プラスチックごみによる問題とは
◇海洋汚染の問題
不要になったプラスチック製品がポイ捨てなどにより、川から海に流れることで、海岸の景観を損なうだけでなく、海の生き物に絡みついたり、誤って食べて死んでしまったり、海の環境や生態系に影響を与えることが懸念されています。
◇地球温暖化の問題
プラスチックは燃やすと地球温暖化の原因となる二酸化炭素を多く発生します。地球温暖化は、猛暑や記録的な豪雨など、私たちの身近な生活にも大きな影響があります。
◇資源枯渇の問題
プラスチックの原料である石油は有限であるため、不要なプラスチックの使用は資源の枯渇につながります。
プラスチック資源循環促進法の概要
令和4年4月1日に「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。この法律は、プラスチック製品の設計から最終処理まで、ライフサイクルにおける3R+Renewable(再生可能)を促進しようという法律です。消費者は、プラスチックごみの排出を抑えること、適正に分別して出すことなどが求められます。
◇製造段階~プラ製品の設計を環境配慮型に転換~
プラスチックの使用量を減らす、解体が容易でリサイクルしやすいものにする、代替製品に切り替える、簡易包装にするなどを推進しています。
◇販売・提供段階~使い捨てプラスチックをリデュース~
スプーンやフォークなどの消費者に無償で提供される製品を削減するため、提供業者に対し、有料化やポイントの還元、代替素材への転換などを求めています。
提供業者 | 対象品目(12品目) |
---|---|
百貨店、スーパー、コンビニ、飲食店等 | フォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー |
ホテル、旅館等 | ヘアブラシ、クシ、カミソリ、歯ブラシ、シャワーキャップ |
クリーニング店等 | プラスチックハンガー、衣類カバー |
◇排出・回収・リサイクルの段階~廃プラスチックを回収・リサイクル~
市町村が行うプラスチック資源の分別収集・リサイクルは、容器包装プラスチックリサイクルの仕組みを活用し、効率化する。
正しく分別できていますか?
プラスチックごみは、以下の3種類に分別できます。
◇その他容器包装プラスチック(通称:他プラ)
「容器」とは商品を入れるもの(袋を含む)、「包装」とは商品を包むもので、容器包装プラスチックとは、その中身を出したり、使ったりした後、不要になるプラスチック製の容器や包装のことをいいます。
◇ペットボトル
ペットボトルのラベルとキャップは取り外し、他プラの日にごみ集積所に出してください。きれいなペットボトルでないとリサイクルできません。必ず、水ですすいで、ごみ集積所に出してください。
◇プラスチック製品
タッパーやおもちゃ、PPバンドなど、商品として購入したもの、汚れや臭いが落ちないものが該当します。燃やせるごみの日にごみ集積所に出してください。
他プラの処理工程
私たちが、ごみ集積所に出した後、どう処理されているか知っていますか?
今回は、川角リサイクルプラザ(通称:リプラ)にお邪魔して、どのような工程で処理が行われているのか、調べてきました!
他プラが収集されて、リプラに運ばれてきました。パッカー車から出てくる出てくる!
作業員の方が、手作業で袋を破砕し、中身に異物が混入していないか確認をします。
あれれ?他プラなのに、燃やせるごみが紛れ込んでいます!他にも、洗われていないコンビニ弁当の容器など、違反ごみがいたるところに!異物で一番多いのは、燃やせるごみだそうです。また、汚れているものが含まれていると、袋の中全体が汚れてリサイクルできないものになってしまうとのことなので、分別に気を付けましょう!
フォークリフトで、奥に積み…
ベルトコンベアに送られます。
ベルトコンベアで流れてきたものを異物の混入がないか手で選別して取り除きます。
紙やアルミ鍋などの混入がありました。ベルトコンベアの早い流れの中、異物を見つけるのは、まさに職人技!
2回の手選別で、異物を取り除き…
圧縮して、「ベール」にします。1個の重さは約40キロにもなるそうです。
フォークリフトで運びだします。
保管して、容器包装リサイクル協会に回収され、再生プラスチックになります。
引渡したベール品の中に異物がどれだけ混入しているか、容器包装リサイクル協会では、年1回検査が実施されています。埼玉西部環境保全組合はこの検査で、最高ランクのA判定を得ています(令和2年)。異物が少なく、品質が良いという証です。
これは、市民の捨て方が良いのか、施設で異物を取り除く作業を良くやっているのかどちらなのかと聞くと、「施設での作業の成果だと思います」と言われてしまいました。シクシク…。私たちのごみの捨て方も、もう一度よく確認してみましょう!
ペットボトルの処理工程
搬入されたペットボトルの袋を破砕し、他プラ同様、中身に異物が混入していないか確認をします。
フォークリフトで奥のベルトコンベアへ送ります。
ペットボトル圧縮梱包機でベールにします。1つ15キロくらいだそうです。
なぜペットボトルは潰さずに捨てるのか、理由を聞いたところ、既にペットボトルが潰れていると、圧縮するときに機械でエラーが出てしまい、止まってしまうから、とのことでした。ペットボトルは、潰さずに捨てましょう!
こちらも、容器包装リサイクル協会に回収され、卵パックや洋服などにリサイクルされます。
運ばれてきたものを見ると、一見綺麗そうに見えますが、中を見ると、汚れていたり、異物が入っていたり…リサイクルに向かないものも含まれていました。リプラで、しっかり異物等を取り除き、リサイクルできるものにしている様子を見て、まだまだ排出する側でできることがあるのではないかと感じました。
ライフスタイルを見直そう
レジ袋や、簡単に使い捨てできるプラスチックのスプーンやフォーク、食品包装のプラスチックなどは、私たちの暮らしを便利にしています。しかし、ほとんどがごみとして捨てられているのが現状です。プラスチック製品を「ごみとして大量消費する暮らし」から、「お気に入りの製品を繰り返し修理しながら大切に使う暮らし」に変えることで、『ゼロカーボン』へとつながります。
限りある資源を有効に活用し、ごみそのものを減らす環境に優しいライフスタイルに変えるため、今日から、今から、私たち一人ひとりにできることを始めてみましょう。
- カバンの中に小さくたたんだエコバッグを入れてみましょう!気に入った柄のエコバッグなら、使うたびに気持ちも上がります!
- マイ箸、マイボトルなどを使ってみませんか?お気に入りの製品を繰り返し使うことで、ごみとなるプラスチック製品の使用を控えることができます!
Reduce(リデュース):ごみを出さない
簡易包装、詰め替えができる商品を選ぶ。食品の保存はラップではなく、フタ付き容器を活用する。
Reuse(リユース):繰り返し使う
マイボトル、マイバッグを活用する。リサイクルショップやフリマアプリを活用する。
Recycle(リサイクル):再生して利用する
再生プラスチック製品を選んで買う。資源ごみは、きちんと分別して「資源」として出す。
Refuse(リフューズ):ごみとなるものを断る
テイクアウト商品購入時に、スプーンやフォークを断る。レジ袋はもらわない。
Repair(リペアー):修理して使う
壊れたものはすぐ捨てずに、修理して長く使う。