食中毒とは、汚染された食品を摂取することで発生する、下痢やおう吐、発熱等の症状のことです。
食中毒は毎日の家庭の食事でも発生する危険性があります。予防の原則は「菌をつけない、増やさない、やっつける」です。
食中毒発生状況
細菌による食中毒は夏に、ウイルスによる食中毒は冬に発生する傾向があります。
出典:埼玉県「食の安全について学んでみませんか」資料
台所に潜む食中毒の危険
食中毒は飲食店などの外食だけでなく、家庭でも発生しています。
厚生労働省の統計では、家庭での食中毒発生件数は全体の1割程度ですが、家庭では食中毒を認識されないケースが多いため、実際にはもっと多く発生していると推測されています。
食中毒を防ぐ6つのポイント
食品の購入
- 消費期限を確認して、肉や魚はポリ袋などで小分けしましょう。
- 冷蔵や冷凍などの温度管理は必要な食品の購入は、買い物の最後にしましょう。
家庭での保存
- すぐに冷蔵庫・冷凍庫にいれましょう。冷蔵庫の7割くらいにいれて、詰めすぎに注意しましょう。
- 冷蔵庫、冷凍庫に入れても細菌が死ぬわけではありません。早めに使いきりましょう。
下準備
- 手を洗いましょう。
- 包丁などの器具、ふきんは洗って消毒しましょう。
- 冷凍食品の解凍は、冷蔵庫または電子レンジで行いましょう。また、その際は料理に使う分だけ解凍しましょう。冷凍や解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖したりする場合もあり、危険です。
調理
- 手を洗いましょう。
- 加熱は十分にしましょう。目安は中心部を75℃で1分以上加熱することです。
- 料理を途中でやめる場合には冷蔵庫に入れ、再び調理するときには、十分に加熱しましょう。
食事
- 食卓につく前に手を洗いましょう。
- 温かくものは温かいまま、冷たいものは冷たいまま食べましょう。室温に長く放置しないようにしましょう。
残った食品
- 残った食品は、きれいな器具や皿を使って保存しましょう。
- 時間が経ち過ぎたら、思いきって捨てましょう。
気を付けたい食中毒
▼発生件数の多い食中毒
名称 | 主な原因食品 | 主な症状 | 予防方法 |
カンピロバクター | 鶏肉、牛肉 | 下痢、腹痛、嘔吐、発熱 |
・食品の中心部までの十分な加熱 ・調理器具の洗浄・消毒、使い分け |
ウエルシュ菌 |
煮物や大量調理食品 |
下痢、下腹部痛、嘔吐 |
・前日調理は避け、加熱調理後はできるだけ早く食べる。 ・急速加熱、急速冷却 |
ノロウイルス | 感染者の便や吐しゃ物、汚染した手指の二次汚染があった食品、二枚貝(カキ) |
下痢、腹痛、嘔吐、発熱 |
・調理をする人の健康管理、手洗いの徹底 ・二枚貝の中心部までの十分な加熱 |
埼玉県「食中毒追放計画」を参考に作成
エコバッグでも食中毒予防
レジ袋有料化に伴い、身近な存在となったエコバッグですが、目につく汚れや匂いがなくても、知らない間に肉や魚の汁、野菜の土などがエコバッグに付着することがあります。
そのまま使い続けると、食中毒菌が増殖し、新たに購入した食品に菌が付着してしまいます。
エコバッグを清潔に使うためのポイント
・定期的に洗いましょう。
・肉、魚、野菜はポリ袋に入れましょう。
・冷たい食品とあたたかい食品が密着しないようにしましょう。
・食品と日用品を入れるバッグを分けましょう。
・食品の持ち運びは短時間で行いましょう。
手洗いのタイミング
手洗いは食中毒予防や感染症予防の基本です。
手洗いの手順
(1)水で汚れを洗い流す。
(2)石けんを泡立てて、手のひらを5回こする。
(3)手の甲を伸ばすように洗う。
(4)指先、爪の間をこする。
(5)握手して、指の間をこする。
(6)指を1本ずつねじり洗い。
(7)手首を握って、くるくるこする。
(8)石けんと汚れを洗い流す。
(9)きれいなハンカチなどでふく。 埼玉県「手、洗った?新型コロナウイルス対策に有効です」参照
※令和3年6月に市役所にて行った「食育月間」展示期間に、食生活改善推進員協議会による手洗い体験を実施し、41名の方が体験しました。
テイクアウト等を利用するときのポイント
店内で食べるときと比べて、調理してから食べるまでの時間が長くなるため、ポイントをおさえ、安全に食事を楽しみましょう。
・食品を購入したらすぐに帰宅し、長時間持ち歩かないようにしましょう。
・持ち帰ったらすぐに食べましょう。
・すぐに食べない場合は、冷蔵庫等で保管し、長時間常温で放置しないようにしましょう。
・再加熱するときは、中心までしっかり加熱しましょう。
・食べる前には手洗いしましょう。