令和元年度第1回鶴ヶ島市総合教育会議 議事録

日時

令和元年7月17日(水曜日) 10時00分〜11時46分

場所

鶴ヶ島市庁舎4階 401会議室

出席委員

齊藤芳久市長 松井克彦教育長 石澤良浩教育委員 高篠雅惠教育委員 萩原秀雄教育委員
武知美葉教育委員

事務局

新堀教育部長 真武教育部参事 田中教育総務課長 吉澤学校教育課長 鈴木生涯学習スポーツ課長 
峯岸教育センター所長 松本学校給食センター所長 内野政策推進課主幹 永島教育総務課主幹 

傍聴者

0人

議事録

開会

市長あいさつ

協議

鶴ヶ島市の学校教育の現状と今後の方向性について

市長

 教育長より意見を伺いたいと思います。
教育長
 今年度特に重点として取り組んでいかなければならないことを私なりに4点ほどまとめて、説明させていただきます。
 1点目 児童・生徒の学力向上について
 学校は授業を大切にするところでなければなりません。授業を通して、わかった、できた、楽しい、次もがんばるぞといった経験を全ての児童・生徒に学んでほしいと願っております。
 この学びの経験が、学力向上はもちろんのこと、いじめや不登校の防止にもつながっていくと考えております。子どもが成長するこれからの時代は先行き不透明で厳しい時代を迎えることが予想されます。
 これからの学力は、今自分は何をしなければならないのかを考え、自分で判断し、自分で決定し、自分の意志で行動する。そしてその行動に責任を持つといった今までの知識・技能だけでなく思考力や判断力、そして表現力をしっかり身に着けることが大切であるととらえています。現在、鶴ヶ島市ではこのような学力を身に着けさせるために、学び合い学習に積極的に取り組んでいるところです。この学力を鶴ヶ島市の全ての子どもたちに確実に身に着けていけるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 また、今日グローバル化が進展する中で、英語によるコミュニケーション能力はますます必要になってきます。
 教育委員会としては、中学校3年生に実用英語技能検定に積極的にチャレンジさせたいと考えております。このチャレンジは学習意欲の向上にもつながるものと期待するとともに、鶴ヶ島市の子どもたちが海外でも活躍することを願っております。
 2点目 いじめ・不登校の取組について
 いじめ・不登校の対応は、本市の課題の一つでもあります。いじめ防止には、いじめは常に起こり得るということを前提に、教員一人ひとりが常に危機意識を持って取り組むことが大切です。
 鶴ヶ島市内のある中学校の校長が、4月8日の入学式の祝辞の中で、「本校はどんな理由があろうと、いじめは絶対に許しません」と述べていました。全校生徒、保護者、地域の方々、教員の前で、学校長がはっきりと、いじめは絶対に許さない学校であるという毅然とした姿勢を伝えることは、大変意義のある大切なことであると思います。
 いじめ・不登校への取組については、道徳の授業をはじめ、全ての教育活動で心の教育を推進することは当然ですが、学校は子どもたちにとって悩みなどを友人、教員、親などに気軽に相談できる場でなくてはなりません。その根幹にあるものは、やはり信頼関係であると思います。教員と児童・生徒、教員と保護者の信頼関係の構築に今後努めていくことが急務であるととらえています。
 また、いじめ・不登校の未然防止はもちろんのこと、初期対応が大切です。そして、丁寧な対応が求められます。生徒指導の基本は、誠意をもって、すぐに対応することであるととらえています。いじめ防止・不登校対応に今後積極的に取り組んでまいります。
 3点目 児童・生徒の事故防止について
 学校は子どもたちにとって、安全な場所でなければなりません。部活動や登下校時を含め、児童・生徒の事故防止には、最善の努力をしていく必要があります。
 特に、命を大切にすること、登下校時及び土日や休業中の部活動やスポーツ少年団等に参加するときの自転車事故防止については、保護者やPTA役員と協力して、ヘルメット着用を含め、交通安全対策に取り組んでまいります。
 具体的には、来年度より中学生の自転車利用時のヘルメット着用を義務付け、そのヘルメットについて補助等の対応を考えております。
 4点目 地域に開かれた学校運営について
 一人ひとりの児童・生徒に自立する力を培っていくには、教育基本法第13条に示されているように、学校・家庭・地域が連携・協力し、社会全体で教育力向上に取り組むことが重要であり、学校はその連携の核として地域に開かれた学校運営に努める必要があります。そのためには、学校の持つ情報を家庭や地域に広く知らせるとともに、保護者や地域の人々の意見を学校側が真剣に聞こうとする姿勢が不可欠です。教員自らが保護者や地域に積極的に足を運ぶことも必要と感じています。
 鶴ヶ島市は、地域支え合い協議会、青少年健全育成協議会等が大変積極的に関わり、地域ぐるみで子育てに取り組んでいただいております。今後も、連携をより一層深めていくと共に、学校応援団やこれから推進していくコミュニティ・スクールを含めまして、保護者や地域の方々と共に子どもを育てていく姿勢を明確に打ち出し、推進してまいります。
鶴ヶ島市の宝である掛け替えのない子どもたちを地域と共に育てていく学校を目指していきたいと考えております。以上、4点ほど本年度教育長として特に重点として取り組んでいきたいことを述べさせていただきました。
 どうぞよろしくお願い致します。 
市長
 ありがとうございました。
 ただいまの教育長からの意見も踏まえご意見等お伺いしたいと思います。
委員
 教育長の意見を受けまして1点目の学力向上について、お話しの中にグローバル化といった言葉がありました。英語が話せるからグローバル化、海外に行くからグローバル化ではないと私は思っています。
 そのためには、まず自らを知って、それを外に向けて発信する力、そのための英語力でなければ意味が無いのではと思っています。そのための教育・学習をまず学校でしっかりと学んだ上で、英語を身に着け、外に発信するということにつなげていけたらと願っています。
