概要
この条例は、市の自然環境や生活環境の保全に必要な事項を定めています。
公害の防止(大気、水質の保全など)や環境の美化(不法投棄の防止、自動車の放置の防止、空き地管理など)を進めることにより、市の環境を保全することを目的とするものです。
体系
総則
自然環境の保全
- 大気の保全
ダイオキシンなどの有害大気汚染物質の排出を抑制していくことを目的としています。 - 水質の保全
公共用水域の良好な水質の保全を図るため、施策の推進や排水の浄化について定めています。 - 緑の保全及び緑化の推進
緑の保全と緑化の推進について市、市民、事業者のそれぞれの基本的役割を定めています。
生活環境の保全
- 不法投棄の防止及び清潔の保持
不法投棄や空き缶などのポイ捨て禁止や不法投棄された場合の調査、原状回復命令などの措置を定めています。 - 自動車の放置の防止
自動車の放置を禁止し、放置自動車に対する調査、処分などの手続きを定めています。 - 空き地等の管理
空き地等を適正に管理していただくため所有者等の義務を定めています。 - 動物の管理
ペット動物の管理に関し、適正なしつけなどを行うことを定めるとともに、特に犬についてはふん害防止のための飼い主の義務を定めるものです。 - 生活環境を阻害するその他の行為の防止
市民の生活環境を阻害する行為の防止を定めています。
環境美化の促進
- 環境の美化又は景観の保全を図る必要のある区域について、環境美化重点地区として指定できる旨規定するものです。
雑則
- 関係機関の協力要請、違反事実の公表などを定めるものです。
罰則
- 条例に違反した者に対して課せられる刑罰を定めています。
主な内容
身近な環境を保全していくため、皆さんのご協力をお願いします。
環境保全条例の内容には市民の皆さんの日常生活に関わる部分も多くありますので 、この条例の趣旨をご理解いただき、条例の円滑な運用のためにご協力をお願いします。
自然環境の保全
大気の保全
- 市は、ダイオキシン類その他の有害大気汚染物質等の排出抑制のため、国や県と連携して施策を行うとともに、市民、事業者に対し、必要な啓発、指導を行います。
- 市民、事業者の皆さんには、日ごろから焼却により処理する廃棄物の減量のご協力をお願いします。
水質の保全
- 市は、公共用水域の水質保全について、必要な施策を推進し、市民、事業者に対し、必要な啓発、指導を行います。
- 公共用水域の水質汚濁の防止には公共下水道の整備がもっとも有効ですが、下水道が未整備の地区で排水を放出する場合は、市民、事業者の皆さんは合併処理浄化槽の設置等の必要な措置を講じるよう努めてください。
- また、市民の皆さんには、調理くず、廃食用油などの処理、洗剤の適正使用などにより、汚れた水を流さないような工夫をお願いします。
緑の保全
- 緑の保全は、市として自然環境保全の立場から重要な施策であることから、緑の保全と緑化の推進について、市、市民、事業者それぞれの基本的役割を定めていくものです。
- 市は、都市緑地法に基づく「緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画(都市計画マスタープラン)」に基づく緑の施策を推進します。
- 市民の皆さんは、生け垣等の家庭の緑の保全、緑化の推進に努めるとともに、市が実施する施策へのご協力をお願いします。また、事業者は、事業用地の緑の保全、緑化の推進に努めるとともに、市が実施する施策へのご協力をお願いします。
生活環境の保全
不法投棄の防止等
- 公共の場所及び他人が所有・管理する場所にごみ等を捨ててはいけません。また、自宅以外で発生させた空き缶、吸い殻などのごみは、自己の責任において持ち帰るなど、適正に処分しなければなりません。
- 市は、不法投棄されたごみの調査を行うことができます(調査結果を所轄の警察署長に通報します)。調査の結果、不法投棄者を確認したときは、原状回復を命令します。不法投棄者が判明しないときは、不法投棄された土地所有者又は管理者へ、ごみの撤去要請を行うことができます。
- 不法投棄原状回復命令に違反した不法投棄者については、罰則(6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)の対象になります。
自動販売機の所有者等は、回収容器を設置しなければなりません。設置した回収容器は、適正に管理するよう努めなければなりません。
自動車の放置の防止
- 自動車を放置し、またはさせてはいけません。
- 市は、7日以上放置されている自動車(放置自動車)があることを確認したときは、所轄の警察署長及び道路管理者の協力を得ながら調査を開始するとともに、自動車を本来の保管場所に移動するよう警告することができます。
- 調査の結果、所有者が判明したときは、期限を定めて撤去を命じます。所有者が判明しないときは、自動車に、撤去の期限、撤去期限経過後は処分する旨を記載した通告書を張り付け、告知することができます。
- 市は、必要と認めるときは、放置自動車を別の場所に移動させ、一時保管を行うことができます。
- 市は、期限経過後も撤去されない自動車は、あらかじめ告示のうえ、処分できます。また、自動車の保管、移動、処分に要した費用は、所有者等から徴収することができます。
- なお、撤去命令、引取命令(一時保管を行っているときに所有者が判明した場合に引き取るよう命じること)に違反した者については、罰則(10万円以下の罰金)の対象となります。
空き地等の管理
- 空き地等について、土地所有者又は管理者は、雑草繁茂などにより、害虫、火災、隣接道路の通行に支障のある状態(管理不良状態)になることのないよう、適正な管理を行わなければなりません。
- 市は、管理不良状態の空き地の所有者等には助言、指導を行い、所有者等がこれらに従わないときは、さらに必要な措置を勧告することができます。
動物の管理
- ペットの飼い主は、しつけを適正に行うとともに、公共の場所や他人の財産に損害を与えないようにしなければなりません。
- 犬の飼い主は、犬を運動させる場合には、綱、鎖などによりいつでも静止できる状態にしておくとともに、ふん尿を適正に処理するための用具(袋、スコップなど)を携行し、もし公共の場所や他人の場所などを汚したときは、他人に迷惑を及ぼさないよう直ちに処理しなければなりません。市は、犬の飼い主がこれらを順守していないときは、必要な指導を行うことができます。
生活環境を阻害するその他の行為の防止
- 騒音や悪臭などの迷惑防止について、法律、埼玉県条例が適用されない部分について、それらを補完し、指導することができるとするものです。内容としては、騒音、振動、悪臭、地盤沈下、粉じん飛散、公共の場所の清潔保持の阻害などを対象としていくものです。
環境美化の促進
- 市は、特に環境美化の促進及び良好な景観の保護を図る必要がある区域(一定の地理的な範囲)について、環境美化重点地区として指定することができます。指定に際しては、あらかじめ当該区域内の住民の意見を聞くとともに、指定をしたときは速やかに告示するものとします。
- 環境美化重点地区における環境美化の促進及び良好な景観の保護を図るため、市はその旨の掲示などの必要な措置を行います。市民、事業者は、環境美化重点地区の趣旨を尊重し、環境美化の促進及び良好な景観の保護へのご協力をお願いします。
雑則
- 市は、この条例の施行に際し、必要があると認めるときは、関係機関に必要な協力を要請することができます。
- 市は、不法投棄の原状回復命令に従わない者について、その事実を公表することができます。