日時
令和6年5月10日 金曜日 10時00分~11時50分
場所
市役所 4階 401会議室
出席委員
石井委員、金泉委員、池野委員、内野委員、加藤委員、北岡委員、中村委員
欠席委員
今井委員、三浦委員
事務局
総合政策部長、総合政策部企画調整幹
政策推進課長、政策推進課主幹、政策推進課主査
議題
後期基本計画の策定に向けた今後のまちづくりの視点について
配付資料
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第6次鶴ヶ島市総合計画後期基本計画の策定に向けて~今後のまちづくりの視点について~(資料1)
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参考資料
・市民意識調査補足資料
・前期基本計画施策評価報告書(案)
公開・非公開
公開
傍聴人数
0人
会議内容
会議要旨
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市民意識調査の経年比較、他自治体との比較
前回の審議会で意見があった意識調査結果の経年比較、他自治体との比較について報告した。 -
前期基本計画評価の報告
重点戦略及び施策の取組状況の確認を行った。 -
鶴ヶ島市の現状
人口推計などについての意見交換を行った。 -
社会状況の変化・本市を取り巻く状況の変化
子育て支援や若者の定住、地域とのつながり、郷土愛等についての意見交換を行った。
議題 後期基本計画の策定に向けた今後のまちづくりの視点について
(市民意識調査の経年比較、他自治体との比較について事務局より説明)
委員
市民意識調査の回収率は減少傾向と捉えているようだが、減少傾向と言える根拠は。
会長
グラフの最小値と最大値の設定により、実際の減少量は小さいにもかかわらず、大幅に減少しているように見える。最小値を0パーセント、最大値を100パーセントにするなど、誤解を生まないようにグラフの表示を工夫した方がいいだろう。
委員
「愛着度」について他自治体の数値があまり入っていないが、事務局としては鶴ヶ島市の「愛着度」は他と比べて高いと考えているのか。
事務局
「愛着度」を調査している自治体が少なかった。資料に載せている自治体との比較においては、本市の「愛着度」は高いと考えている。本市ではこれまでもこうした地方創生を意識した設問を入れて意識調査を実施している。
委員
「愛着度」と「住み続けたい」はリンクしない結果となっている。
会長
補足すると「住みやすさ」と「住み続けたい」もリンクしていない。「住み続けたい」は東京に近い市町村ほど高くなっているが、「住みやすさ」は鶴ヶ島が他自治体と比べて高くなっている。
鶴ヶ島市は「住みやすさ」と「住み続けたい」の両方が比較的高めであると言える。
委員
こうした点は鶴ヶ島市の強みとして捉えてよいのか。
会長
強みとして捉えてよいと思う。逆にこうした設問でネガティブな回答が多い場合は、問題点として捉える必要がある。引き続きこうしたデータを集めていただきたい。
(「前期基本計画評価報告書(案)」について事務局より説明)
委員
重点戦略の指標のうち、現時点で達成できているものを教えていただきたい。
事務局
重点戦略1では、「子ども家庭総合支援拠点の数」、「実用英語技能検定3級以上の取得率」、「無線LAN/タブレット端末を活用した授業の実施クラス数の割合」、「待機児童の数(保育所・学童)」、「1人あたりの都市公園面積」が達成している。
重点政略2では、「65歳以上の要介護・要支援認定者数の割合」、「ラジオ体操事業の参加者数」、「健康づくりのための運動を実施している人の割合」、「歩道の整備延長」、「つるバス・つるワゴンの利用者数」が達成している。
重点戦略3では、「市内従業者数」、「都市計画道路整備率(川越鶴ヶ島線・鶴ヶ島南通り線)」、「納税義務者数(所得割)」、「就労継続支援事業所(A・B型)の利用者数」が達成している。
会長
