令和4年度第1回鶴ヶ島市立図書館協議会会議録

日時

令和4年10月25日(火曜日) 10時から12時15分まで

場所

鶴ヶ島市立図書館2階視聴覚室

出席者

山本委員、飯島委員、宮本委員、松村委員、千葉委員、岩谷委員、大竹委員、関委員、清水委員

欠席者

松本委員

事務局

蓜島生涯学習スポーツ課長、若月生涯学習スポーツ課主幹

説明員

鶴ヶ島市立図書館 宇佐美館長、三貫納副館長

傍聴人

なし

内容

1 委嘱状交付式

2 正・副会長の選出について

3 ニーズや課題を踏まえた鶴ヶ島市立図書館の管理運営について

要旨

1 委嘱状の交付を行った

2 関委員を会長に、岩谷委員を副会長に選出した。

3 ニーズや課題を踏まえた鶴ヶ島市立図書館の管理運営について、図書館協議会委員の意見を聴いた。

 

会議録

会議の経過

1 開会

2 委嘱状交付式

3 あいさつ

4 自己紹介及び仮議長の選出

  各委員の自己紹介を行った。

  仮議長として年長者の松村委員を選出した。

5 会長、副会長の選出

  会長に関委員、副会長に岩谷委員を選出した。

6 審議内容について

協議事項

1 ニーズや課題を踏まえた鶴ヶ島市立図書館の管理運営について

議 長 協議に入る前に事務局から説明をお願いします。

事務局 本市では、図書館の利用者の減少と高齢化を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策などの課題に対応するため、今後の図書館運営の在り方について検討しています。具体的には、現在の指定管理者の指定期間が満了する令和7年度に、ICタグ導入による自動貸出機、予約棚を設置して、感染症対策とともに業務の合理化、利便性の向上を図りたいと考えています。あわせて、利用者が増加している若葉駅前カウンターを分室へと機能強化し、各分室は身近な貸出返却拠点としての機能を維持しつつ、読書や交流スペースを創出するための改修を行い、読書案内などの図書館サービスは中央図書館とモニターでつなぐなど業務の合理化を図り、分室業務を市の職員が行うことにより施設を一元管理することなどを考えています。この2年間においては、このことについてご意見をいただきたくお願いします。

多摩市立図書館による自動貸出機と予約棚の使い方の動画を確認する。

議 長 予約棚の本の並べ方について、子どもは高い棚の本を取りにくいので、下段に入れるなどある程度のルールを考えたほうがいいのではないか。

課 長 児童書は下段に入れることを想定しています。予約棚は、一番上に大きい本を入れる場合は棚を高くしない、下段に入れる場合は背を高くするなど工夫されていますが、大きさの他は自由に入れても管理できるものとなっています。

委 員 システムはよろしいのではないか。災害があったときに、本棚が揺れて書籍が落ちてくることはないか。

課 長 中央図書館では、東日本大震災の際に文庫の本棚が2棚くらい落ちました。本棚をアーチでつなぐことで落ちにくくなりますが、高い棚を設置する場合は想定しておく必要があります。地震で揺れている最中については、高い書架から離れていただくご案内が最優先であり、この点は人的な対応になると考えています。

委 員 近隣では川越市や坂戸市が導入しているが、予約棚はあるか。

課 長 川越市では予約棚はありませんが、自動貸出機を中央図書館や高階図書館などに設置しています。

議 長 ICタグは、書籍の管理において最も非接触的な認識能力が高いものです。自動貸出機や予約棚といった機能を活用して、ニーズや課題に対応した図書館運営の在り方を検討していくという理解で良いか。

課 長 将来的にはさらに高齢化が進み、人口減少が予測される中で、公共施設の管理運営については選択と集中が必要であると考えています。システム導入は、業務の合理化や経費の節減を図る目的もありますが、利便性の向上や図書資料費の増額などの充実を図るための政策でもあります。分室の機能の中で一番重要なことは、身近な場所で本を借りることができる仕組みであり、各分室に常に良い本が並ぶことは難しいため、貸出返却の機能を確保しつつ、読書や交流空間を作り、中央図書館と若葉駅前を拠点施設として機能強化を図りたいと考えています。

