百日咳の報告件数
埼玉県が公表した「感染症発生動向調査2025年」によると、百日咳の報告件数が急増しています。
- 2025年第16週(4月14日~4月20日)には、報告数が前週の28件から73件へと大幅に増加し、2018年に百日咳が全数把握対象疾患となって以降、1週間あたりの報告数としては最多となりました。
- 最新の第30週(7月21日~7月27日)では、さらに増加し、257件(第29週以前に診断された患者を含む)が報告されています。
また、年齢別の患者数では以下の傾向が見られます。
第30週に診断された241人のうち、
- 10~14歳が111人(約46%)と最も多く、
- 次いで5~9歳が62人(約26%)、
- 15~19歳が23人(約10%)となっています。
全国的にも百日咳の流行は深刻で、今年の累計患者数は5万人を超えており、例年を大きく上回る状況です
百日咳とは
百日咳とは、百日咳菌の感染によって特有のけいれん性の激しい咳発作を特徴とする急性の気道感染症です。世界的に見られる疾患で、いずれの年齢でもかかりますが、小児が中心となっています。母親からの免疫が十分でなく、乳児期早期から罹患する可能性があり、乳児(特に新生児や乳児期早期)では重症化しやすく、肺炎や脳症を合併すると、まれに死に至ることもあります。
主な感染経路は、咳やくしゃみによる「飛沫感染」と、患者の鼻咽頭・気道からの分泌物に触れた手指や器具などを介する「接触感染」とされています。
予防・対策
感染予防
基本的な感染対策が有効です。
手洗いや手指衛生といった基本的な対策の徹底、鼻汁・咳などの呼吸器症状がある場合は「咳エチケット」を行い、マスクが着用できる年齢の子どもや大人はマスクを使用することが重要です。
予防接種
5種混合ワクチン等の接種が有効とされています。
詳しい情報、最新の流行状況については、埼玉県ホームページをご確認ください。