令和4年第1回議会定例会市長あいさつ

【はじめに】

 議員の皆様、おはようございます。本定例会の開会にあたりまして一言ご挨拶を申し上げます。

 本日は、令和4年第1回鶴ヶ島市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、ご健勝にてご参集を賜り誠にありがとうございます。

【新型コロナウイルス感染症への対応】

 さて、1月中旬から急速に拡大したオミクロン株による新型コロナウイルス感染症は、減少傾向にはあるものの依然として「まん延防止等重点措置」が継続されるなど、非常に厳しい状況が続いています。

 市内の感染者数については、これまでに約2400人の報告を受けておりますが、このうちの約6割近い約1400人が今年になってからの感染者です。

 そうした中、市では感染拡大の防止に大きな役割を果たす3回目のワクチン接種について、今月1日からまず65歳以上の高齢者の方を対象として開始しました。16日からは当初の予定を前倒しして、対象を一般の方に広げ接種を行っているところです。

 また、自宅療養者には食料品やパルスオキシメーターといった必要物資を配達するなどの支援を行っています。

 引き続き、県や医師会など関係機関との連携を図りながら対応を進めてまいります。

【令和4年度当初予算】

 次に本定例会では、令和4年度当初予算をはじめ多くの案件をご審議いただきます。また、4月から新しい年度を迎える定例会でもあります。

 この機会に新年度予算の編成と事業の概要について申し上げ、議員各位及び市民の皆様に、ご理解とご協力をお願いしたいと思います。

【国の動向】

 まず国では「経済財政運営と改革の基本方針2021」いわゆる「骨太の方針」において、地方財政に関して「今後3年間は、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、令和3年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する。」としています。

【予算編成にあたって市の考え方】

 こうしたことを受け、市では令和4年度の予算について、新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえつつ第6次鶴ヶ島市総合計画を基本に、次の3点に意を用いて編成いたしました。

 まず一点目は「支援の継続」です。

 市民の命を守るためワクチン接種や感染症対策をはじめ、コロナ禍の影響を受け厳しい状況にある市民や事業者など弱者支援を継続します。

 二点目は「躍進」です。

 感染症の影響で休止あるいは縮小等をしていた事業を再開し、地域活動や地域経済の活性化を図り、コロナ後を見据えた魅力あるまちづくりを進めます。

 そして三点目は「構造の転換」です。

 コロナ禍をきっかけとする未来に向けた変化の波を活かし、庁内の働き方や市民生活の変革を目指すとともに不測の事態にも耐えうる庁内体制の確立を図り、市民サービスの継続性を確保します。

 次に、新年度の主な事業の概要について申し上げます。

【Nゲージとガーデンパークを拠点としたまちづくり始動】

 まず市長選挙の際、新たな構想として打ち出させていただいた「(仮称)Nゲージとガーデンパーク構想」を本格的に始動させます。

 株式会社関水金属の新工場と鶴ヶ丘児童公園を一体として整備するこの取り組みは、全国的にも例を見ない官民連携の革新的な事業になると考えています。

 先の政策説明会の際にご説明したとおり、来年度は鶴ヶ丘児童公園において、魅力あふれる英国式ナチュラルガーデンへ再整備することに着手します。

 これにより、新たに生まれ変わる公園は地域住民の憩いの場として、さらにはコミュニティや健康、生きがいづくりの場として市民生活を豊かにする拠点になるものと考えています。

 これに加え「鶴ヶ島駅周辺のまちづくり構想」を策定してまいります。

 魅力ある地域資源として再整備する公園を拠点として、いかに次のまちづくりに活かしていくことができるか。地域住民や商店会など、多くの市民、関係者を巻き込みながら「まちづくり構想」を策定します。

 そうした中で、前期基本計画の重点戦略である「いつまでも健康でいられるまちづくり」「多様な働き方が実現できるまちづくり」をしっかりと具現化するとともに、鶴ヶ島駅周辺地区の都市再生につなげてまいりたいと考えております。

 続いて、重点戦略の分野ごとに、主な事業の概要を申し上げます。

【重点戦略・子どもにやさしいまちづくり】

 「子どもにやさしいまちづくり」の分野では、新町小学校の増築校舎を改修し整備して、学童保育室として放課後の児童の健全な育成の推進と学童保育室の運営規模の適正化を図ります。