委 員 高齢者にはホームページでの予約を難しく感じる方もいて、使い方の講習会やQ&Aコーナーなどがあるといい。また、ニューヨーク公立図書館のように、パソコンやスマートフォンを持っていない方向けに情報端末の貸出ができるといい。図書館ホームページで資料費の内訳を調べたが、最新の新着資料しか見られなかった。本や雑誌、デジタルコンテンツの比率はどうなっているか。

事務局 11月に電子図書館の使い方講座を開催しますが、今後も行っていきたいと考えています。また、情報端末については検討していきたいと考えています。図書資料費は2000万円の予算のうち電子書籍を150万円となっています。

議 長 電子化には大きなポイントが2つあります。1つは利用契約で、情報を買うか借りるかの利用権で、実物の書籍と違って市の財産になりません。もう1つは契約形態で、期間中何人でも見られるもの、同時アクセスは何人までのもの、あるいは何回までアクセスする権利があるものなどがあります。今後、電子書籍の比率をどのくらい上げてくのか、本の分野や性質などによりどの分野を電子書籍にするか、契約形態をどうするかを説明してください。

課 長 児童、幼児向けの本の電子化はなかなか進んでいませんが、本には大小、体裁のこだわりなど出版する側に思い入れがあり、その特徴を活かすことは良いことだと理解しています。授業の調べ学習で百科事典を開くことは少ないことも聞いており、積極的に進められない分野もあって増やす段階ではなく、動向を見て判断していきたいと考えています。

委 員 保育園では電磁波の影響を避けて、電子機器から離してどろんこ遊びや絵本を通じた五感を開く体験を多く行っている。0歳から5歳までは五感が発達する時期であり、見て、触って、聞いて、匂いを嗅いでという基本的な力を身に付けて、その次に、目の前のこれが知りたい、次に隣にあるものへと興味を広げて成長していく。電子化が進まない要因としては、本をめくる楽しさ、もう一回めくり直す楽しさ、本の手触りといった感情の大元になるわくわく感を育てることを大切にする出版社が多いのではないか。図書館では、本を出して遊んでいる子どもとお母さんの楽しそうなやり取りを見かけるが、そうした時間は素敵ことである。電子書籍やパソコンで調べものや知識を深めることは、その次の段階ではないか。

議 長 同感です。電子媒体には適しているもの、適していないものがあります。経費だけではなく、適正な振り分けを考えていただきたい。

委 員 私も同感です。紙には紙の良さがある。予約棚について、夜間でも受取りができる図書館があるが、今後はそういう方向に進んでいくか。

課 長 現状では多くありませんが、将来的には増えていくものと思います。

議 長 若葉駅前カウンターは、利用者が大幅に増加しており、立地からも機能強化は良いことである。現状と将来のイメージを説明してください。

事務局 現在、ワカバウォーク1階の若葉駅前出張所内で本の貸出返却を行っていますが、その他のスペースでは期日前投票などにも提供しています。具体的な場所や機能などはこれから検討を進めていくものです。

委 員 利便性は重要である。国内外で駅前に中央図書館を設置している事例は多い。人口減少や高齢化などの将来を考えると、その方向性であり、若葉駅前に中央図書館レベルの図書館があるといい。話は変わるが、第3期鶴ヶ島市教育振興基本計画に「急速な技術革新」と記載されているが、例えば、メタバースに関しての図書は1冊しかなく、予約が多数だった。その分野の図書の拡充は必要ではないか。

事務局 これから対応していきたいと考えています。

議 長 自動貸出機は貸出のレシートの印刷をするかどうか選択できるが、印刷しない場合の返却日の確認などはどうするのか。

館 長 システムによりますが、Myページ機能には貸出情報があり、そこで確認することができます。レシートを必要としない人は多数います。

議 長 Myページへのログインは、結構手間に感じるものである。アプリの開発は予算がかかるが、スマートフォンでアプリから予約、借りた本を見ることができれば利便性が向上して、利用促進につながるのではないか。

館 長 渋谷でLINEを使い始めたという事例があります。

課 長 導入にあたってはコストの問題がありますが、研究したいと思います。

委 員 図書館利用者カードについて、マイナンバーカードで利用できるようになると1枚で足りる。どの図書館に行っても利用できるのは素敵なことである。

議 長 薬剤師の資格を持っているが、保険証として利用する場合は高度な個人情報になるため、アクセス権を限定することが議論されている。図書館では、誰が何を借りたかという情報は絶対守らなければいけないものであり、貸出情報を完全に切り離して情報セキュリティの資格を取得した司書だけがアクセスするようになるのではないか。将来的にはそういった方向性かと思うが、実施にあたっては十分な議論がなされる必要があるのではないか。

