令和3年第1回議会定例会市長あいさつ

【はじめに】

 議員の皆様、おはようございます。本定例会の開会にあたりまして、一言ご挨拶申し上げます。

 本日は、令和3年第1回鶴ヶ島市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様には、ご健勝にてご参集を賜り、誠にありがとうございます。

【新型コロナウイルス感染症への対応】

 さて、立冬を過ぎて急速に拡大した新型コロナウイルス感染症は、減少傾向にあるものの、先月上旬に発せられた緊急事態宣言が、依然として、継続されている状況です。

 市内でも、これまでに191人の感染報告がありますが、このうちの半数を超える117人が、今年1月になってからの感染者です。

 国では、現在、医療従事者に対するワクチン接種を開始したところであり、引き続いて、まずは65歳以上の高齢者から、市民向けの接種を行おうとしています。

 市でも、保健センター内に「新型コロナウイルスワクチン接種担当」を設置し、市民がスムーズにワクチン接種を受けられるよう、準備を加速させています。

 県や医師会をはじめ、関係機関と連携を図りながら、万全の態勢で取り組んでまいります。

 【令和3年度当初予算】

 次に、本定例会では、令和3年度当初予算をはじめ、数多くの案件をご審議いただきます。

 また、4月からの新しい年度を控えた定例会でもあります。この機会に、新年度予算の編成方針と事業の概要について申し上げます。議員各位及び市民の皆様に、ご理解とご協力をお願いしたいと思います。

 【国の動向】

 まず、国では、「経済財政運営と改革の基本方針2020」において、今般の新型コロナウイルスに端を発するグローバル危機が、日本経済へ甚大な影響を与えるとともに、特に行政分野のデジタル化やオンライン化の遅れを浮き彫りにしたとしています。

 そして、それを受け、デジタル化への集中投資の実行など、質の高い経済社会に向け、「新たな日常」の実現を一気に進めるとしているところです。

 【市の予算編成にあたっての考え方】

 そうした中、新型コロナウイルス感染症による経済ダメージは、かつてのリーマン・ショックを上回り、今後、数年にわたって、市税の減収が見込まれるなど、市財政に対する甚大な影響は避けられません。

 こうした、これまでにない非常事態ともいえる状況の中、令和3年度当初予算については、「市民を守るために財源を投入すること」、また、「将来に渡って市民を支えていくための財源を維持していくこと」に意を用いて、編成しました。

 令和3年度は、第6次鶴ヶ島市総合計画の2年目にあたり、市の目指す将来像、「しあわせ共感 安心のまち つるがしま」の実現に向けて、その礎となるべく、各施策を着実に前進させる重要な年度です。

 また、市制施行30周年という節目の年でもあります。

 総合計画の重点戦略である、「子どもにやさしいまちづくり」、「いつまでも健康でいられるまちづくり」、「多様な働き方が実現できるまちづくり」を中心に、各取り組みを一体的に推進してまいります。

 【重点戦略・子どもにやさしいまちづくり】

 まず、「子どもにやさしいまちづくり」の分野では、杉下小学校区及び栄小学校区を一体的に捉えた学童施設の再編を行います。

 そうした中、栄小学校の余裕教室を改修整備し、学童保育室として活用して、放課後の児童の健全な育成の推進と、学童保育室の運営規模の適正化を図り、子どもたちが健やかに成長できる環境づくりをしてまいります。

 また、第2子以降の子どもを出産された家庭には、応援金の支給を開始します。子どもの誕生を祝い、子育て世代を応援し、子育て家庭が、喜びと楽しみを持って子育てができるまちを目指してまいります。

 学校教育においては、GIGAスクール構想の一環として、令和2年度に全児童、生徒に配付した学習用端末を有効に活用し、より学習効果を高めるため、小・中学校を定期的に訪問し、機器の操作や、ICT機器を活用した授業方法等について、教員を支援するICT支援員を配置します。

