日時
令和6年6月12日 水曜日 10時00分~11時50分
場所
市役所 1階 101会議室
出席委員
石井委員、金泉委員、池野委員、今井委員、内野委員、北岡委員、中村委員、三浦委員
欠席委員
加藤委員
事務局
総合政策部長、総合政策部企画調整幹
政策推進課長、政策推進課主幹、政策推進課主査
議題
「総合戦略(重点戦略)」の取組について
配付資料
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第6次鶴ヶ島市総合計画後期基本計画の策定に向けて~「総合戦略(重点戦略)」の取組について~
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参考資料
・補足資料(外国籍住民の状況)
・令和5年度鶴ヶ島市基礎調査報告書
公開・非公開
公開
傍聴人数
1人
会議内容
会議要旨
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外国籍住民の状況
居住年数が短い若年層が多いことなどを確認した。 -
鶴ヶ島市の総合戦略
国のデジタル田園都市国家構想や鶴ヶ島市の総合戦略の考え方について確認した。 -
地方創生に向けたまちづくりの視点
官学民など多様な主体との連携、人と人とのつながりや関わり、新たな魅力の創出や地域資源の活用などについて、意見交換を行った。
議題 「総合戦略(重点戦略)」の取組について
(「外国籍住民の状況」について事務局より報告)
会長
比較的若い方や居住年数が短い方が多い。留学生と思われる。
委員
居住年数が6年以上の方は400人以上いるようだが、特に居住年数が11年を超えている方は50代以上の方が多いという認識でよいか。
事務局
データからは、居住年数が長い外国籍の方は、比較的、高齢であることがうかがえる。
会長
留学生はどうしても短期間で転入・転出するため、若者だけでなく、地域に根付いて定住している方にも着目していくべきだと思う。特に地域になじんでもらうことが重要である。
(鶴ヶ島市の総合戦略について事務局より説明)
委員
国では基本目標を4つ掲げているが、鶴ヶ島市では重点戦略として3つにまとめている理由は。
会長
前期基本計画策定時のまちづくり審議会の中で、国の基本目標をそのまま真似るだけでは、本市として目指すべき方向性がばらばらになってしまい、相乗効果が生まれない懸念があった。そこで、市の魅力、定住、子育て、雇用などをまとめた方が良いという意見があり、このような形となった。
事務局
例えば、重点戦略2「いつまでも健康でいられるまちづくり」では、「多様な主体による健康づくりの推進」、「外出したくなる環境の整備」、「社会参加の促進」の大きな3つの取組を位置付けており、健康づくりに直結する取組だけでなく、その土台作りとなる取組も挙げている。さらに、ほかの重点戦略と重なる部分もあり、全体として3つの重点戦略を複合的かつ一体的に進めていくことを基本的な考え方としている。
委員
国の基本目標そのままではなく、市として、取組に膨らみを持たせ、発展性のある重点戦略を設定したという認識でよいか。
会長
その認識である。
事務局
補足になるが、本市のこどもに関する施策は、なるべくこども自身を中心に据えた内容となるように考えている。例えば、他の自治体では、単に給食費の無償化を行っているが、本市では、バランスの良い多彩な給食を提供することを意識した取組を進めており、このような視点で施策を考えている。
委員
デジタル田園都市国家構想総合戦略とは、デジタル技術の活用によって、具体的にどのような取組をイメージすればよいのか。
事務局
デジタル技術を活用することで、国が掲げる基本目標や市の重点戦略を推進していくイメージである。例えば、人口減少により、組織の人材が減少している中で、デジタル技術の活用により、業務を効率化することでサービス水準の維持・向上を図るなどが考えられる。また、市としては、マイナンバーカードによる手続きの簡易化や行政窓口の電子化なども当てはまると認識している。
委員
アイデアの出し方によって、様々な活用の仕方ができるという認識でよいか。
会長
本市に適したデジタルの活用をしていくといった認識で良いかと思う。確認だが、デジタル田園都市国家構想の考え方を、今回から本市の総合戦略にも反映させていくことでよいか。
事務局
その通りである。
委員
本市の特性を活かすとあるが、この特性とはどのようなものと認識しておけばよいのか。
