日時
令和3年1月20日(水曜日)9時00分〜10時20分
場所
鶴ヶ島市庁舎3階 庁議室
出席者
齊藤芳久市長 松井克彦教育長 石澤良浩教育委員 高篠雅惠教育委員 萩原秀雄教育委員
武知美葉教育委員
事務局
新堀教育部長 谷ヶ﨑教育部参事 田中教育総務課長 伊東政策推進課長 永島教育総務課主幹
三村教育部企画調整幹 飯塚教育総務課主査 木下政策推進課主査
傍聴者
0人
議事録
開会
市長あいさつ
協議
(1)第2期鶴ヶ島市教育大綱(素案)について
委員
・環境の充実が非常に大切である。どのような環境で子どもたちが育っていくのか、地域的な環境だけでなく、施設であったり、設備であったり、様々な物的環境も子どもたちに影響を与えるものと思う。
・良い環境で育った子は、それが普通。そうでない環境で育った子どもは、それが普通。普通のレベルというものを高く保つことが、子どもたちが成長していく上で非常に大事なことなのではないか。
・出生からの6年間で、家庭によって育まれている質が異なっており、子どもたち一人ひとりにある力は、小学校に入学した時点で差がついている。出生から入学までの6年間で差がついていることが、そのまま中学卒業まで続いていく現実が、あるように思う。家庭での差が中学卒業まで続かないよう義務教育段階での教育で、子どもたちをしっかりと見ていかなければならない。
委員
・素案に書かれている「生きる力」とは何か、自分なりに考えてみた。人間は一人では生きられない生き物であり、特に子どもはたくさんの人に愛され、大切にされ、育まれる土台があってようやく「生きる力」を身に着けられると思う。
・地域には自分たちで課題を見つけて、「生きる力」として動く市民が少ない。家庭も様々な問題を抱えていて、学校への要望ばかりで済ませてしまうケースもある。どうすれば地域や家庭が学校に興味を持ってくれるのか、一緒に子どもを育んでいける力を身に着けようと思わせることが一番の課題である。
委員
・教育は、未来を先取りしながら教えていかなければいけない。子どもたちが育ったときに、本当に楽しい豊かな社会が待っているのかというと、豊かではなくなっていくのではないかと思う。
・前へ前へと進むことも大事だが、ちょっと立ち止まって考える時期に来ているのではないか。経済優先から社会に貢献する人間の育成が必要となる。
・未来の厳しい社会を生き抜いていくには、どうやったら立派な大人になれるか、考えたらいいと思う。そのために、「厳しい大人の社会を生き抜く力」が必要である。
委員
・新しい時代が始まる。新しい学校の形、新しい教育の形というものが始まっていくという意味で、非常に希望を抱いている。新しい教育が始まる前に、子どもたちに何のために学ぶのか、大人たちは伝えていかなくてはいけないと思っている。
・学ぶことの意味をしっかりと子どもたちも私たちも意識し、出生から高齢になるまで常に学び続けること、それを学べる場が学校であると感じている。
・鶴ヶ島というまちは、元々市民が文化的なものを持ち、学ぶことを続けている。文化は楽しみや精神的な安らぎを覚えたり、生きる喜びであったり、人生を豊かにするものとして、非常に大切と思う。
教育長
・学習指導要領の改訂で「社会に開かれた教育課程」が新しく盛り込まれたこと。「社会に開かれた教育課程」では、今後地域とともにある学校や、地域とともに成長する学校を、これから目指していかなければいけない。学校と地域が一体となって、社会総がかりで子どもに「生きる力」を育てることが求められていると、受け止めている。
・第2期鶴ヶ島市教育大綱には、「学校と家庭と地域が一体となって」と「生きる力を培い」というように「生きる力」を育てることが必要であると、しっかり盛り込まれている。この教育理念は鶴ヶ島の教育に、また国の教育に合致しているものと捉えている。ぜひこれを実現できるように、今後もしっかりと取り組んでいく。
市長