 それから、思考力という言葉もありましたが、その思考力というのはまず、そのグローバル化とも関係してくると思います。母国語で思考するということが基本になければいけないかなと思っています。そのためには幼児期こそが大事であると。
 しっかりと日本語の環境の中で育ち、日本語で考えるといった習慣がしっかりと身に着いた幼児期を過ごしてもらいたいと思っております。
 2点目のいじめ・不登校への取組については、やはり教育長も言われた通り鶴ヶ島で真剣に取り組まなければいけない課題の一つと思います。
 これには自分への信頼というのでしょうか、根幹にあるものは信頼関係であると。 悩みなどを友人、教員、親などに気軽に相談できる場をとおっしゃられていましたけども、今朝の新聞に未成年の自殺死亡率が統計開始以来、最悪となったということが書かれていました。原因として、小中学生は親子の不和が多かったとのことでした。親子間の信頼関係というものが原因で自殺に至るというのは、非常に悲しいことだなと思います。
 幼児期の子どもたちが安易に他の施設に預けられ、親からの愛情が子どもに向けられないというのは、その後の親子の信頼関係を築いていく上で、多くの問題があるのではないかと思っています。これも幼児期から育んでいかなければならない大切なことだと感じております。
 3つ目の児童・生徒の事故防止についてですけども、私も重要なことと思います。
 日本の社会、道路環境というのは車が中心で、歩行者への配慮が非常に少ないと思っています。これも以前申し上げたのですが、歩行者が被害者として巻き込まれる事故というのが世界でも韓国に次いで2番目だといった記事を読んだことがあります。道路環境を変えていくのは困難なことかもしれないので、まず事故に遭わないように、未然に防ぐために、ヘルメット着用など非常に大切なことだと感じております。
 子どもたちが成長していく上で、学校で学ぶことだけではなく、学校外での活動、部活動や休日の過ごし方など、学校を中心と考えた時の隙間の時間が子どもを成長させるのだろうと思います。成長の妨げにならない、また伸び伸びと健やかに育っていくためにも、事故防止の取組というのは大事なことだと感じております。
 4つ目の地域に開かれた学校運営なのですけども、今後の鶴ヶ島の課題にもなってくるのかもしれないのですが、今の学区の中では、子どもがどんどん減少していくというのは、避けられない現状だと思います。その地域のとらえ方というものをもう少し見直していく必要があると思います。他の学区はこういった大人が住んでいるのだと、この地域には違った環境があるのだといった生活圏を広げるという視点も必要になってくると思います。開かれた学校運営というものを考えていく必要があると思います。
委員
 私からも、教育長の意見に合わせた形で何点かお話しさせていただきます。
 まず学力向上については今、私は中学生の放課後の勉強するところを見ているのですが、個人差があるというところに視点を置いて授業をしていってほしいと感じています。
 鶴ヶ島は、のびのび算数教室や土曜学習会といったいろんな事業を実施されていて、現場の先生、保護者の皆さんからも、とても良いという意見をいただいています。
 ただし、良いと言われたからずっとやるのではなくて、毎回それがどう活用されているのか、どういう成果が出ているのか、どこを変えていったらいいのかという検証をした上で、続けていただきたいと思っています。
 その上で、意識改革の中に、全国学力学習状況調査の平均点など、いろんな点数が公表されるとそればかりに皆さん意識が行き、点数の高い低いだけで話をされる傾向がありますが、そういう傾向を無くしていってほしいと考えています。
 いじめ・不登校対策に関しては、鶴ヶ島市では本当にいろんな予算を付けていただいて、大変ありがたいと思っています。その上で、学校が安心できる場所である、自分がいても、ただ居るだけでもいい場所であるというのが、不登校やいじめには、とても大事なことと感じています。
 これも意識改革の一つであると思うのですが、不登校は、どうしても悪いイメージが付きがちなのですが、不登校になって一番つらいのは親でも先生でもなくて、学校に行けなくなってしまった本人だと私は思っています。
 本人が自分はこれではいけない。悪いことをしているというイメージがいつまでもあると、そこから前に一歩を踏み出せないので、信頼できる人と話しができるような場所がどこかにあればと思います。
 例えば、保健室登校やアぺルトとか別室で登校できるような場所を用意している中学校もあります。そういう場所も必要ですし、どうしてもそこに来られない場合、まずは家でちょっと1回休んでもいいよという学校側の感覚も雰囲気としてあってほしいと思っています。その上で、本人がやっぱり戻ってみたい、自分も前に進みたいという気持ちになったときに、よく来たねと受け入れてくれる雰囲気があってほしいと思っています。
 いじめ問題に関しても、いじめは常にあると思っているという意識も必要ですし、人間関係が大事だと思っています。特に小中学校の子どもたちの世界は、大人が思っているよりも狭くて、自分が通う学校、家庭や塾ぐらいが世界の全てになってしまいます。
 その中で行き詰ってしまうと逃げ場もなければ、このまま自分がどうしていいのかわからなくなってしまう。子どもたちにはとても窮屈な場所になってしまいます。そうしたことに気が付けるいろんな大人の目が必要だと思っています。
 今は学校の中に、支援員さんや事務の補助員さんがいます。そうした大人が気が付いて声を掛けられる環境にはあると思うので、支援員さんや補助員さんを配置してもらえるベースがもう少し広がるといいと思っています。
 地域に開かれた学校づくりに関しては、これは鶴ヶ島だからどんどんできると私は思っています。自分が鶴ヶ島でいろんな活動をしていて、とても感じていることで、コンパクトな市だからこそ、市内のいろんな地域の人と関わることができる場所だと思っています。鶴ヶ島だからできるという気持ちで取り組んでいけるといいと思っています。
 少子高齢化でどんどん子どもが少なくなって、1人の子どもがたくさんの高齢者を支えていくことになる。でも先日、それは逆から見たら、たくさんの大人が1人の子どもを見てあげられる状況にもなるという、視点を変えた記事があったのです。