事務局
総合計画17ページでは「多彩な人と団体に恵まれたまち」「身近な自然と調和した地の利があるまち」の2つを特性として挙げている。
会長
前期基本計画策定時の議論の中では多くの意見が出ていたが、「合併をしていない」という意見も挙げられていた。また、「高度経済成長期の人口増加により近年は急速に高齢化が進んでいる」といった、人口構成上の特性も挙げられていた。他にもこれまでの審議会でもあったが、「自然環境が良い」や「災害リスクが少ない」などの意見も挙げられており、様々な特性があってよいと思う。
補足となるが、事務局からもあったとおり、先日公表された国による地方創生の10年間の振り返りでは、「人口の奪い合い」について触れており、見かけだけの人口の獲得競争は意味がないという点については、既に本審議会でも触れていたと思う。当時からの考え方として、単に人口を増やすためのまちづくりではなく、緩やかに人口が減る中でどのように対応していくかを議論し、現行の計画に至っている。
(地方創生に向けたまちづくりの視点について事務局より説明)
委員
地域に巻き込むしかけの対象は近隣大学の学生だけではなく、高校生も加えたほうが良い。まちづくりを進めていく上で、幅広いアイデアや視点があって良い。
コロナ禍前に開催した「鶴フェス」をまた開催できないか。
事務局
「鶴フェス」については、今年の10月5日~6日で開催が決まっている。
委員
「鶴フェス」が開催できれば、全国から若い人が訪れるので、鶴ヶ島市をPRする良い機会になると思う。このような鶴ヶ島市出身の著名な方が、市内を盛り上げる機会が増えてほしいと思う。
会長
著名な方の力を借りることは、市外に鶴ヶ島市の魅力を広げるには大切である。その力を起爆剤にしつつ、さらに派生的な活動が広がることが理想である。
事務局
ガーデンパークのオープンイベントの際に「鶴」がライブを行い、その時に「鶴ヶ島はひとが魅力のまち」と言っていただき大変嬉しく思った。まずは、鶴ヶ島のことを市外の方にも知ってもらうことが重要と考えている。発信力のある著名な方の力を借りて、鶴ヶ島市の魅力を市外に伝えるのは良いアイデアである。
委員
イベントだけではなく、県内外の様々な企業の人材が集れるような場が鶴ヶ島市にあると良い。企業同士の交流が進み、例えば雑談などの中から新しいアイデアが創出されるイメージがある。鶴ヶ島市は、高速道路や鉄道が通っており、そういった場としての立地条件に適している。
会長
鶴ヶ島市外からも集まって交流できるような場所があったほうが良いという提案と捉えて良いか。
委員
その通りである。その上で、市外から来た人が鶴ヶ島市の魅力を外に伝えてほしいと考えている。
会長
流山市の物流拠点では建物の一階部分をカフェにしているが、地域の人が集まるようなコミュニティスペースの確保を企業の立地条件としていたようだ。このように、地域の人や企業の人が集まれるような交流の場所を確保していくことが大切かもしれない。
委員
西中学校の跡地等が交流場所として活用できるかもしれない。
委員
「外出したくなる環境の整備」に関してだが、市民の森が様々な理由で存続が危ぶまれていると聞いている。こういった場所を守ることも大事だと思う。
「子どもにやさしいまちづくり」について、いまだに和式のトイレのままの学校があるようだが、早めに洋式トイレに改修してあげてほしい。
シルバー人材センターは、高齢者が就業を通じて活躍し、地域社会の活性化に貢献していく役割を持っている。派遣先などでは、高齢者にあわせて、シフトや休憩時間を調整するなどの“思いやり”があると良い。
鶴ヶ島市社会福祉協議会で、中学生が高齢者のゴミ出しを手伝う活動を行っているが、認知症の方がゴミを出し忘れてしまうことがある。中学生だけで全てを対応することは難しいため、状況に応じて大人が対応する必要があると思う。
事務局
小中学校トイレの洋式化について、現在、全ての小中学校において、2系統中1系統は既に洋式化している。残りの1系統について、順次進めているところである。
会長
シルバー人材センターの件について、職場側としては、労働基準法などに基づいた上での対応なのかもしれないが、高齢者を雇っていることを踏まえ、個別により良い職場環境となるよう工夫することも大事だと思う。相手を思い、配慮をしていくことが、今後の社会では必要となる。
委員
近年では、カスタマーハラスメントが増えているが、売る側と買う側の立場は、本来対等であり、お互いに感謝をすべきだという認識が社会全体で必要だと思う。