 加えて教育委員会には、小・中学校のICT機器の維持管理など、学校教育分野における情報関連業務の支援を行う情報教育環境運用支援員を配置します。

 こうした市独自の取り組みを通じ、児童、生徒の一層の学力向上につなげてまいりたいと考えています。

 また、あわせて、全小学校の体育館の照明についてLED化をするほか、老朽化により不具合の多い小学校の空調設備の更新に着手し、児童の学習環境の向上に取り組んでまいります。

 【重点戦略・いつまでも健康でいられるまちづくり】

 次に、「いつまでも健康でいられるまちづくり」の分野では、一般会計、国民健康保険特別会計及び介護保険特別会計のそれぞれにおいて、健康長寿推進事業を実施します。

 市では、フレイル予防の普及、啓発のため、令和2年度に9名の市民フレイルサポーターを養成しました。

 新年度には、この市民サポーターに活動していただき、市民センターにおいて、市民による市民のためのフレイルチェック測定会を開催してまいります。

 あわせて、保健師などが地域に出向いてフレイル予防講座を実施するなど、市民と行政が協力したフレイル予防活動を展開します。

 そうした中、地域と連携した健康づくりの体制を作るとともに、保健・医療や介護予防事業などを一体的に推進し、一人ひとりの健康状態に応じた、きめ細やかな健康づくりを進めてまいります。

 また、新生児聴覚検査費の助成を開始いたします。これにより、お子さんの聴覚障害が早期に発見され、早期の療育につながることを期待しています。

 「地域支え合い推進事業」では、地域住民が、NPO法人などの市民活動団体や企業などとの連携、協力によって、日常の暮らしの中で共に支え合い、助け合いながら、地域の課題を地域で解決する取り組みを支援します。

 さらに、埼玉県農業大学校跡地内に整備した鶴ヶ島グリーンパーク内の太田ヶ谷の森では、樹木が少ない場所などに植樹を行い、外出したくなる環境の整備を進めてまいります。

 鶴ヶ島市は、市街地と自然環境が隔たることなく、身近な自然と調和した地の利があることが、特性のひとつです。

 今後、太田ヶ谷の森が、多くの市民に親しまれる憩いの場となり、さらに、運動公園を含めたこの一帯のエリアがひとつの拠点となって、誰もが身近に緑を感じながら出歩けるなど、ゆとりや潤いを実感できるまちづくりを進めてまいります。

 【重点戦略・多様な働き方が実現できるまちづくり】

 3点目の「多様な働き方が実現できるまちづくり」の分野では、藤金地区のまちづくりに向けて、土地区画整理事業の施行区域から除外する地区について、地区計画に定めた地区施設を計画的に整備し、住環境の充実を図ります。

 あわせて、施行区域縮小後の土地区画整理事業の立ち上げにあたっての合意形成等を支援し、当該事業の早期事業化を目指してまいります。

 そうした中、土地活用の促進を図り、若い世代の定住の受け皿につなげてまいりたいと考えおります。

 また、都市計画道路川越鶴ヶ島線の整備も、引き続き進めます。

 市では令和元年度に「産業用地可能性検討調査」を行いました。その結果、企業立地に向けた手法の一つとして、都市計画法第34条第12号に基づく開発許可の可能性が明らかになり、昨年の第4回定例会では、「鶴ヶ島市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例」の一部の改正について、ご議決をいただいたところです。

 国による圏央鶴ヶ島インターチェンジの整備、県による国道407号バイパスの整備と合わせて、市では川越鶴ヶ島線の整備を着実に進め、その整備効果が、早期の企業立地につながるよう、取り組んでまいります。

 さらに、都市計画道路の関連では、令和元年12月に作成した「都市計画道路整備方針」において、優先順位の最も高かった共栄鶴ヶ丘線について、関連する都市計画の変更に着手します。川越鶴ヶ島線の整備完了後には、間断なく、次の都市計画道路整備に移行できるよう、しっかりと準備をしてまいります。

 また、市内の空き店舗を活用して、新規出店する起業・創業者や、新型コロナウイルス対策などから、事業所等を市内に移転する事業者に対して補助を行うことにより、市内空き店舗の有効活用や、地域活性化を図ってまいります。