 お金で考えたら、ちょっと厳しいのですけども、子どもを見守れる大人がたくさんいるという視点で見ると今、多くの地域の人たちが学校応援団や支え合い協議会に参加されています。子どもを見守っていこうという気持ちが、鶴ヶ島はとても強いと思います。何かしたいと思っているけど、何をしていいのかわからないという人たちが、ささやかな何か助けができる、繋がる支援ができるようなシステムがあるといいと思います。
 これもニュースで見たのですけども、奈良のカレーショップでは、会計の時に200円プラスしてチケットを買うと、そのチケットでご飯を食べられる子どもがいるというシステムを作っているところがあります。たくさんのお金を寄付することはできないし、いろんな事業はできなくても200円だったら払えるよという、気持ちの人が結構いるらしく、これは普通のお店の話なんですけども、そういったスモールステップで地域の人たちが学校に関われるシステムができると面白いと思っています。
 最後に、普段中学生と関わることが多いのですが、中学生がなかなか地域に出て行きにくい環境があるのかなと思っています。
 学校では部活動がその子の居場所になるかもしれないのですけども、部活動が居場所にならない子もいて、そうなるとどこにも行く場所が無くなってしまう。何となく中学生は、大人からはちょっと関わりたくないとか、面倒くさいんじゃないかという目で見られてしまうのですが、そんなことはなくて、すでに南中学校や富士見中学校では、お祭りに中学生が参加したり、地域の防災活動に参加する実例があるので、もっと中学生の参加する場を市内にたくさん作ってもらえたらと思います。
委員
 教育長の4点の重点的な取組については、全面的に賛成していきたいですし、教育委員として教育長のために頑張っていかなければならないことは重々わかっております。
 まず、今の教育を見ると学力向上優先で、生徒指導ができない先生が増えてきているように思います。これからの方向性としては、その先生方をどう指導して立派な先生に作り上げるかということが大変ではないかと思っております。子どもと友人のように付き合うことが先生だという風に思っている方が多くて、その結果、悪いことをしてもあまり強く言えない先生方が増えてきているような気がします。
 それでは子どもたちはどうやって生きるのかというと、集団を捨てて個の社会の中で自分自身だけで生きていこうとする者を教えているような気がしてなりません。これから生きる時の喜びというのは、昔よく言いましたけど、人という字は支える棒があって生きているんだという、そういうのを捨てていくような社会に変わってきている気がします。
 日本という小さな島国が、世界に大きな影響力を与えていったというのは、勤勉に働くことと、頭を使ってしっかりと考えてきたことなのではないかと。その勤勉さを捨ててしまったら、日本の良さが消えてしまうのではないかと思っております。
 学力向上の優先と同時に、基本的生活習慣を確立するということを頭に入れて、人を教えていくのが大事なのではないかと。人と人が接するときには礼儀が必要だし、相手を敬う心がないと、人として触れ合っていくことができないのだけれども、個の社会では、スマホや何かで人の中傷などを平気でやるような社会になってしまっているのではないかと。教育に携わる者として考えていかなければならないのではないかと自分は思っています。
 従って、基本的な生活習慣の確立と人と人との心の繋がりというのを大切にする、鶴ヶ島の子どもたちに育てていってもらえるとありがたいと自分は感じます。自分が思っている教育の在り方というのは、学力向上とか何かの自己の確立というのが教育の中で一番大切であることは、申し上げるまでもないと思います。
 その次に大事なのが友人を大切にする、親を大切にするということが、少し欠けてきているのではないか。それがいじめや不登校に繋がってきてしまうのではないかと思いますので、そのへんを教育していかなければいけない。
 ではそれにはどうしたらいいか、クラスを大切にするということを常に先生方が教えていかなければならない。そしてクラスを大切にしたら、次は学校を大切にし、学校に誇りを持つのだということを教えていかなければならないのではないか、と思います。
 そういうことを教える中で、集団の中で夢を持って生きることの大切さを教えていかなければならないのではないか。ここが、学力向上が優先されると隠れていってしまう所ではないかと思いますので、やはり集団の中で喜びというのをぜひ教えていってもらいたいと思います。学校の中でそういう場がどこにあるかというと、一番は学校行事だと思います。
 文化祭や体育祭や修学旅行などで、規律を守りながら友達同士が楽しく過ごしていくために、しなければいけないことを教えていくのが学校行事ではないかと思いますので、そういうことを大切にしてもらいたいと自分は思っています。
 テレビとかの影響で、いじめとか体罰ということに対して過剰に反応していると思っています。もちろん体罰はいけないし、いじめもいけないのですけども、人と人との繋がりがないから出てきてしまうことではないのかと思います。体罰で指導してきた先生がスマホなどで撮影され、だれかが言いつけたことでその先生がダメになっていく社会。堂々と話しあって決めていくのではなく、影でコソコソやっているようなことが、今の世の中の中心になりはじめてきているということに、僕は警鐘を鳴らしていきたいと思っている1人です。
 いじめを考えると、いじめられた子に対してどう対応するというのはよく出てくるのですけども、いじめる子はどうなっているのだろう、いつもいじめる子は見えてこなくなってしまうのですね。いじめる子の指導をしないと、いじめ対策にはならないのではないか。いじめられた子はもっと強くなるように教えてやらないといけないし、いじめる子には暴力を振るってはいけないと強く教える指導が無いから、やってしまうのではと思います。
 今、中学校でバレーボールを教えていますが、その中で3、4人が小学校時代にいじめた経験を持っています。そのうちの1人の子は今、違うよと。バレーボールは6人で協力しないとできない。成績の良い子悪い子、それぞれ性格の違う子らが1つになる。いじめは悪いことだから、良い子を見て勉強しなさいと話をするのですが、いじめている子を表に出してその子を指導していかないと、弱い子がいつも影に隠れた社会になってしまうと思っております。