会長
介護や福祉を含めたサービス事業についても、最近では、金銭の対価としてのサービスだと思われがちであるが、人間同士の関わりであることをしっかりと認識することが大切である。後期基本計画においても、そうした人間同士の関わりの重要性を表現できたら良いかと思う。
事務局
そうした人間同士の関わりは、地域づくりや災害時の助け合いに生きてくると考えている。
委員
転出した若者が戻りたくなるようなイベントを戦略的に行っていくべきだと思う。例えば、サマーカーニバルでは一日に2万人の来訪者があったと聞いており、人が集まるための下地はできていると思う。また、そうしたイベントを開催するための仕組みづくりだけでなく箱づくりも考える必要がある。例えば、空き家や学校跡地、既存の施設などの活用ができないだろうか。他の周辺自治体では大きいホールがある施設に定期的に有名人を招いており、市外の人の認知度も高い。鶴ヶ島市でもそうした市外にも知れ渡るようなイベントや施設を前面に出せればよいと思う。
東武東上線沿線には大学が多数立地しており、坂戸市では学生用のマンションの供給が追い付いていないといった声もある。また、学生はある程度学校から離れたところで暮らしたいといったニーズもあるため、鶴ヶ島市でもこうしたニーズに対応できるかと思う。
企業誘致については、県のロボティクスセンターや市のガーデンパークなどが話題になっておりPRできているが、これから起業する方に向けたコミュニティの場やレンタルスペースなど、少ない資本から立ち上げられる仕組みがあっても良いと思う。また、女性センターで起業支援も行っているので、それと連携した施設整備ができればよいかもしれない。
会長
最近では学生の起業意欲が高まっていると感じており、特にソーシャルビジネスや地域課題に関するものが見られる。起業する上で金融機関や商工会との接点があると具体化しやすいため、大学と連携した起業支援を考えてみても良いかもしれない。
学生の居住場所について、鉄道の定期券を持っていると移動がしやすいということもあり、大学から多少離れた場所の居住ニーズは確かに存在すると思う。また、東武東上線沿線に大学が多数立地していることから、面として捉えることで、様々な取組が期待できる。
委員
サマーカーニバルについては、コロナ禍の自粛期間を除き、毎年開催しており、今年も開催する予定と聞いている。
委員
サマーカーニバルは元々商店街が主体となって開催していたが、こどもたちが楽しめる行事を継続したいという自治会の想いから、現在では、地元自治会が主体となり、商店街の通りを使って開催している。
会長
イベントの主体や開催の仕方は時代によって変わってくるものかと思う。イベントを立ち上げる段階から学生などが関われるとよいかもしれない。例えば、脚折雨乞などは学生が参加しているのだろうか。
事務局
脚折雨乞については、保存会が主体となって開催しており、市のイベントとは位置づけが異なる。
委員
脚折雨乞は旧来の考え方に基づいて開催しているが、地元で行事に関わる者としては、今後は地域を巻き込んだ形にしていかないと厳しいと思っている。文化継承といった点でも学生に参加いただきたいと思う。
会長
これまでは地元や集落のメンバーシップに基づき行事を運営してきたが、今はメンバーシップだけでは難しくなってきている。そのため、例えば、神事などの行事の核となる部分は従来の地元の方が主体となり、付随する部分などは、他の人材を取り入れる等の工夫が必要となる。神事としての伝統は守りつつ、市民が関心を持ち、参加しやすいような仕組みづくりが大切である。
委員
脚折雨乞は、元々は神事として開催してきたが、最近ではお祭りとしての認識も含むようになっている。ただ、保存会のメンバーは誇りを持って取り組んでいるため、それは尊重していくべきだと思う。
会長
サマーカーニバルは商店街から自治会に主催が移行したとのことで、時代に合わせて変化した良い例だと思うので、何かしらのヒントが得られるかもしれない。
委員
少し前に開催された市全体の環境まつりにも大学生が10人ほど参加してくれた。
委員
産業まつりに鶴ヶ島市に関わる大学生向けのブースを作るのはどうだろうか。鶴ヶ島市への関心を高め、また、地元の高校生の近隣大学への進学の動機づけにもなる。
会長
産業まつりについて、ブースの出展に料金がかかるのであれば、学割で参加しやすくするなど、市全体の文化祭のような側面を待たせても良いかもしれない。