委 員 分室は、子どもたちが放課後に宿題や読書をしている。また、高齢者の利用が多く、新聞を毎日読んだり、古い本を借りたりしている。高齢者に分室の利用について聞いたところ、近くにあるから利用しているという声が多かった。利用者の声を聞いて進めていくことが重要ではないか。

館 長 アンケート調査を毎年行っていますが、内容や周知等を検討します。

委 員 中学校では、まず本に触れてほしいという趣旨で読書推進活動を行っているが、新着本やライトノベルの貸出など学校図書室で完結していると感じる。高校や大学を卒業して身近に図書室がなくなったときに、公立図書館にどうつなげていくのかという接続の部分が重要ではないか。

館 長 中学生や高校生は、市立図書館で勉強していますが、あまり本は借りていません。職場体験で来館した子どもたちに理由を聞くと、授業や部活、進路勉強の他、遊びたいので本を読む時間がないと言います。各小・中学校には、調べ学習や学級文庫などの団体貸出を行ってますが、司書講習を定期的に開催して、どういった形での連携が望ましいかを検討しているところです。

議 長 一人一台配付されているタブレットを使って、自分で検索できるようになれば利用につながるかもしれない。双方に効果のある連携を進めていただきたい。

委 員 図書館で子どもと一緒に本を選ぶのは楽しかった思い出があり、本が並ぶ様子を見てわくわくする気持ちを大切にしてきた。読み聞かせをしているが、以前は子どもたちが肩を寄せ合いながら友達と笑う姿を見て喜ばしかったが、今は机に座って聞いている。以前のようにできるといい。スマートフォンで気軽に調べられるようになり、本から離れているのではないか。子どもは成長すれば自分で情報を選ぶことができるようにもなる。幼少期は実物の本を楽しむ時間も大切ではないか。

議 長 図書館は静かに勉強するというニーズがあったが、情報と人が相対することはスマートフォンでできるようになりました。人が集う場所としての図書館の機能、情報に複数の人がアクセスして情報と人だけでなく、人と人のコミュニケーションが生まれるという在り方がこれからの図書館に求められるのではないか。今後の管理運営の仕組みについて、説明をお願いします。

課 長 図書館の管理運営や機能の在り方については、指定管理者制度の活用の見直しを含めて検討していきます。ご審議いただいた内容を踏まえて、令和6年度末までに次期の図書館基本構想をまとめ、令和7年度に新たな運営体制の実施に向けて進めていきたいと考えています。

議 長 鶴ヶ島市は、ほぼ全ての業務を委託していますが、城西大学水田記念図書館では、大学職員3人が専属で携わり、指定管理者に業務委託をしています。デメリットとしては、契約にないことや急なお願いはできないという点があります。

委 員 市民が住んで良かったと思える図書館にしていくことを基本として、様々な意見を取り上げて協議を進めることで方向性を出せるのではないか。

委 員 毛呂山町に、新しき村という貴重な資料を収蔵している美術館がある。図書館まつりで協力依頼を予定していたが、コロナの影響でできていない。中央図書館でのコーナーの設置、学校の授業や見学など連携していただけるといい。

議 長 連携の方法等については検討していただければと思います。協議事項については、これで終了とさせていただきます。続いて、資料4「令和3年度鶴ヶ島市立図書館モニタリング結果」について、事務局から説明をお願いします。

事務局 モニタリング結果は、a、b、cの3段階評価のbです。bは、仕様書に沿って適正な運営がされたもので、aは仕様書以上、cは仕様書以下です。一方で、利用者アンケートでは、臨時休館やサービスの一部制限もあって満足度はポイントを下げていますので、指定管理者と改善方策を協議しています。

議 長 評価についてはご理解いただけたと思いますが、高評価には何らかのメリットを与える仕組みがあるといいかと思います。それでは、時間となりましたので本日の協議を終了とします。

閉会

問い合わせ先

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電話番号:049-271-1111(代表) ファクス番号:049-271-1190

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