 鶴ヶ島の学校教育の現状と今後はということで、自分なりの考え方を話させていただきました。以上でございます。
委員
 教育長がお話しになられた4つの点に関しまして、私も強く同意するところでございます。
 まず学力向上についてですが、やはり学力は学校教育のみで決まるものではないというのを感じますし、児童・生徒の学習に対する努力と家庭の持つ経済的な資本や文化的な物の資本、それから家族形態などもありますし、様々な要因が複雑に絡み合って学力というものができあがっているという風に感じます。
 その中にあって、わが子を通じて出会った先生方がおっしゃることは、例えば埼玉県学力学習状況調査での結果を見る時に、ただ単に数字を見るのではなく、一人ひとりの子どもたちの持つ背景をくみ取りながら、高い子だったら高い子なりにどれだけ成長しているか、低い子なら低い子なりにその子なりの伸びがどういう形であるのか、そこを意識しながら授業に、また普段の生活指導に取り組まれるということをお話しされますので、それはとてもありがたいと保護者としては感じております。
 また、鶴ヶ島のアクティブラーニングである学び合い学習の授業、これは本当に素晴らしいものですし、私自身教育委員になって3年間ですけども、授業参観に行くたびにアクティブラーニングの学び合い学習の授業が非常に推進され、子どもたちが生き生きと授業に取り組み、深い学びをしているという姿が見受けられるようになっているのは、本当に喜ばしいことと感じております。
 子どもたちが学び合い学習の中で、常に授業の中の目標を持って、その課題に対して常に問いを持ち、深く深く考えながら自分に対して主体的に取り組んでいる姿。毎回その授業のプロセスを振り返りながら、過去にあった自分と今の自分。自分を常に成長して比べていく、そういったものが見受けられます。
 子どもたち自身が他者との比較で成績を見るのではなく、自己成長を実感していく。学び合い学習の授業では、学力向上の真の目的みたいなものがあると、授業の中にあるなと感じています。学び合い学習の授業の中から、本来の学びの楽しさを実感し始めている子どもが鶴ヶ島には非常に増えているのではないかと感じております。一方で、家庭学習というのが本当に大事なことと感じております。
 例えば全国学力学習状況調査の秋田県の分析を見ますと、秋田県の子どもたちは家庭学習の定着率が9割以上ということで、家で学校の学びの復習をしたり、計画的に効率的に家庭学習しているという姿が見受けられます。また、秋田の子どもたちは学習塾に通う割合も全国平均を下回っているということで、ここは非常に注目されるべきと思います。
 いじめ防止・不登校対策についてですが、どの学校もいじめは、すぐそこにあるという緊張感と、絶対に許してはいけないという覚悟で先生方が丁寧に取り組んでくださっていると感じております。
 いじめのことを調べていく中で、文部科学省のいじめに関する調査の結果を見ますと、平成18年度は124,898件のいじめが報告され、また平成26年度は188,057件という数が記されていますが、一方で国立教育政策研究所の調査では、学校の認知件数以外に水面下に隠れているいじめがあるのではないかと記されています。
 政策研究所の小学校4年生から6年生、中学校1年生から3年生の追跡調査の結果によると、3年間で8割以上の子ども、6年間で9割以上の児童・生徒が嫌な経験をした、被害または加害の経験を持つということがありました。常に子どもたちの中には、大きないじめに発展するようなものが存在していると考えて対応していくのがいいと思います。
 また、研究調査の中では、学校で行ういじめのアンケートなども、加害者・被害者を特定するためだけのアンケートになってしまわないようにとありました。実際に名前を書いたアンケートには、本音を示すといじめが表面化されにくいという部分があると思います。
 鶴ヶ島でも完全な無記名によって、いじめがあるのか、ないのかということをまず表面化していく、そういう視点も必要なのではないかと思います。そこからまた対策をしていかなければと思うのですが、いじめ・不登校に対しては、大人たちが子どものことを待つのではなく、こちらから語り掛けて寄り添っていくのが非常に大事だと思います。
 そういう意味では、今本当に鶴ヶ島の小中学校の先生方が積極的に子どもに関わってくださり、温かい言葉を掛けてくださっていると感じております。この活動は学校だけに任せることではなく、家庭、それから地域の皆様のお力をお借りしながら、子どもたちを地域全体で育てていくことが大切ではないかと思っております。
 私自身、授業を見ていていいなと思うことを2点申し上げておきます。
 一つ目は、HSP/HSSという子どもの存在があると思うのですが、非常に先生方がよく勉強されていらっしゃるということです。性格的にもともとの気質だと思うのですが、感覚的に五感が非常に鋭かったり、物事に傷つきやすかったり、共感力が高かったりする子どもが5人に1人くらいの割合でクラスの中にいると思うのですね。
 そういう子どもたちに対しての配慮をしながら、授業展開をされている先生を見ました。いかに先生が発する言葉・行動によって、子どもたちが大きな影響を受けているか、そういった子どもの存在を考えながら授業をしていただくということは、非常にありがたいと思っております。
 もう一つ、発達障害の疑いのあるお子さんなどがクラスの中に何人かいらっしゃると思うんですけども、そういう子どもたちが何か好ましくない行動をした時には、ただ叱るだけではなくて、その子が好ましくない行動をついしてしまうことを理解した上で、子どもの良い部分を読み取ってご指導いただきたい。実際、先生方がそういう指導をされていることをありがたいと思いながら、参加させていただいております。
 それから、学校の事故防止に関しましては、学校だけで完結するものではないので、学校の行き帰り、子どもたちの命を守るという点で親がしっかりとヘルメットを被らせるとか、様々な場面で子どもがどうしっかりと身の回りの危険を察知して、そこに対応出来るかという能力を育んでいかなければいけないと感じています。鶴ヶ島市でヘルメットを今後、配布していただくことを希望致しますし、親の意識も高まっていくと感じております。