 学童保育室の再編・整備についてはこれまで段階的に進めてきたところでありますが、今後も入室児童数の推移などを注視しながら小学校区域の状況に応じ適切に対応してまいりたいと考えています。

 また新たに産後うつや新生児への虐待を防止するため、産婦健康診査の費用の助成を開始することに加え弱視の原因とされる遠視などの目の異常を早期に発見するため、3歳児の健康診査に屈折検査機器を用いた検査を追加します。

 引き続き産婦人科医院の誘致に取り組むとともに、子育て世代包括支援センターや子ども家庭総合支援拠点を中心とした、子どもや家庭の相談に包括的に対応する相談体制の充実と合わせすべての子育て家庭に寄り添いながら、安心して出産し育児ができる環境づくりを進めてまいります。

 学校教育においては、指導用デジタル教科書を導入しICT教育の充実を図り、GIGAスクール構想の効果を一層高めてまいります。

 加えて夏休み期間を利用して、小中学生の希望者に対し「鶴っ子サマースクール」を開講します。学習意欲の向上と家庭学習の習慣化を促します。この講師には地域の大学生を起用し、一昨年実施して好評をいただいた「鶴っ子土曜塾」と同様に、児童・生徒とともに双方が成長できるように進めてまいります。

 また学校再編計画に基づき、西中学校と鶴ヶ島中学校の令和9年度の統合に向けた取り組みを進めます。

 その他の学校では、杉下小学校の屋上防水工事を令和5年度に実施できるよう準備を行うなど学校施設について、適切な維持管理や修繕を計画的に行って長寿命化を図り、児童、生徒の学習環境の向上に努めてまいります。

 そうした中で、新しい時代を生きる子どもたちの豊かな学びをしっかりと支援してまいりたいと考えています。

【重点戦略・いつまでも健康でいられるまちづくり】

 次に「いつまでも健康でいられるまちづくり」の分野です。

 この分野では市民センターを活用し、自治会や地域支え合い協議会などと連携しながら、ウォーキングやラジオ体操の普及食育の推進など多様な形の健康づくりを進めてまいります。

 また「シルバーeスポーツ」の実施や「スマホ教室」の開催など、高齢者のデジタルデバイド解消に向けデジタル活用を支援するとともに、社会的なつながりや世代間交流を創出してまいります。

 そうした地域と連携した健康づくりの体制の構築と合わせて、フレイル予防、介護予防の取り組みを一体的に推進することにより市民の皆様の健康づくりを日々の暮らしの中でサポートし、健康寿命の延伸につなげてまいりたいと考えています。

 地域支え合いの推進の面では、地域住民がNPO法人などの市民活動団体や企業などとの連携、協力によって日常の暮らしの中で共に支え合い、助け合いながら地域の課題を地域で解決する取り組みに対して、引き続き支援をしてまいります。

 公共交通の利便性の向上の面では、つるバス、つるワゴンのルート・ダイヤの見直しに着手するとともに、一本松駅の南口開設に向けた働きかけを積極的に行ってまいります。

 また、若葉駅の西口では、土地区画整理地内の街区公園の整備に着手します。

 先ほど申し上げました鶴ヶ丘児童公園の再整備や鶴ヶ島グリーンパークの活用と合わせて、日常的に外出したくなるような環境や機会の創出を図り、社会参加を促しながらいつまでも健康でいられゆとりや潤いを実感できるまちづくりを進めてまいります。

【重点戦略・多様な働き方が実現できるまちづくり】

 3点目の「多様な働き方が実現できるまちづくり」の分野では、藤金地区のまちづくりについて地区計画に定めた地区施設の計画的な整備を進めます。

 また、施行区域を縮小した土地区画整理事業の早期事業化を引き続き促進することと合わせて住環境の充実を図り、若い世代の定住の受け皿につなげてまいりたいと考えております。

 道路の関係では、国による圏央鶴ヶ島インターチェンジの「フルインター化」が来年度末に完成する見込みです。

 市ではこれに合わせて、都市計画道路川越鶴ヶ島線を整備してまいります。

 さらに共栄鶴ヶ丘線については、測量及び予備設計を行い、川越鶴ヶ島線の整備完了後、間を空けずに着工できるよう計画的に準備を進めてまいります。

 また本年度、鶴ヶ島毛呂山線の都市計画決定を県道日高川島線まで延伸する決定をしました。これは、鶴ヶ島毛呂山線が県道として構想されている新川越越生線と重なり、県による整備の見通しが立ったことから都市計画の変更を行ったものです。

