1 償却資産とは
会社や個人で工場や商店などを経営している人が、その事業のために用いることができる土地及び家屋以外の事業資産で、税務会計上減価償却できる機械・器具・備品等をいいます。(以下にその内容を例示します)
種類 | 内容 |
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1.構築物 | 土地に定着して設備された建物以外の建造物。駐車場や駐輪場、フェンス、塀、門、看板、舗装、植栽、外構など。 |
2.機械及び装置 | 旋盤その他の工作機械や化学装置、動力配線設備、コンベアー、ブルドーザーなど。 |
3.船舶 | 海上及び水上運搬具。 |
4.航空機 | 人又は物を搭載して航空の用に供するもの。 |
5.車両及び運搬具 | 特殊自動車、自転車、手押し車等。 |
6.工具器具及び備品 | 作業工具や測定器具、計算機、パソコン、コピー機、ロッカー、陳列ケース、机、椅子など。 |
したがって、たとえばミシンを家庭用として使用している場合には、課税の対象になりませんが、縫製工場等で事業用として使用している場合は、償却資産として課税の対象となります。なお、以下のものは課税の対象となりません。
- 使用可能期間が1年未満のもの
- 取得価格が10万円未満の資産で、法人税法等の規定により一時に損金算入されたもの(いわゆる少額償却資産)
- 取得価格が20万円未満の資産で法人税法等の規定により3年間で一括して均等償却するもの(いわゆる一括償却資産)
- 自動車税及び軽自動車税の対象となるもの
※2,3の場合であっても、個別の資産ごとの耐用年数により通常の減価償却を行っているものは課税の対象となります。
2 償却資産の申告について
(1)申告の義務
償却資産は、地方税法に基づき申告義務が課せられています。
地方税法第383条の規定により、毎年賦課期日(1月1日)現在に所有する償却資産について、その所在・種類・数量・取得時期・取得価額・耐用年数・見積価額その他当該償却資産課税台帳の登録及び価格の決定に必要な事項を、その年の1月31日までに、償却資産の所在する市町村長に申告しなければならないとされています。
申告が必要な方は、1月31日までに、鶴ヶ島市役所税務課へ償却資産申告書(固定資産関係書類ダウンロードのページ)の提出をお願いします。
(2)市町村長の調査義務等
市町村長には、固定資産の状況を把握するため年1回以上の実地調査が義務付けられています。(地方税法第408条)
また、市町村長は固定資産税の対象となる減価償却資産の有無を確認するため、法人税又は所得税に関する国税関係の書類を閲覧又は記録することができます。(地方税法第354条の2)
(3)不申告等
地方税法では、償却資産に対する不申告者や虚偽の申告者に対する措置が定められています。
3 評価のしくみ
固定資産評価基準によって、取得価額を基礎に取得後の経過年数に応ずる価格の減少(減価)を考慮して評価します。
(1)償却資産の評価
前年中に取得された償却資産にあってはその取得価額を、前年前に取得された償却資産にあってはその前年度の評価額を基準とし、当該償却資産の耐用年数に応ずる減価を考慮しその価額を求めます。
- 「前年中に取得された償却資産」とは、その年度の初日の属する年の前年中に取得された償却資産。「前年中」とは、前年度に係る賦課期日の翌日(1月2日)からその年度に係る賦課期日(1月1日)までの期間とされています。
(2)一般の償却資産の評価額の算定
- 償却方法は、取替法、生産高比例法を除き、すべて一律に定率法です。
- 耐用年数は、原則として「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表第1(PDF形式657KB)、別表第2(PDF形式237KB)、別表第5及び別表第6(PDF形式86KB)までに掲げる法定耐用年数を使用します。
- 評価額の最低限度は、取得価額の100分の5に相当する額です。
- 前年中に取得された償却資産の評価は、取得月のいかんにかかわらず一律に半年償却となっています。
(3)取得価額の算定
取得価額とは、償却資産を取得するためにその取得時において、通常支出すべき金額(引取運賃、荷役費、購入手数料、関税、据付費その他当該償却資産を事業の用に供するために直接要した費用(付帯費の額)を含む)をいい、基本的には法人税又は所得税における取扱と同じです。
4 償却資産の課税標準
上記3によって算出した評価額に対して、課税標準の特例が適用となる場合は、その特例率をかけて課税標準額を求めます。
課税標準の特例が適用とならない償却資産は、その年の評価額がそのまま課税標準額となります。