 地域に開かれた学校づくりに関しましては、実際自分の子どもたちを見て、地域の方々が非常に温かい目で子どもたちを見守ってくださるということに感謝を申し上げたいと思っております。これからの時代、学校だけではなく家庭と地域社会が手を取り合いながら、語り合って子どもたちによい教育をという形で進んでいかなければと思います。すでに鶴ヶ島の場合は、助け合いの活動の中や地域の方々の力をお借りして、開かれた学校づくりは始まっていると思うんですけども、より一層開かれた形で推進されてほしいと感じております。
 今後とも、手を取り合って学校教育、社会教育、そして家庭教育が推進されることを願っております。以上です。
市長
 ありがとうございます。学校教育の現状と方向性ということで皆さんのご意見をお伺いしました。
 皆さん各方面に細かくいろいろな方面から見ていただき、本当にありがとうございます。実用英語技能検定の資格取得の助成につきましては、議会で議員の皆さんから実施するよう求められていましたが、私の答弁としては子どもが最初に取る資格、共通して取る資格においては、親の働いたお金で資格を取ることに価値があるということで、他の市でやっているから鶴ヶ島市でもそうしようということには、納得があまりできないと今まで言ってきました。
 自転車のヘルメットに関しましても、やはり親の働いたお金で買い、自分の命は自分で守るということを議会でも言ってきましたが、今後は、新たな教育長の下にいろいろと検討していきたいと思っております。
 教育長からも皆さんのご意見を聞いて、何かございましたらどうぞ。
教育長
 教育委員さんからもいろいろな、多方面にわたりご意見をいただきましてありがとうございました。
 一つ、その通りだなと参考になったことが私の考えも同じなのですが、全国学力学習状況調査にしても県の学力学習状況調査にしても、どうしても保護者とか教員とか周囲を含めて、点数だけで見てしまうという部分があるのですけども、現在の県の学力学習状況調査では点数だけを見るのではなく、個々の生徒がどれだけ昨年度より伸びたか、このところを重要視していこうというのが、最近の国や埼玉県の学力についての考え方の基本なんですね。
 今まではどうしても点数だけで判断されてしまいましたけども、そうではなくてこの児童、この生徒はどれだけ努力してこれだけ上がったのか、そこの部分を高く評価して点数と同等に見ていきましょうという動きがあるということを、今後、教育委員会としても保護者の皆様とか地域の皆様にも、子ども一人ひとりの頑張りを認めてくださいという部分を教育長としても話をしていけたらと思いました。貴重なご意見をありがとうございました。
市長
 委員の皆さんも、今の4点の中で言い忘れたとかこれは話しておきたいとかというのはございますか。
委員
 市長の学校教育への理解というのが非常に深いものがあると感じています。また、新たに就任された教育長におかれましても鶴ヶ島の学校教育について熟知されていて、さらに越生町で取り組まれている学校教育の良さを鶴ヶ島に生かしてくださるのではないかといった期待を持っています。
 そういったお二人がいらっしゃっても、目の覚めるような変化というのは、そうそうないかもしれないのですけども、その中で、鶴ヶ島が造った学校給食センターにはいろいろな自治体からの視察があるということも伺っています。
 数年前まで足立区は、東京23区で学力がワースト幾つという区だったのですが、就学援助率も高くてそういう中で区長がまず給食の改革をしたという話です。給食がおいしいからという理由で学校に来るのでもいいよという取組をしたそうなのです。すると食べ残しが減って、肥満率も下がり、虫歯の保有率も下がりました。子どもは、健康で伸び伸び育つのが一番なのです。
 基本的な生活習慣、早寝早起き、朝ごはんとかそういった取組が徹底されているのが学力にも繋がっていく。足立区も給食の取組があって、学力が非常に伸びたといった結果が出ているようなのですけども、そういったことが親の意識改革にも繋がっていくでしょうし、しっかりと朝食を子どもに用意するということにも繋がってくると思っています。鶴ヶ島市学校給食センターの存在を生かして、何か発信ができないかと感じています。
委員
 学校も校舎がこれから問題になってくるかもしれないですけど、建物とかそれも大事だけど、教える先生方にいろいろな人がいて、形成されていくとその学校がとても素晴らしい学校に発展するので、ぜひ、教員の人柄を見て、うまく年齢とかも見て、より一層良い配置ができると、いい学校になっていくと思っています。事細かに見て配置するといいと思っています。
委員
 先日市長もいらっしゃいましたが、鶴ヶ島中学校のオリンピアン訪問の件など、鶴ヶ島は本当に事業を探してきて取り込んでくれる力は、ものすごくうまいと思っていて、近隣の坂戸市や川越市の知り合いから聞くと、いいよねという意見をたくさん聞くけれど、いかんせん何かアピール不足というか。
 広報だったりツイッターだったり、もちろん市のホームページだったり、いろいろな所で発信はされていると思うのですけど、学校側の発信力が足らないのかなと。
 一番の原因は、学校のホームページがいまだにスマホ版がないということが大きいと思っています。パソコンはないけど、スマホは人数分あるという家庭がほとんどで、学校のホームページがパソコンでしか見られないというのは、もったいないと思っています。オリンピアンが来るという情報も、もちろん校長先生たちは学校だよりとかで出されていたり、保護者にお話しされていたりするんですけども、今の子たちは入口がスマホなので、それに今のところ学校が対応していないのはもったいない。そこが変わらないかなと思いました。
委員
 これからICTの時代がやってきた時に、対応しうるような能力は子どもたちにも必要ですし、また大人たちも勉強していかないといけないということでは、まち全体で子どもだけでなく大人も常に学び続けるという生涯学習の時代だと思います。そういった意味では、鶴ヶ島市は非常に熱心に大人たちも学び続けるという環境がありますので、そこの部分を鶴ヶ島市の誇れる部分として、より成熟したような形になっていけたらと考えています。
