帯状疱疹とは
帯状疱疹とは、水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気です。痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に広がります。罹患者数は50歳代から増加し、70歳代がピークと言われているものの、80歳以上においても、60歳代より罹患率は高いと言われています。
症状
初期症状は、特に皮膚の柔らかい部位(胸、お腹、背中、顔面など)の皮膚の痛みや違和感・かゆみを感じるようになります。次第に、痛みを伴う赤い発疹(水疱)が、体の左右どちらか片側の神経に沿って帯状に出現します。ピリピリと刺すような痛みで、夜も眠れないほど激しい場合があります。
帯状疱疹かもしれないと思ったら・・
帯状疱疹は発疹が出て3日以内に抗ウイルス薬の服用を開始するのがポイントです。早期に治療が始められれば、発疹が出てから7~10日程で症状が消え、後遺症・合併症も防ぐことができます。一方、治療が遅れると後遺症が残ってしまう危険性が高まります。帯状疱疹かもしれないと思ったら、すぐに皮膚科や内科などの医療機関を受診しましょう。週末に気づいた場合も放置せず、土日も診療している医療機関や救急外来などを受診しましょう。
原因
子どもの時に感染した水痘(水ぼうそう)ウイルスが原因で起こります。水ぼうそうが治った後もウイルスは体内に潜んでおり、加齢や過労、ストレスなどにより免疫力が低下した時にウイルスが再び活性化して帯状疱疹が起こります。
合併症
帯状疱疹にかかると以下のような合併症を引き起こすことがあります。
- 帯状疱疹後神経痛(PHN)
※帯状疱疹が治った後も続く痛みで、ウイルスによって傷つけられた神経が過剰に興奮することで痛覚過敏となるなど、日常生活にも影響が生じる場合があります。
- 角膜炎、結膜炎、ぶどう膜炎
- 顔面神経麻痺
- 耳鳴り、難聴、めまい
予防
免疫が低下しないよう、日頃の体調管理が重要です。
- 食事のバランスに気を付ける。
- 適度な運動を心がける。
- 質の良い睡眠をとる。
- ストレス発散を心がける。
予防接種
帯状疱疹ワクチンを接種することで、発症予防・重症化予防が期待できるとされています。予防接種は帯状疱疹を発症しないための選択肢のひとつになります。しかし、予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありません。また、人によっては副反応がでる場合や、接種する際に注意を必要とする人もいますので、接種にあたっては医師とご相談ください。
「帯状疱疹の定期接種」及び「帯状疱疹の任意接種費用の一部助成」についてはコチラ
ワクチンの種類
乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」(生ワクチン)
接種回数
皮下注射1回
対象者
- 定期接種:令和7年度~令和11年度の各年度に65、70、75、80、85、90、95、100歳となる方(令和7年度に限り100歳以上の方)※対象の年度に通知を送ります
- 任意接種:50歳以上の方
自己負担金額
- 定期接種:3,000円の自己負担金額
- 任意接種:「医療機関が定める接種費用※」-「市助成額5,000円」=「自己負担金額」となります
※医療機関によって異なりますがおおむね8,000円~9,000円程度
メリット
費用が安い、接種回数が1回、副反応が比較的弱い
デメリット
予防効果が落ちる、免疫低下している方には接種できない
帯状疱疹ワクチン「シングリックス」(不活化ワクチン)
接種回数
筋肉内注射2回
対象者
- 定期接種:令和7年度~令和11年度の各年度に65、70、75、80、85、90、95、100歳となる方(令和7年度に限り100歳以上の方)
- 任意接種:50歳以上の方、または帯状疱疹にり患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方
自己負担金額
- 定期接種:15,000円の自己負担金額
- 任意接種:「医療機関が定める接種費用※」-「市助成額5,000円」=「自己負担金額」となります
※医療機関によって異なりますが1回当たりおおむね20,000円~25,000円程度
メリット
予防効果が高い、免疫低下している方にも接種できる
デメリット
費用が高い、接種回数が2回、副反応が比較的強い
厚生労働省からの情報
令和7年4月1日より、高齢者の定期接種に帯状疱疹が追加されます。現時点で国が公表している情報についてお知らせします。帯状疱疹の内容や、ワクチンの効果・安全性・副反応等を下記リンクに掲載していますのでよくご確認いただき接種をご検討ください。