「前期基本計画評価報告書(案)」の市民満足度のグラフについては、最小値と最大値の記載もある方が良いかもしれない。
(「鶴ヶ島市の現状について」事務局より説明)
委員
資料1の5ページで外国籍住民が増えていることが分かるが、市内居住年数や年齢構成などの詳細な情報は分かるのか。
事務局
市内居住年数や年齢別に関する資料は手元にないが、平成30年4月から令和5年4月の間に外国籍人口は533人増加している。国籍別では多い方から中国、ベトナム、フィリピン、韓国、ブラジルの順になっている。
会長
外国籍人口について、特に重要なのは市内在住期間だと思う。せっかく転入してきてもすぐに転出しているようでは意味がない。
委員
近年、急激に外国籍人口が増えている点については、東日本大震災の影響で帰国していた人たちが戻ってきている可能性もある。
会長
指摘のとおり、さらに遡って過去のデータを調べてもよいかもしれない。
別の観点だが、資料4ページの人口推計は、直近の国立社会保障・人権問題研究所のデータによるものである。「第2期鶴ヶ島市まち・ひと・しごと創生総合戦略」でも、同じく社人研データを使っていると思うが、それは前回の社人研データに基づく推計値である。社人研の推計も実施毎に異なる結果となるわけだが、どうしても最新の推計値のみに基づいた分析となってしまう面がある。前回の推計結果と実際の人口推移を比較すると、人口減少は当時の想定よりも緩やかに進行していることが分かる。最新の推計値に頼るだけではなく、推計値と実数値の比較も必要である。
事務局
前期基本計画では、計画最終年度となる令和11年度の目標人口を社人研の推計値より1,000人多い68,000人と設定した。また最終目標までの月ごとの展望人口も設定しており、令和6年4月の実績値は展望人口より743人多くなっている。内訳は生産年齢人口がプラス842人、対して年少人口はマイナス98人、老年人口はマイナス2人とほぼ想定通りとなっている。(※展望人口の推計は小数点以下を四捨五入しているため、合計が一致しない場合があります)
外国籍人口についての補足だが、外国人向けの転出入アンケートの結果では、外国人の転出者のうち、年齢別の割合は18~29歳、30~39歳がそれぞれ4割程度、居住期間は1~3年が最も多いという結果である。
会長
居住期間については、現在1~3年の方が今後どうなるかが重要と思われる。ちなみに外国人の納税はどのような状況か。
事務局
制度上は日本人と同様に企業を通して所得税の納税や、不動産を所有していれば固定資産税の納税をしてもらっている。
会長
展望人口との比較で、人口が上振れしているのは、外国人の転入者が増えていることも要因の一つと考えられる。
(「社会状況の変化・本市を取り巻く状況の変化について」事務局より説明)
会長
資料11ページの赤枠の項目について、これまでに示されたデータ等を踏まえ、ご意見やアイデアをいただきたい。
委員
全国的に少子高齢化が進んでいる影響で、鶴ヶ島市と周辺自治体とで人口の奪い合いが生じている。その中で、鶴ヶ島市の利点を生かし、いかに移り住んでもらえるかを、今まで以上に検討していく必要がある。満足度についても現時点で高めではあるが、更に愛着を持っていただけるよう、分かりやすいキャッチフレーズなどを用いて市内外に訴えかけていく必要がある。
子育て家庭について、近年、就労する女性が増えてきているとのことだが、ひとり親家庭はどのくらいいるのか。
昔よりは子育ての環境は良くなっているが、新しく転入してきた家庭など、孤立している家庭もあり、どのように地域とのつながりを持たせるのかが重要である。
事務局
ひとり親家庭の状況について、令和4年度のひとり親家庭等への医療費の支給状況は、登録者数で1,189人となっている。
会長
地域子育て支援拠点事業について、昔に比べ施策や制度は豊富になっているとは思うが、利用者は少なく、需要(利用者が求めるサービス)と供給(提供するサービス)がかみ合っていないと考えられる。今後、利用者の需要をどのように把握するつもりなのか、何か考えがあれば教えていただきたい。
事務局