学校教育課長
 ICTの話がありましたけども、来年度、校務支援システムを入れていくということで、教職員の働き方改革的な視点がメインですけども、そこから子どもたちの指導に生かせる時間を確保という所でやっております。
 それから、この夏にコンピューター室のコンピューターの更新が入っていまして、小学校の方は着脱式のコンピューター、タブレットにもなります。中学校はノートパソコンですけども。秋以降、コンピューター室の着脱式の方については、委員さんご指摘のとおり、タブレットを持って外で生活科のトマトの観察をしたり、体育の授業での使用など検証をやっていきながらICTの、今後の子どもたちが必要とする、必要となるであろう力の育成を目指してやっていきたいと思っているところです。
市長
 学校のICTに関しては、今年度の予算で、また来年度も進めていきたいと思っております。
 また、SNSに対しては各学校の先生方の努力で、今の時代だからどんどん進んでいってもらえればと思っております。そのための設備を整えていくという形ですので、先生の配置については教育長に話していただいて。
 それから学校給食センター。本当に造るときは大変だったのですけれども、私も仙台までPFI方式の給食センターを見に行きました。今いつ見てもいい環境の中で給食ができているということです。年数も5年くらい経ったのかな。
学校給食センター所長
 はい、5年半です。平成25年からスタートしまして、令和10年で今の契約期間は終了します。
市長
 もう5年経ってしまったという中でいろいろな意見もあるし、多くの方に給食を食べていただくということで進んでいると思いますけれど、いろいろな意見が出ていますので、それを十分加味して対応しているという状況です。
 先生の配置についてはどうですか。
教育長
 今後、鶴ヶ島が素晴らしい教育を展開しているのだということが広まれば、鶴ヶ島市に異動希望する教員も増えていきます。より良い教育をまず推進することが素晴らしい教員をいただける一つの方策と考えています。
 また、それ以外にも教育委員会として、教育長としてできることをしっかりと、素晴らしい先生をお呼びして、いい教育ができますよう努力していきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
市長
 他の地域から鶴ヶ島に行きたいという希望を出してくれるよう、魅力のある鶴ヶ島にしていきたいということで皆さんにもご協力をお願い致します。
教育長
 はい。
市長
 私の方から、皆さんにご意見をいただきたいことがあります。就任してから鶴ヶ島市がやりかけていた部分を、職員の皆さんも頑張っていただいて、かなりの部分で整理がついてきました。
 少子化が進行する中で鶴ヶ島市の児童・生徒数は、ピーク時から比べてかなり減少しています。以前にもお話しを聞いたかと思いますけれども、学校再編は、鶴ヶ島で一つ乗り越えなくてはならない課題であると考えています。
 富士見中学校の卒業式、藤中学校の入学式に参加させていただきました。今年に関しては、あまりの生徒数の違いに、改めて驚いたという部分があります。やはり、子どもたちが大勢いる環境の方が先ほどあった4点のいろいろな問題についてもいいのかな、それとも少人数でしっかりと教育していった方がいいのかなというそれぞれの考え方があるかと思います。
 そういう中で学校の施設がどこもかなり老朽化してきている。小学校でようやく半数のトイレが洋式化され内部の改装が終わったところで、その継続というものも今は止まっている現状もあります。学校の再編はやはり取り組んでいかなくてはいけない重要な今後の課題だと思っております。
 学校再編について皆さんのご意見をお聞きし、少しずつ前に進めていかなくてはいけないと考えております。学校再編ということに関しまして委員の皆さんにご意見を聞きたいと思います。
教育長
 学校再編の取組については、教育委員会で平成29年の1月に鶴ヶ島市学校再編に関する基本方針を策定しました。時間の関係で、その中の内容の一部を説明させていただきます。
 先ほど市長から児童・生徒数の減少というお話しがありましたけれども、平成30年度と比較しますと10年後は約80%に減少、そして20年後の令和20年には約63%に減少の見込みということで、本市では児童・生徒数がかなり減少してくる見込みであるということがデータ的に出ています。
 そして、児童・生徒の推移から小中学校の再編の方向性については、中学校の小規模化の進行が速いことなどの点を踏まえて、小学校より中学校を先行して再編に取り組むことが妥当であるという方向が示されました。学校の規模は、12から18学級が適正規模であると、学校教育法施行規則において示されております。
 また、保護者や教員へのアンケートを行った結果からも、同様規模が望ましいという結果を得ているところでございます。これも市長がお話してくれましたけども、学校施設関係につきましてもやはり全ての学校が建築から30年以上経過して、老朽化対策が急務になっている。老朽化対策と同時に、情報化・グローバル化が急速に進む高度情報社会に対応するための学力を身につけなければならないということで、今後教育環境の整備も必要であると述べられています。
 こうした状況の中から、学校再編は今後、計画的に取り組んでいく必要があるのではないかと教育委員会としては考えております。以上でございます。
市長
 ただいま教育長からの説明にございましたが、10年後が現状の80%、20年後が現状の60%ぐらいに減っていくということですね。どなたか他にご意見ございますか。
委員
 どうしても既存の学区というのが生活圏と、とらえてしまうのが基本にあると思います。鶴ヶ島市という単位は変えられないので、その生活圏のグローバル化というのでしょうか、それを広げていくということを考えていかざるを得ないと思っています。
