就任のあいさつ
私はこのたびの鶴ヶ島市長選挙におきまして、多くの市民の皆様から温かく、また力強いご支援を賜り、市政をお預かりする重責を担うこととなりました。
市民の皆様から託された思いを深く受け止め、市民生活の現場に寄り添い、課題を的確に捉え、必要な改善に向けて一つひとつ丁寧に取り組むことこそが、私に課せられた使命であると感じております。
この信託に応えるべく、鶴ヶ島の着実な発展に向けて、誠心誠意努めてまいります。
市政運営の基本的な方針
私が目指す鶴ヶ島市の姿は、能動的で自ら変化を生み出し、市民のために着実に成果を生み出す自治体です。
皆様ご承知のとおり、本市は鉄道や高速道路など交通の利便性に優れ、住宅地と豊かな緑が調和する、暮らしやすさに満ちた大変魅力的なまちです。
こうした本市の持つポテンシャルを最大限に生かしつつ、時代の変化や市民ニーズに応じた改革を主体的に進めることで、「鶴ヶ島に住んでよかった」と誰もが誇りを持てる自治体を目指してまいります。
ここで、私が特に力を注ぎたい政策分野を申し上げます。
第一に、「こども・子育て世代への支援の充実」です。
現在の我が国の大きな課題の一つに、世代間における支援の不均衡が挙げられます。多くの制度は、若者が多く高齢者が少なかった時代の設計のままであり、世界でも例を見ない急速な少子高齢化に十分対応しきれていません。
その結果、負担と給付のバランスに歪みが生じているのが実情です。国や県においてもこどもへの支援拡充が進められておりますが、一方で、「自分たちの時には支援が少なかった」「今のこどもは優遇されすぎている」といった声が聞かれ、世代間の分断を生む要因にもなっています。
本来であれば、もっと早くこども・子育て世代への支援に力を注ぐべきであったと私は強く感じています。支援が後手に回り、十分な合意形成がなされないまま制度化が進んだことにより、政治に対する不信や冷ややかな視線を招いている現状を、重く受け止めています。
しかしそのような中にあっても、こども・子育て支援の拡充は、なお一層欠かすことのできない政策であると確信しています。理由はきわめて明快です。50年後、私が83歳になったときに、鶴ヶ島市を支えてくれているのは、間違いなく今このまちで育っているこどもたちだからです。
私たち鶴ヶ島に暮らす大人には、今を生きるこどもたちを地域全体で支え、育てていく責任があります。
私自身、33歳で市長に就任いたしましたが、すでに「どのように未来へバトンをつないでいくのか」を模索しています。こどもたちがより良い未来を築けるよう、今を担う私たち大人が成すべきことを見極め、責任ある一歩を着実に進めてまいります。
第二に、健康づくりへの支援です。
健康であり続けることは、その方がその方らしく生きるために欠かすことのできない大切な要素です。健康は、一朝一夕に実現できるものではありませんが、小さな取り組みであっても、継続することで、大きな成果へとつながることが期待できます。
高齢者やこどもといった、健康上のリスクが高い世代への支援をさらに拡充するだけではなく、これまで行政サービスの対象になりにくかった若者や壮年期の皆様にも積極的に働きかけ、「自らの健康をどのように守り、維持していくか」を共に考えてまいります。
「鶴ヶ島市で暮らしていたから健康でいられた」と実感していただけるようなまちを目指し、予防と支援の両面から健康づくりを推進してまいります。
第三に、働く場の確保と住環境の整備です。
企業誘致を通じて雇用を創出し、市民の働く場を広げるとともに、企業で働く方が市内に定住しやすい環境を整えることは、これからの鶴ヶ島の発展に欠かせない重要な取り組みだと考えています。
これらの取り組みは、若者や働き盛り世代の定住促進や地域経済の活性化につながり、さらには税収増による財源の安定化にも寄与します。
私は、市内外の企業としっかり連携し、鶴ヶ島で働き、暮らしたいと思っていただける魅力ある地域づくりを進めたいと考えています。そして、将来にわたり持続可能な行財政運営を実現するためにも、働く場と住環境の充実を一体的に推し進めてまいります。
第四に、業務効率化とコストカットに向けた取り組みです。
今回、特定の組織や団体から支援を受けていない私が市長に就任したことで、これまでの枠組みや慣例にとらわれず、市政運営に取り組むことができる立場となりました。
このように自由度の高い改革の機会は、当面、本市に再び訪れないかもしれないとも感じています。
就任後最初の部長会議において、私は次のように申し上げました。
「私が市長である間に見直しが進まなければ、おそらく今後何十年も、現状の仕組みが続いていくでしょう。もし、より良い方法があると感じているのであれば、遠慮なく提案し、私を活用して、職員にとって働きやすい仕組みに改善してほしい。」
このような率直な考えを共有し、改革に向けた第一歩を踏み出したところであります。
これまでの慣例にとらわれず、変化に柔軟に向き合う市長が存在することは、市民の皆様にとっても、市職員にとっても、大きなチャンスであると考えております。
市民の皆様、市議会議員の皆様、そして職員には、ぜひ小川ひろみを最大限に活用していただきたいと思います。
本市には、なお向き合うべき課題が数多く残されています。
これまで様々な事情から踏み込み困難であった分野や、長年の慣行により改善が滞ってきた部分にも、私自身が先頭に立ち、しっかりと取り組んでまいります。市長交代により、これまで表に出てこなかった課題が見えるようになり、不安に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。時には意見の違いや摩擦が生じる場面もございます。しかし、それらは本来、解決に向けて真摯に向き合うべき重要な課題であると考えております。
私は丁寧な説明責任を尽くし、市民の皆様とともに課題解決に取り組んでまいります。
今後も、市民の皆様、ここにいる議会の皆様と力を合わせて、鶴ヶ島の未来をしっかりと創り上げてまいります。
就任後の主な出来事
就任後、初めて市民の皆様の前に立つ公務となりましたのが、鶴ヶ島産業まつりでした。多くの市民の皆様が集い、地域産業の活気と温かさを肌で感じることができた大変貴重な機会でありました。
来賓としてご挨拶を申し上げるとともに、会場で寄せられた多くの声に直接触れ、市政を担う者としての責任を一層強く自覚した次第です。
また、交通安全・防犯フェアにも参加し、安全で安心して暮らせるまちづくりの重要性を改めて認識しました。地域の安全を日々支えてくださっている関係団体の皆様、そしてボランティアの皆様に、心より感謝申し上げます。
さらに、本市の未来を担う若い世代からも明るい話題が届きました。
鶴ヶ島市立藤中学校駅伝部が、「第93回埼玉県中学校駅伝競走大会」において、女子は初優勝し初の全国大会出場、男子も準優勝という見事な成果を収めました。力強く、最後までタスキをつなぐ姿は、市民の皆様に大きな感動と希望を与えてくれました。
藤中学校駅伝部の活躍は、選手の皆様の努力はもちろん、学校関係者、保護者、そして地域全体でこどもたちを支える取り組みの賜物であり、心から敬意を表するとともに、全国の舞台でのさらなる健闘を期待するものであります。
提出議案等について
最後に、本定例会でご審議をお願いいたします議案等について申し上げます。
新規条例制定の議案が2件、条例の改正に関する議案が3件、補正予算に関する議案が4件、市道の認定及び廃止に関する議案が各1件、公の施設の指定管理者の指定に関する議案が1件です。
内容につきましては、提案理由等によりご説明申し上げますので、慎重ご審議のうえ、ご議決賜りますようお願い申し上げまして、開会に当たりましてのご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。