鶴ヶ島市が所有するオセアニア民族造形美術品(以下名称を「美術品」と標記)について、平成21年5月20日に譲与契約書を締結し、市議会の議決を経て、学校法人天理大学(467点)、学校法人南山学園(168点)及び学校法人早稲田大学(1,086点)へ譲与しました。
譲与の目的
美術品は、鶴ヶ島市民のみならず、広く人類全体が共有すべき文化遺産として、良好な収蔵環境のもとで学術的な調査・研究が行われ、次世代へ承継されることが望ましいと考えます。このことから、好適な収蔵施設を保有する学術的機関へ作品を譲与することが必要かつ最善と考えております。
経緯
市が所有する美術品は、平成7年12月と平成8年3月の2回に渡り、故今泉隆平氏から寄贈を受けたものです。
市は、これまで、公開展示や学校教育における活用等、美術品を活用した種々の施策を展開し、市立鶴ヶ島第二小学校の余裕教室を簡易収蔵庫として美術品を保管してきました。
美術品の受納後10年以上が経過し、一部の美術品では劣化が見られることから、恒久的な保存に必要な施設を確保するため、学校法人天理大学、学校法人南山学園及び学校法人早稲田大学と、美術品の譲与を目的とした交渉を進め、平成21年2月5日に美術品の譲与について、双方が誠意をもって協議を進めていくことを確認する覚書を締結したものです。
譲与の効果
美術品の名称は「鶴ヶ島市・今泉コレクション」とし、これらを譲与することにより、美術品を良好な収蔵環境のもとで次世代へ承継することが可能となるとともに、専門的・学術的な調査・研究が行われることが期待できます。この方途が、美術品にとりまして最善であり、かつ寄贈者の意思を尊重したあり方と考えております。
その他
3大学は、譲与契約に基づき、以下の連携を行っています。
- 3大学は、研究成果の報告、公開展示等を行うときは、原則として市に通知するように努めます。
- 3大学は、調査および研究にあたり、情報を共有するように努めます。
- 3大学は、市民から美術品の閲覧または借用の申し出を受けたときは、調査および研究に支障がない範囲で、これに応じるよう努めます。