・今まで頑張って来た地域の方は、高齢化してきている。地元の自治会の運営に関しても同じようなことが言える。市でも地域の強化に、これから力を入れていかなくてはいけない。地域力を高めて学校に協力できるような、子どもたちの成長に協力できるような体制が、これまでと同じようにできるのか。新たな考えの中で、地域貢献を探し出していただけるような形の土台をしっかりと作っていくことが大事である。
・子どもたちがこれからいろいろな状況の中で、しっかりと生き抜く。その力を蓄えるために教育として、何ができるのか。市として何ができるのかをしっかりと考えていかなくてはいけない。鶴ヶ島で育った子どもが郷土意識を高めていく。都内まで出勤しなくても、鶴ヶ島市内で仕事ができて、子育てができて、老後をしっかり暮らせるようなまちづくりの基本が、今回の「しあわせ共感 安心のまち つるがしま」を作り出そうという第6次総合計画である。
・多方面にわたり、これからも皆さんにご意見をいただきながら、進めていく。本日協議いただいた内容を踏まえ、第2期鶴ヶ島市教育大綱を策定したい。
(2)学校再編について
教育長
・学校再編に向け、教育委員会の方向性について5点ほど話をさせていただく。1点目は、学校の適正規模について。国の適正規模は、1校が12学級から18学級を示している。鶴ヶ島市の中学校の生徒数の推移を見たときに、十数年後には1学年1クラス、単学級の学年が発生してしまうような現状もある。生徒に様々な人間と関わり、集団生活を学ばせることを考えると、教育委員会として単学級は、避けなければならない。十分な教育効果を発揮できる適正規模をしっかりと示していく必要があると考えている。
・2点目は、教育環境の整備について。施設設備の財源等の問題が大きく山積している現状であるが、教育委員会としては、鶴ヶ島市の子どもたちのために現在の学校教育の水準を将来にわたって維持・向上させることが条件となる。良好な教育環境の整備、充実を図ることを前提として、捉えていきたい。児童・生徒にとって、自分を伸ばすことのできる、より良い教育環境の創造と地域に還元され、地域とともに成長できる、新しい学校をつくるという考えで学校再編を今後進めていきたい。学校は避難場所や社会体育で学校施設を使用しているということもあり、施設の老朽化も大きな課題になっている。
・3点目は、学校再編の基本的な考え方について。一つの小学校の卒業生が、同じ中学校に行って通学できることが理想である。通学距離は、小学校はおおむね2km以内、中学校はおおむね3km以内と考えている。通学路の安全を確保し、児童・生徒が安心して登下校できるということが必要である。
・4点目は、小中一貫教育の推進について。鶴ヶ島市は義務教育9年間を系統的、継続的に、確かな学力と豊かな心、健やかな体といった「生きる力」を身に着けさせるために、小中一貫教育を全ての学校で取り組んでいく。特に南小・南中学校については、施設一体型の小中一貫教育も視野に入れて、検討していく必要があると教育委員会では考えている。
・5点目は、学校再編の時期について。小学校はおおむね今後二十数年先までは、国が示す適正規模、12学級から18学級を確保していく見込みであるため、中学校を先行して再編に取り組んでいく必要があると捉えている。
・事務局に確認したいことが2点。一つは中学校が1学年1クラス、単学級になる時期と学校名について。もう一つは、今後市の公共施設個別利用実施計画に基づいて進めていくが、今言える範囲でのスケジュール、方向性について。
教育総務課長
・中学校で単学級が発生するのは西中学校。時期は、2031年、令和13年に単学級が発生する見込みである。ただし、2034年、令和16年には2学級に戻る。
・現在、市長部局で公共施設個別利用実施計画を作成している。本年度の3月に素案を策定する予定。その後、市民コメントの実施や関係団体の説明等を経て、令和3年度に策定と聞いている。
委員
・学校再編は賛成。結果を可視化するということを一つの目標にしていただきたい。学校再編によって、例えば、中学校を卒業して地域の進学校である高校に何人輩出したかということも、一つの可視化である。あまりに小規模の学校では、出生から入学までの6年間についた差が、学校教育の中では見えにくくなってしまう。