 例えば、鶴ヶ島市と越生町を比較した時に、越生には中学校がもともと1つしか無かったので、それを良い施設にしていこう、良い環境にしていこうというのは鶴ヶ島に比べて取り組みやすかったのかもしれないです。鶴ヶ島の今ある学校施設を良くしていこうとしても複数ありますので、そこに回せる予算というのは、無いのではないかと、いろいろな話を伺う中で感じています。
 子どもたちの環境を良く、周りの環境を良くしていくために、再編というのはやむを得ないと思いますので、そういう意味では地域を広げて学区を広げていく。文部科学省にて示している通学距離というのが4kmだけども、現状鶴ヶ島では2km以内での通学距離になっているとのことです。そういうことも含めていろいろ地域と繋がっていく中で、子どもたちもまた学びの多い生活ができるという期待も持てます。
 通学路がどうなのということなどいろいろ問題が出てくるかもしれないですけども、そこで地域と繋がりを持って見守りをしっかりしていく、地域で子どもを育てていくということにつなげていけたらと思っています。以上です。
委員
 学校訪問で、すでにクラス数が1学年2クラスしかないという中学校に行くと聞くのですけども、クラス・人数に合わせて先生たちが配置されている以上、先生1人に対する負担がすごく大きくなってしまう。授業を教える生徒指導もありますけど、それ以外の様々な事務作業やいろんな役割が1人に集中してしまう。だったら先生を増やせばいいとなるのですけど、そこまでのお金も出せないので、先生1人の負担が増える。その分、生徒を見る時間や余裕がなくなっているのが現状ではないかと思っています。
 それを考えて先生たちの数が増えるようにするには、ある程度生徒の数がいる学校の方が、人数は多いけども大人の目もたくさん増えるというメリットはあると思っています。ただ、授業参観を見ていて思うのが、小学校高学年から中学生になると40人のクラスは、教室に入るだけで圧がすごくて、これは希望ですけども、ある程度人数の大きい学校にするならば、1クラスの人数をもうちょっと絞ってみるとかできないかというのが個人的な希望です。
委員
 クラスの適正規模という所から話をしたいと思うんですけども、人数が少ない学校というのは、それなりに良さというのはあると思うんですけどね。僕がこれから話すのは、最初に話した現状と方向性で集団の中で夢を持って生きることが大事だということと繋がってくるのですが。
 小規模だと集団の中で夢を持って生きるということからは離れていくので、やはりある程度の人数がいる学校の方がいいんじゃないか。そこで集団教育をするということが大事なのではと思います。
 それを考えると集団の中で生きる喜びを味わわせる集団の数というと、中学校は4クラスくらいが適正かなと僕は思います。
 小学校は1クラスになったら、これはちょっとかわいそうじゃないかな。まだまだ先かもしれないけれども、小学校もそうなる時が来るような気がしますので、2クラス、3クラスは常にキープできることを予測しながら、再編を考えていかないといけないと思います。
 教育にどれだけお金を掛けるかということで、これが市長に問われていると思いますので、われわれ教育委員としては、ぜひそこにお金をかけてほしいということを今日は強く要望しておきたいと思います。
 先週、鶴ヶ島西中学校で体育協会のバレーボール教室をやらせてもらったんですね。アザレアの選手が12人くらい来て、100人の子どもたちと楽しくバレーボールをやったんですけども、その中で話が出てきたのが体育館なんですね。体育協会としては体育館もほしいんだけど、なかなかそれが前に進まないと言われてました。
 今日は体育館の話ではないので、それを一例として挙げても、とにかくやると言ってから時間がかかり過ぎるのが一番問題じゃないかと思うのです。いろんな問題があるというのは重々わかります。
 学校再編の話も同じで、何年か前からわれわれもその話を聞いていて、保護者もいつこの再編が行われるんだろうということで、僕は長久保小学校区なんですけども「この学校がなくなるんじゃないか」という話題は、2年くらい前にしてたような気がするんですよね。
 かなり先になってからの再編になると、時間がかかり過ぎると思うので、できるだけ早く取り組んでほしい。お金の問題であることは重々承知してるんですけども、それを考えながら市長がどのように予算を取ってくるかというのが大事だと思いますので、そのへんを考えていただければと思います。
 市長は最終的に熟慮して考えていただけると思いますので、思い切ってそういう発言をさせていただきました。ぜひ早く進むことを僕は希望したいと思います。以上です。
委員
 私も何回か前の総合教育会議でも再編について話し合われて、中学校を先行してということで話が終わったと記憶しておりますけれども、やはりそういった市の流れを読み取りながら、保護者の方々から「いつ始まるのでしょうか」と質問をされることが多いです。
 今の現状で平成28年度と比べ令和22年度には、64%まで子どもが減るということ。また、小学校1校あたりの児童数ですけども、平成28年度は最多人数が681人になる学校と最小人数が296人、非常に大きな開きが出てくるということも踏まえ、いい教育環境という意味ではソフト面も当然ですけども、ハードの部分でもやはり環境整備ということによって、子どもたちの意欲もかき立てられると思いますし、再編に対しては地域の方のいろいろなご意見もあると思うのですけども、本当に子どもたちのことを考えた時に必要なものではないかと感じています。
 基本的には地域の子どもを育てるだけの視点ではなくて、公の教育ですのでどの学校の子どもたちもみんなで育てていくという視点で、鶴ヶ島市が動いていくということが理想的と思います。そういう意味では、再編が地域の方々と深く関わり合い、配慮しながらいい形で進展していくことを望んでいます。
 前回もちょっとお話しが出たのですけども、中学校の部活動の数を調べてみたのですが、ホームページなどで確認したところ、例えば藤中学校は文化部と運動部合わせると16の部活動があります。南中学校は運動部が7の文化部が2で合計9です。
