がつかず。 |
「キエーロの栄養満点の土で野菜を作る」という企画は、メインのスイカの栽培は成功とはいえない結果となりました。スイカは土壌をあまり選ばないそうですが、施肥では元肥のチッ素が多いとつるができすぎて着果が悪くなるそうです。確かに、つるは長いもので5メートル以上もよく伸び、受粉が成功した実も大きくなる前に朽ちてしまうものがほとんどでした。小さくとも実は熟すのですが、大きく育てることはできませんでした。オクラについても、市場で売られているサイズとほぼ変わらない大きさに育てると筋張って美味しくなくなっていまい、難しいなと感じました。実のなる野菜を美味しく大きく育てるには、その野菜に必要なバランスの良い堆肥が入った土が必要なのだという事がよくわかりました。
また、日照時間に問題もありました。実は、畑を作っていた場所は建物と建物の間にあり、午前中と夕方は日が当たるのですが、お昼には日が当たっていませんでした。近年は日中の暑さがとても厳しいので、モロヘイヤやバジルなどの葉物野菜にとっては、日が当たりすぎずちょうどよい環境だったようですが、実をつけるスイカやミニトマトにとっては日照時間が足りなかったようです。
一口に野菜を育てるといっても、野菜の種類や品種によって肥料の配合や必要日照条件などは変わってきます。今回の試みでは、それがよくわかりました。キエーロの土で野菜を作る場合は、葉物野菜がおススメのようです。野菜を見栄えよく、美味しく作ることができるのは、農家さんの研究と努力の賜物ですね。日頃扱う野菜への想いも変わってきます。できるだけ捨てる部分を少なくし、皮やヘタの部分も美味しく調理する工夫が大切ですね。これは食品ロスにもつながります。
キエーロを使うことで、直接的な生ごみの排出量を減らそう、そもそもまだ食べられるものを捨てない・大事に食べるという食品ロスを減らすという意識と持つようになったりと、環境への意識が変わるきっかけになりそうです。「自分たちが今からできることを、できるところから少しずつ……」そういう思いが集まって、取組が積み重なって、大きな成果につながるのではないでしょうか。これからも、キエーロを使っていく中で、皆さんに発信を続けていきたいと思います。
【募集】キエーロを使っている皆さんの情報を募集します!
キエーロを実際に使っている皆様からの情報を募集します!キエーロをより楽しく、効果的に使えるように、情報共有をしませんか?我が家では、こんな風に土を使っています、キエーロの土でお花を育てています、野菜を育てました、などなど皆さんの成功体験や、本当はこうなる予定だったのに~、キエーロでこんな失敗!!など失敗談なども教えてください。ホームページで紹介させていただきます。まずは、生活環境課環境推進担当までご連絡ください。皆さんからの沢山の情報をお待ちしています!
キエーロでできた土を使った感想
昨年購入いただいた市民の方から、キエーロの土を使ってお花を育てた感想をいただきました!
キエーロの土と市販の土を使い、どちらの土の方が発芽率・成長率が良いか、種から育てる実験をしてみてくださったそうです。
結果は……
キエーロの土を使ったポットで育てた方が、発芽率・成長率もよかったそうです!!
キエーロの土を入れたポットの方が沢山発芽し、その後も早く成長したとのことでした。
キエーロの土で種から育てたお花、咲いた時の感動はひとしおでしょうね。
機会がありましたら、育てたお花の様子を見せてほしいです。
キエーロの冬場の活用や、野菜の芯などの分解には課題があるようですが、夏場は順調にキエーロによる生ごみ分解が進んでいるそうです。
「キエーロの中に生ごみを入れると、それが本当に数日で消えてしまう」と笑顔でお話してくださいました。
これからも、たくさん活用していただけると嬉しいです!
生活環境課では、冬場のキエーロをもっと活用出来るようにするための方法を模索し、実験を行っています。
実験の様子はこちら👇のページで紹介していますので、ご覧ください。