・学校制度には、一つは個々の能力のレベルアップ。もう一つは能力によって適切な進路というものがあるので、そういった適性を見極めること。それらが義務教育段階で行われることが大事であると思う。
・教室が木質化されると、木の香りとか鼻を通して全身に伝わり、学ぶということに自然に入っていける気持ちになる。先進的にいろいろなことに取り組んでいる小・中学校は大体、木質化されている。子どもたちの良好な育ちのために環境を整えるという意味での統廃合は、大事と考えている。
委員
・学校再編のキーワードとして「新しい学校をつくる」という言葉が出ているが、とてもタイムリーな言葉と感じた。今の子どもたちに合った教育をするには何が必要なのかという視点で、新しい学校をみんなでつくっていこうという形に持っていくと、みんなでつくる学校というイメージにつながるのではないか。
・学校が舞台になるのなら、ぜひ子どもたちの意見を聴いてほしい。絵にしてみるとか、学び合いの授業の中のグループワークで、「自分たちがつくるなら、こんな学校をつくりたい」ということに子どもたち自身が参加していくことで、家庭や地域の協力も得られやすいのではないかと感じる。
委員
・学校再編は、もうかなり時間を掛けて議論してきたので、今までの経緯を大切にして再編に当たってもらえればと思う。
委員
・子どもの数が少なくなっていくことを考えると、学校再編は考えていかなくてはならないと、市民も思っている。学校は、地域の方にとって非常に大切な場所であるので、地域の方の思いをくみ取りながら、丁寧に学校再編に向けて動き出してほしい。
・小中一貫教育に取り組む、南小・中学校では、特に中一ギャップというものが解消されているように感じる。実際、小学6年生が卒業するときに、中学に行く不安を言う子どもが少ない。なぜかと言うと、中学校の先生方が小学校に出前授業で子どもたちと触れ合う機会を設けたり、また常に隣で部活動をする中学生の姿を目の当たりにしたりしているからである。
・先生同士のコミュニケーションの取り方が、学校が隣にあるため、非常に密で、小学生のことについて、隣にいる中学校の先生にスムーズに連絡されていく。小中一貫教育に関しては、今以上にさらに進めてほしい。
市長
・教育委員会、総合政策部で、学校再編に向けて取り組んできて、3月には何らかの形で市の方向性をしっかりと出すことで現在進めている。
・小学校に関しては、地域の中で地域の皆さんのご協力をいただいて、しっかりと運営していかなくてはいけない。今後、学校が地域の中心的活動の場になっていくために、8つある小学校は、現在の段階では、現状のままの方向に行くのではないか。
・中学校に関しては、現在、西中学校の生徒が急激に少なくなっていくという現状を、教育委員会としても市としても、大変危惧している。中学生の教育環境をいかに保つか、そのためにはどう統合していくのが良いか、考えなくてはいけない。
・全国的に見ても子どもの数は減っていく。いろいろ想定しながら、鶴ヶ島の児童・生徒の数を検討している中で、少なくなっていく子どもたちを一日も早く適正な規模の学校で、適正な教育ができるようにしなくてはいけない。
・鶴ヶ島を今後、いかに発展させて、子どもたちの数を増やしていくという、大きな大義がある。鶴ヶ島の人口をしっかり守っていく、鶴ヶ島の経済をしっかりと立てていく。企業誘致をして、地元で働いて、子どもを育てていただく。学校教育の中で、「鶴ヶ島に住んで良かった」と言われるような環境をつくっていかなくてはならない。
・今後も委員の皆さんのご意見を聴きながら、最終的な決定をしていければと思っているので、学校再編について、よろしくご協力をいただきたい。
閉会
市長
本日は、教育委員の皆さんからの考えを伺わせてもらった。以上で令和2年度第1回総合教育会議を閉会とする。貴重なご意見をいただき感謝申し上げる。