 部活動を選ぶにも倍近く選択の幅も違ってくるようなこともありますと、やはりそれぞれの子どもが同じように選択できるような、そういった環境が作られることと、また鶴ヶ島は学び合い学習の授業が活発ですので、学び合い学習の授業の中で多様な価値観というのでしょうかね。そこに触れるということが、子どもたちの大きな学びになると思いますので、ぜひ少し大きな規模の中で、子どもたちが様々な人々の価値観を知るという意味、また先生もたくさんいらっしゃるということで、そこで出会う先生であったり、様々なことがたくさんあると思いますので、そういった意味からも再編をお願いしたいと思っております。
市長
 貴重なご意見をいただきありがとうございました。
 2つの考え方があって、1つは今、教育委員会で説明したように人口が減っていくという部分。それから私としては、どうしたら減らさないようにできるだろうかという別の部分をしっかりと持っています。現状のままでは減っていく。けれど、どこかでなるべく早く右肩上がりになっていくような体制を整えなくてはいけないということですね。
 ここ1年、鶴ヶ島の雇用、それから産業というものにかなり力を入れてきました。
 その結果として、今年から株式会社IHI、また養命酒跡地に関水金属という大きな工場が2つ、鶴ヶ島にできていく。養命酒跡地の脇に、IHIの独身寮が100人規模のものができていく。その規模のものをあと2つか3つ、鶴ヶ島市内に造っていくということです。
 独身寮ではありますが、IHIでは他の工場に異動というのがあまり無いそうです。産業を呼ぶことで鶴ヶ島の雇用人口を増やしていくと同時に、子どもを育てる親の環境を整えていく。
 徐々に鶴ヶ島の産業というものを広げていくという段取り等も、ここ1年半でほぼついてきました。今後それを重ねていけば、鶴ヶ島の企業誘致だとか産業用地を確保していくことで、鶴ヶ島の若い人の雇用を増やしていく。鶴ヶ島の子どもたちを多くしていこうという気持ちと、それから先ほど話した現実の少子化というのは、受け入れなくてはならないという部分の2つの中で、鶴ヶ島の学校再編というものは、しっかりと取り組んでいかなくてはいけないと強く思っています。
 これから、市民の皆さん、教育委員の皆さんのご意見もしっかりと聞きながら、現実に向けた方向はどういう風にしていけばいいのか、どういう形が理想なのかというのを取り組んでいかなくてはいけないなと。
 特に今おっしゃられた部活動の数、それから部活動の担当をする先生が藤中学校は2人ずついるとか、他の学校と比べると恵まれている。大事な時期を鶴ヶ島で育つ子どもたちをいい環境で育てていくということが、一番重要なことだと思っておりますので、市民の皆さんと、また教育委員会としっかりと準備をしながら、どの時点でどういう風にしていくかということを市の方向性としてしっかりとまとめていきたいと思っております。
 教育部長には、すごい熱意をもって取り組んでもらっていますし、前教育部長が再編とそれから体育館の方の研究する部門で残っていただいております。
 教育委員の皆さんから1日も早く再編を進めた方がいいというご意見等お聞きしました。鶴ヶ島の方向性を1日も早く決めていきたいと思います。
 今のテーマ、先ほどの4つと、再編、それ以外で久しぶりの総合教育会議ですので何かご意見があればと思います。
委員
 昨日、部活動の素晴らしい講義を聞いてきたのですけども、部活動は無くならないという感じですよね。部活動指導員と外部指導者を入れてお金を出してやっていくという。その分科会の時に横瀬町の教育委員が今、横瀬町の問題は野球部を採るか、サッカー部を採るかで、クラス数が少なくなってどちらか1つしか採れない状況だと。スポーツは団体競技をやるだけの人数がもういなくなっているから、個人競技をやらざるを得ないと。そういう意味では部活動の衰退に繋がってしまうのをその方の発言を聞いて思いました。
 和光市の方の発言は、強いチームが1個も無い。だけど部活動は盛んだと。みんなでそれを盛り上げようとしてる。これがこれからの部活動の生き方と思いましたね。あと社会体育へ今、お金を払っても指導員を集めようという、そういう方向もぜひ考えてもらえるといいなと。逆に言うとお金持ちしか、だんだんスポーツができなくなるということです。僕も水曜日に有償でバレーボール教室を開いていますから。
 卓球やテニスなどはお金持ちしかできない。錦織選手などにしても小学校からアメリカに行ったりしてやってるわけだから。みんなが平等にできるという意味では、やっぱりある程度学校で、それなりの人数がいないとクラブが成立しないというのがあるんだなと思いながら、昨日も分科会を聞いて参りました。昨日の成果としてお話しさせていただきました。
市長
 やはり部活動というものがいかに子どもたちの教育に重要なものかということ。また、中学時代にスポーツをしたことで高校に行っても大学に行っても社会に出ても、そのスポーツを続けていくということは、最終的には高齢になった時も健康でいられるということに繋がっていく。
 一つのいい例が、鶴ヶ島市で以前ソフトボールが非常に盛んになりまして、120チームくらいが鶴ヶ島にあったのですね。その人たちが高齢になって何を始めたかというと、グラウンドゴルフを皆さん始めていただいてですね、今、グラウンドゴルフはそれに近いくらいのチームはあるし、試合数もかなり多くあるという。そういう風にスポーツを続けてる人が高齢になっても続けていく。
 グラウンドゴルフができなくなってもう動けないよとなったら、その次に何をしていくのかというのは、いろいろな方向で生涯学習スポーツ課の方で検討している。その基礎となる子どもたちのスポーツ環境というものを作っていかなくてはならない。
 人口7万の小さな市というのは、あまりスポーツ施設ができないという。運動公園ができて間もなく15年が経ちますけど、その間、公共的には学校の施設を借りているのが現状です。

 大変長時間に渡りご協議いただき、ありがとうございます。
 皆さま方のご意見をしっかりと受け止めさせていただきまして、今後の鶴ヶ島の教育活動の参考にさせていただき、より生かしていけるような環境を作るように努力していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

閉会

 以上をもちまして閉会と致します。ありがとうございました。

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