平成23年度予算編成方針

来年度の予算は、この方針に従って編成します。厳しい財政状況の中で時代の変化に即した行財政改革を断行しつつ、市民協働のまちづくりに取り組んでいきます。

平成23年度予算の編成について

 我が国の経済は、世界同時不況の影響を受けて戦後最悪とも言える経済危機に直面しており、企業収益・雇用情勢の悪化は極めて深刻な状態である。
市財政においても、景気の悪化による個人所得の減少などにより、法人市民税だけでなく個人市民税についても大幅な減収が予測される。また、国の税制改正や地方交付税、補助事業等の動向は現時点において不透明であるため、歳入見通しは厳しい状況を想定せざるをえない。
 このような状況のもと、平成23年度予算の編成にあたっては、改めてすべての事務事業を見直すとともに、優先順位づけによる厳しい選択を行い、限りある予算を「選択と集中」により真に必要な事業に重点化するため、下記事項に十分留意のうえ予算編成を行うものとする。
 なお、例年、実施計画に基づく事業採択を経たうえで、予算編成作業に着手してきたところであるが、平成23年度は「第5次鶴ヶ島市総合計画」の初年度に当たり、現在、市民、市議会、各種団体等の協力を得ながら、基本構想並びに前期基本計画の策定を進めているところである。そのため、平成23年度においては、「第5次鶴ヶ島市総合計画」に基づく実施計画としての位置付けにはなっていないが、先に実施した全事業調査に基づき、「平成22年度実施計画に準じる主要事業」(PDF形式・166KB)として位置付けた各事業を実施することとする。

【予算編成の基本方針】

1 基本的事項

(1)予算編成にあたっては、歳入・歳出のすべてを再検証し、財源不足の解消に努めるものとする。歳出においては、全ての事業にわたり、事業の適否はもちろんのこと、事業内容や予算額の適正化等について見直しを行うこと。歳入においては、市税収入をはじめとする自主財源の確保に向けた見直しを図るとともに、見込み得るすべての財源を計上すること。
(2)各部の要求総額については、枠配分額の範囲内での要求となるよう、部内調整の徹底によりこれを厳守すること。
(3)予算の削減を理由に安易な事業の廃止を行わず、「予算ゼロ事業」の推進など、柔軟な発想による事業手法の導入や、現行の組織体制にこだわらない能率的な事業展開を図ること。

2 重点事業の実施

かつては歳入の自然増を待つことで、何年か後には事業を実施することが出来た時代もあったが、現状では逆に将来の歳入減が見込まれるところであり、今必要な財源の確保すらままならない状況になっている。
歳入歳出の乖離に対応する財源については、多額の特定目的基金を取り崩しており、重点事業の実施には新たな視点と発想の転換が必要である。
(1)新規の重点事業については、過去の施設整備への過剰な投資による財政圧迫を教訓とし、後年度への財政負担を考慮して、スタート時点におけるグレード設定を「財源の許す適正な範囲に・可能な限り低く」見込むこととし、真にやむを得ず実施しなければならない事業のみを要求すること。
(2)継続事業については、費用対効果を十分検討のうえ、民間委託、市民協働等による事業実施手法を有機的に組み合わせることで事業の統合や再編に積極的に取り組むこと。
(3)事業効果の薄れたものについては、積極的に廃止を検討すること。

3 人件費の抑制

年々増加する経常的経費の抑制を図るため、より効率的な事務事業の執行と適切な人事配置により、義務的経費の大半を占める人件費の削減に努めること。

4 福祉施策に対する予算措置の再構築

多様化する行政需要による福祉事業費の爆発的な伸びは、その他の事業との間に不均衡を生じ、財政硬直化の大きな要因となっている。
(1)国民健康保険・介護保険特別会計に計上を予定する事業も含めた福祉サービス全体のバランスを勘案した上で、従来の取り組み方法の総見直しを行うこと。
(2)市民生活の中で「いかに実質的な助け合いの体制を築くか」に重点をおき、細心の注意を払って要求を行うこと。
(3)安易な自己負担額の軽減措置などにより、過度の財政負担を招くことがないよう、常に受益者負担適正化の視点に立ち、適正水準の検討を行うこと。

5 補助金及び交付金

(1)全ての補助金等について見直しを行うこと。
(2) 団体等の運営費、奨励的な補助金及び交付金については、廃止を含め、抜本的な見直しを行うこと。
(3)その他の補助金については、補助対象事業の内容、補助率、実績、効果等を十分に検討し、所期の目的を達成したもの、補助効果の薄いもの等については、積極的に廃止するか事業の終期を設定すること。

6 市民協働のまちづくり

事務事業の見直しにあたっては、市民が自ら取り組むまちづくりの視点で、地域住民やNPO法人など市民が主体であることを意識した事業を展開すること。

7 イベントの見直し

イベント事業については、職員の関わり方などが大きいものなど、現在の運営形態が今後も継続できない事が想定される。
将来を見据えて、統合・廃止に積極的に取り組む事はもとより、地域参加、企業参加などによる新たな開催方法の導入、経費負担について参加者負担等も取り入れるなど、行政主体から市民主体へと運営方法の転換を図ること。

8 特別会計の自立性・健全性の確保

国民健康保険特別会計をはじめとする特別会計については、一般会計との負担区分を明確にし、安易に一般会計からの繰出金に頼ることなく、特別会計設置の本来の趣旨に則り、事業の一層の効率化及び健全経営の確保に努め、一般会計からの繰出金を最小限にとどめること。

9 一部事務組合負担金

一部事務組合の事業運営については、構成団体として事業の目的や必要性、民間企業委託とのコスト比較及び他の団体との比較検証を行い、安易な組合債の発行や構成市町への負担金に依存することのないよう、他の構成団体と連携して組合財政の健全性の確保に努めること。

10 超高齢化の進展を踏まえて

より一層の高齢者の就業及び社会参加の促進を図るため、シルバー人材センターの活用についても検討すること。

【むすび】

平成23年度は、地区計画住環境整備事業や一本松地区整備事業等をはじめとする諸課題への対応が本格化し、多くの財源を要することが見込まれる。これらを前提とした上で、行政の継続性を確保できるよう、発想の転換による創意・工夫を活かして時代の変化に即した行財政改革を断行し、生活重視のまちづくりを市民・企業・行政の協働と連携の中で推進するものとする。

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