 なお、立地適正化計画に位置付けられ、市内企業と連携した拠点及び鶴ヶ島駅周辺地区の構想を策定する鶴ヶ島駅周辺地区拠点整備構想策定事業については、新型コロナウイルス感染症による影響を考慮し、令和2年度に引き続き、予算事業としては休止することといたしました。

 そうした中ではありますが、株式会社関水金属の「まちなか工場」への移転準備の状況に合わせて、人々の交流と魅力あふれる地域の拠点創出に向けた検討を、引き続き進めてまいります。

 【その他の主な取り組み】

 これら取り組みのほか、災害対策の一環として、中学校体育館への空調導入に向けた、調査、設計を行います。

 これにより、通常時における学校施設としての機能を充実させることはもとより、非常時における避難所での生活環境の改善につなげ、二次被害の防止に役立てまいりたいと考えています。

 加えて、国土強靭化法に基づき、公共施設の保全、更新、地域における見守り活動の支援など、ハードとソフト、両面の取り組みを幅広く位置付け、強靭な都市づくりの方向性を示す計画を作成します。

 このように大規模自然災害へ備えを充実し、「安心のまち つるがしま」に向けたまちづくりを推進してまいります。

 また、デジタル化の関連では、従来のICT関連事業を、「行政システム活用推進事業」として一本化します。

 これにより、外部人材や各種のシステムの活用、ネットワーク管理とセキュリティ対策などを一体的に行い、一層のICT活用に向けた体制を強化します。

 さらに、収納事務において、市税等の口座振替の受付を電子化します。

 この3月からは、マイナンバーカードを利用して、印鑑登録証明書や納税証明書など、市が発行する各種証明書の取得が、全国のコンビニエンスストアで可能となるサービスを開始するところであり、市民の利便性の向上と、事務の効率化などにつなげてまいります。

 【市制施行30周年記念事業】

 最後になりますが、市制施行30周年記念事業です。

 過日、ふるさと応援大使「鶴」の神田さんによるデザインの記念ロゴマークを、そして、市民の皆さんからご応募いただいた作品の中から「大好き、つるがしま」のキャッチフレーズを決定し、市制施行30周年のスタートを切りました。

 この節目の年に、新型コロナウイルス感染症に負けず、未来に向けて飛躍する第一歩となるよう、これからの時代を担う子どもたちや、若い世代を主役にして、「未来の〇〇発掘事業」や「雨乞いのまち鶴ヶ島活性化事業」、「こども宇宙プロジェクト」などを実施いたします。

 また、鶴ヶ島グリーンパーク内には、記念プレートを付したモニュメント時計塔を設置します。

 これらの基本コンセプトは、「祝う」、「つなげる」、「伝える」です。

 コロナ禍にあっても、コロナに負けず、元気を出してもらえるよう、市民の皆さんと共に市制施行30周年を祝い、郷土意識を醸成しながら、「しあわせ共感 安心のまち つるがしま」に向けて、進んでまいりたいと考えています。

 【予算総額】

 以上、令和3年度事業の概要について、申し上げました。令和3年度一般会計当初予算について、歳入では、新型コロナウイルス感染症の影響により、市税等が大幅な減少となる見込みです。

 歳出では、ただいま申し上げたように、第6次鶴ヶ島市総合計画に掲げる重点戦略を中心に取り組むとともに、「新しい生活様式」に沿った事業の組み立てを行っています。

 そうした中、既存の計画や方針、事業等の抜本的な見直し、大規模公共事業等の優先順位付けと実施時期の再検討を行った結果、予算総額は、7年ぶりに前年度を下回る予算規模となり、総額209億1千万円、対前年度比9億2千万円、率にして4.2パーセントの減額となりました。

 【提出議案等について】

 次に、本定例会に提案させていただきました議案について申し上げます。

 専決処分の承認に関する議案が1件、条例に関する議案が12件、令和2年度補正予算に関する議案が8件、令和3年度当初予算に関する議案が6件、令和3年度補正予算に関する議案が1件で、このほか、報告が1件です。

 内容につきましては、提案理由等によりご説明申し上げますので、慎重ご審議の上、ご議決、ご承認いただきますようお願い申し上げまして、開会の挨拶といたします。

 どうぞよろしくお願いいたします。

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