時代の変わり目を迎える中で、様々な組織が課題を抱えているが、その課題が見えるようになれば、良い方向に変化できると思う。
委員
これまでの意見を聞いて、現在の人とのつながりや伝統を大事にしていくべきだと感じた。その一方で、将来のこどもたちに向けての視点やまちづくり全体の視点も大切であり、それぞれの視点による“核”を作りながら、また、視野を広げながら計画を作り上げていければよいと思う。
また、企業と市民の関わりや多世代の交流が生まれるコミュニティの場をつくることも大事だと思う。「人が魅力のまちづくり」を原点として進めてほしい。
会長
市の中で多くの人が様々な活動をしているが、お互いがあまり見えていない状況にあると思う。そのため、まずはお互いのことを知り、人として関わっていくことや、そういった考え方を広めていくことが大事であると思う。
委員
地域支え合い協議会として、「放課後子ども教室」の設立を考えており、該当地域の学校の校長先生と話をしたところ、前向きな返事を貰うことができ、その後の協議会の会合にも来ていただいた。このように地域の様々な組織とのつながりを深めていくことにより、活動の幅を広げられることを実感している。
会長
既存の組織の中でも、新たに人との関わりを求めているが、それがあまり見えていない場合が多いのかもしれない。
委員
「放課後子ども教室」については、今年はフィージビリティスタディ(実現可能かどうかを事前に検証すること)としての活動をしており、来年度以降も続けられるような体制づくりを考えている。
委員
子ども会でボランティア活動をしているが、最近は学生等の参加者が増えているように感じている。参加理由を聞くと、内申点のためといった理由も多いが、活動を続けているうちに地域に愛着を持つのかもしれない。ボランティアを通して、こどもたちに地域のために役立っていると感じてもらうことが大切だと思う。
高齢者の方のゴミ出しの補助については、認知症の方でごみの分別ができていないこともあるので、そうした方への支援は、別途、地域や市で対応していく必要があると思う。このような見守る姿勢も安心して住み続けられる要因になるのかもしれない。
会長
ボランティアの参加者がすべてをカバーする必要はなく、ボランティアの学生で対応が難しいことは、他の対応できる人がカバーしていくようにそれぞれの役割を切り分けていけばよいと思う。
学生ボランティアは参加のバリエーションを増やしても良いかもしれない。最初は少ない頻度でも参加ができるようにすれば、徐々に参加頻度を増やしていくこともあると思う。シルバー人材についても同様で、働き方の多様性に対応していく必要がある。
委員
「デジタル」について、高齢者の中には対応が難しい方もいると思う。そういった方が取り残されないようにフォローが必要だと思う。そのような課題は計画の中でどのように反映していくのか。
事務局
方針としては、デジタルの活用を進めていく中においても、デジタルに対応できない方にも配慮していく。逆に若年層では、対面でのつながりより、デジタルツールによるつながりが主流となっており、人と人とのつながりについてもデジタルが活用されている。こういった両面の内容が読み取れるような計画を考えていくつもりである。
会長
デジタルの活用によって安全性・効率性を高めつつ、人との直接的なコミュニケーションを残していくことが大事である。そうした内容を計画で示していければよいと思う。
(後期基本計画の施策体系(案)について事務局より報告)
事務局
後期基本計画の施策体系は、前期基本計画をベースに検討を進めており、一部の施策については、名称変更や統廃合を予定している。
また、後期基本計画では、鶴ヶ島の良さを活かしたPRなどに力を入れていきたいと考えていることから、シティプロモーションの取組を新しい施策として打ち出すことを検討している。
会長
シティプロモーションについては、以前から他の自治体でも施策として挙げられているが、外部への発信のみとなっている事例が多い。市内にも発信しなければ、市外との認識のずれが生じてしまう。市の内部、外部で認識が合致するような、鶴ヶ島としての「ブランディング」ができればよいのではないか。
(まちづくりに向けた意見や提案について事務局より依頼)
事務局
今後も、まちづくりへの御意見や御提案などがあった場合は、随時メールなどでいただけるとありがたい。個別にいただいた御意見などは、審議会で共有したいと考えている。