令和5年度に「子育て支援に関するアンケート調査」を実施した。それらを参考にしながら市民ニーズを把握し、検討していきたい。
委員
以前、地域支え合い協議会の活動の中で、足を痛めた住民からゴミ出しの手伝いの依頼があった。話を聞くと、これまで地域支え合い協議会の活動については知らなかったようだ。広報紙等で周知はしているが、情報が届いていない。逆に、知っている人はそれなりの頻度で利用している。
委員
若い世代はスマートフォンを中心に情報を得ていると考える。中には保育所等から情報を入手している方もいるかもしれないが、就労している子育て世代は時間がないのかもしれない。
委員
孫は民間の保育サービスを利用している。学校までのお迎えのほか、食事の提供や20時頃までの預かりが可能なようだ。働く子育て世帯にとって保育時間は重要である。公的支援では限界があるのかもしれない。
会長
利用者のニーズと公的支援の内容がかみ合っていない状況が考えられる。
事務局
市内の学童保育については、20時までの預かり保育や軽食の提供に対応しているところもある。
会長
アンケート結果による市の子育て事業等の利用者が少ないのは、何か要因があると思われるので、その要因を探り、今後の市の取組に生かしていただきたい。
委員
子ども会でレクリエーションクラブの取組を行っているが、一緒に活動している若者の多くは、就職となると都内への就職となり、活動に参加できなくなってしまうケースが多い。都内でも池袋駅より先の路線となると、通いにくい場所となり、活動を続けることができない人が多くなる。地域内にも若者の働く場所を誘致していただきたい。また、地方の大学に進学し、流出してしまうケースもある。
女性が働く場所も増え、母親の就労も増えているが、一方でPTA等に参加してもらえないといった課題も生じている。「委託」という意見もあるが、保護者が全く目を向けないというのは問題である。地域の手を借りたいと考えているが、地域の活動の担い手が減っている状況を見ると難しいと感じている。まずは地域の人との関わりが大事になると思う。
委員
企業の誘致に関してだが、千葉県印西市ではデータセンターの誘致が盛んであり、要因としては地盤の強さと言われている。鶴ヶ島市も地盤が強く、水害も少ないため、災害への強さを利点として売り込んでもよいかもしれない。
会長
確かに以前の審議会でも災害リスクが少ないことが利点だと言われていた。
委員
地盤の強さに関して、市内には明治時代から壊れていない蔵が現存している。
事務局
確かに印西市はIT関連の企業が多く、民間の「災害に強い街ランキング」では上位に位置している。鶴ヶ島市も上位に位置しており、強みとして、打ち出していきたいと考えている。
地域のつながりに関しては難しい課題である。データでは若い世代はある程度転入しているが、ライフステージに合わせて、転出してしまっている。その対策として、企業誘致を行い、職住近接のまちづくりを進めているところである。地域と連携し、一度転出をしてもいずれ鶴ヶ島市に戻ってくるような取組も考えていく必要がある。
委員
地域のつながりについては、地域支え合い協議会では、地域の人と中学生が参加し、郷土愛が育まれていくような活動に取り組んでいる。一度市外に転出しても、いずれ戻ってくるような鶴ヶ島に愛着が持てる取組が必要である。実際に子育て世代で、鶴ヶ島にUターンをする方もいるようなので、企業の誘致も含め、必要な取組だと思う。
委員
FM秩父というコミュニティFMがあるが、身近な地域の情報を発信している。こういったコミュニティFMが、地域へ愛着を持たせ、地域情報を共有する場になるのではないだろうか。
会長
コミュニティFMに関しては、実施したいと考えている市民もいると思うので、アイデアとしては現実的であると思う。
委員
市外から引っ越してきた身としては、現在の鶴ヶ島のコミュニティは素晴らしいと感じている。問題は、今の子ども世代がどう思っているかであり、この先は次世代の価値観を取り入れたコミュニティづくりが重要となってくる。