 ただいま申し上げたように道路の整備によって、新たな道路ネットワークが形成されてまいります。そうした効果を、市内における雇用の確保や地域経済の活性化につなげられるよう来年度から組織体制を強化し、企業誘致を加速化してまいりたいと考えています。

 また事業者の支援の関係では、市内の空き店舗を活用して新規出店する起業・創業者や新型コロナウイルス対策などから、事業所等を市内に移転する事業者への補助を引き続き行うことにより、市内空き店舗の有効活用や地域活性化を図ってまいります。

【その他の主な取組み】

 これら取り組みのほか、新型コロナウイルス感染症への対応としては、保育関係施設におけるマスクや消毒液など衛生用品の購入費用に、あるいは消毒作業等に要する人件費などについて補助を行います。これにより、保育環境の改善と施設の安定的な運営を図ってまいりたいと考えています。

 また、ワクチン接種とともに自宅療養者への支援、コロナ禍により生活困窮となった世帯への支援など、必要な対応を実施してまいります。

 次に、災害対策の一環として市では、空調設備を全中学校の体育館へ設置することとしており、来年度、鶴ヶ島中学校で工事を行うとともに藤中学校及び富士見中学校の設計を行います。これにより、非常時における避難所での生活環境の改善につなげ二次災害の防止に役立てるとともに、通常時における学校施設としての機能を充実させてまいりたいと考えています。

 環境保全の推進に関しましては「第3期鶴ヶ島市環境基本計画」を策定してまいります。

 国では2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しております。そうした中、地球温暖化対策実施計画のほか新たに気候変動適応計画を内包した計画を策定し、市の特性に合った脱炭素社会の実現に向けた施策を組み入れてまいりたいと考えております。

 行政のデジタル化の関連では「統合型内部情報系システム」を導入し、一層のICT活用に向けた環境を整備してまいります。さらに収納事務において、スマートフォン等のアプリを活用して場所を問わずに納税ができる環境を整え、市民の利便性を向上させるとともにひいては安定的な市税収入の確保につなげてまいりたいと考えています。

【予算総額】

 以上、令和4年度の事業の概要について申し上げました。

 令和4年度一般会計当初予算について、歳入では、市税収入が前年度比約3億8千5百万円、率にして4.0パーセントの増額の見込みとなるなど、堅調に推移し、安定的な財政運営が確保されるものと考えています。

 歳出では、ただいま申し上げたように、第6次鶴ヶ島市総合計画に掲げる重点戦略を中心に取り組み、市の将来像の実現につながる事業の予算化を行いました。

 少子高齢化の更なる進行に加え、人口減少時代を迎える中、長期化するコロナ禍と相まって地域活力の低下が懸念されています。

 これに適切に対応し、将来にわたって安定した市政を継続するために、時代の変化や市民ニーズを的確に捉え、「選択と集中」により事業を重点化した予算案です。

 その結果、予算総額は、過去最大であった令和2年度を上回る予算規模となり、総額219億9千万円、対前年度比10億8千万円、率にして5.2パーセントの増額となりました。

【組織体制】

 これらの事業を執行する行政組織について、まず現行の「健康福祉部」を「福祉部」と「健康部」に分け、「健康部」には「感染症対策課」を新設し、新型コロナウイルス感染症をはじめとした感染症対策を強化してまいります。

 そうした部課の新設に加えて、危機管理体制や企業立地推進体制を強化するなどの対応を行い、市民生活をしっかり守りつつ各施策を確実に前進させるための組織体制を構築してまいりたいと考えております。

【提出議案等について】

 最後に、本定例会に提案させていただきました議案について申し上げます。

 人事に関する議案が3件、条例に関する議案が9件、組合規約の変更に関する議案が1件、令和3年度補正予算に関する議案が7件、令和4年度当初予算に関する議案が6件、このほか報告が1件です。

 内容につきましては提案理由等によりご説明申し上げますので、慎重ご審議の上、ご議決いただきますようお願い申し上げまして開会の挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは秘書広報課 秘書担当です。

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