市民意識調査の結果を見ると10~20代の意見があまり拾えていないように感じる。今は転居が当たり前の価値観の時代になっており、この後の世代がどのようなまちを望んでいるか様々な角度から考えていく必要がある。その中で、鶴ヶ島市が選ばれるような、シンボルとなる施策などを打ち出すほか、民間企業等と連携した子育て支援などを合わせて検討していく必要がある。
委員
歴史や伝統文化の継承も郷土愛を次世代に根付かせる手段になるのではないか。
会長
実際に学校で地元の歴史や伝統を教える授業はあるが、その教え方は変わってきているのではないか。
委員
今は小学3年生が、郷土学習を受けている。以前は子ども会でも郷土かるたを作成し、配布していた。このかるたは各学校にも置いてあり、鶴ヶ島市に愛着を持ってもらう機会となっていた。今は児童館や図書館で借りることができたり、市のホームページにも掲載しているため、こうしたものの活用も検討していただきたい。
委員
働く子育て世代にとっては、例えば市の相談窓口が平日の昼間だけでなく、夜も利用できると助かると思うので検討していただきたい。
委員
地域とのつながりの変化と地域の担い手の減少については、市民意識の変化の影響が大きいと考えている。市民の意識が変わっていく中で、次世代にどのように繋げていくかを考えていく必要があると思う。
会長
今までの市民意識を前提とせず、次世代の市民意識がどのように変化しているかを把握しておくことが重要である。
委員
これまで自治会の班長が行っていた市内の夏祭りの手伝いを外部委託や希望者に依頼する流れがある。餅つきの行事を開催しようとしたところ、やり方が分かる人がおらず、行事自体が中止になってしまった。市内でこれらのやり方を知っている方の多くは高齢者であり、このままでは担い手がいなくなり、次世代の子どもがこうした体験ができなくなるのではないだろうか。
会長
必ずしも餅つきという活動内容にこだわらなくてもよいのかもしれない。本来の目的としては、地域の中で協働の機会を子どもたちに提供することが大切だと思うので、その中で、今の世代のライフスタイルや世代構成を考慮し、時代に合った企画を検討していくことが重要だろう。
鶴ヶ島市の歴史を考えると、高度経済成長期の頃は市民活動や社会教育の中で地域でのつながりを持つようになったと思われるが、今の時代に同様の方法でつながりを持つことは難しい。高齢社会の現在は、病院の待合室やバス停等が、つながりを持つ場となっている面がある。何がきっかけになっているか分からないため、それを把握していくことも重要である。
子育てについては、何かあったときに連絡をしなければならない関係先が多く、大変であると聞く。ただ、市役所を連絡先として集約するのは難しいため、例えば、夜間に病院に行ったときは、自動的に学校に連絡がいくなど、民間との連携やデジタル技術等を活用してできることもあるかもしれない。
コミュニティFMについては、千葉県多古町の例をあげると、移住者が配信の中心的役割を担っている。音響や配信等、現時点で市内にはいないような、ある分野でのプロフェッショナルな人材を、まちづくりの担い手として受け入れていくことが、市民にとっても良い影響となると思う。
学生の活動については、学生時代に一度でも地域と接点を持ってもらうことが重要だと思う。先ほどは子ども時代を鶴ヶ島市で過ごした人の話があったが、大学生のときだけ鶴ヶ島市に転入している人も多くいる。そのような若者で、地域と接点を持っている人たちも重視していくべきだろう。就職等で転出しても、鶴ヶ島市に戻って来たくなるような仕組みを検討していければと思う。例えば、転出する学生に対して、再度転入した際の「特典」などがあっても良い。
事務局
意識調査の回答者は高齢者が多かったが、委員からの意見でもあったとおり、今まで当たり前だと思っていたことを、若い世代がどう受け止め、どう引き継いでもらうかが大きな課題だと感じている。
後期基本計画の施策は前期基本計画をベースとして進めるが、本日いただいた意見を踏まえて、関連する施策を見直したい。